第3話君の知らない物語【表】
私達は目的を終えクロウと共に傭兵学校を目指す
傭兵学校とは戦争、災害、救助などの現場を主にで様々な仕事をこなす傭兵を育てる学校である
ラドュガの研究所に行けたのも傭兵の仕事があるとして行けたからであった
それはさておき車の中でアワフキ達にクロウを紹介したりクロウはこれからどうするのかなど今後について話した
そんなことをしている内に私とクロウはますます仲良くなり本当の兄弟………というより何年も連れ添った友達のように仲良くなった
それで分かったのだが彼はかなりのおふざけ好きだ
時間はもう深夜2時
外には夏の大三角がキラキラと輝いていた
「あれが、デネブ、アルタイル、ベガだよ!」
私は夜空に指を指した
彼は4回空に指を指しリズムを付けて言った
「なるほどアレガ、デネブ、アルタイル、ベガですね」
「それじゃ夏の大四角じゃん!それにリズム的にも"熊物語"はじまっちゃうよ」
彼は私のツッコミに味を占めたようで立て続けに喋る
「ところでマリヤさんアルタイルとベガは織姫と彦星なのは知っていますか?」
「そりゃまあ」
「星には動く星と動かない星があるのですが彼らは動かない星なんですよ」
「えっ!彦星って織姫に会いに行くんじゃないの!」
とは言ったものの言われてみればそうだなと思った
でなければアルタイルもベガも毎年見ることなんて出来ない
「なのにも関わらず彼らの恋は万年と続いていますつまりですよ!これらが指し示すのは恋愛は遠いときが一番良いということではないでしょうか?」
クロウは大発見をしたかの如く立ち上がった
「確かに蜜月期って言葉もあるくらいだし相手の欠点すら見えない時期が一番いいけどそれじゃ寂しくない?」
「まあ私は欠点含めて愛します」
彼はこちらを見つめてフンスとドヤっている
「私はそのときにならないとまだ分からないなぁ人を好きになったことないから」
私はロボットなのでそういうのには疎い
というかこれまでの時間のほとんど敵からの虐殺から逃れることに使っていた
「18歳なのに恋愛の1つもしてないのですか?」
私はクロウのその言葉に頬を膨らませた
「ちょっとー女性に年齢の話はNGだよ」
ここまでで彼がいかに私に対してノンデリかが分かっただろう
「では政治の話を」
「歓談の場では好ましくないよ」
「ではお好きな野球のチームは?」
「なんでそんな乱闘を起こそうとするのさ!」
「では初めてやったポケモンは?」
「ダイヤmてちょっとーまた年齢の話じゃん!てかこれってストリーマーとかの年齢を炙り出すための古い手法だよね!あなた私の年齢知ってるじゃん」
「失礼、かみまみた」
「噛んでるけど噛んでないでしょ!」
「失礼、神でした」
「ホントに噛んでた?!」
どこかで聞いたことのある掛け合いだ
「ちょっと寝起きに頑張りすぎて電池切れのようです」
彼の胸のライトは赤く点滅していた
彼は人間と鳥のハーフでサイボーグらしいのだが
何なんだ!そのライトは?!!
「まだスペシウム光線も撃ってないのにー!!」
彼は幼子のように暴れている
「それ切れたらどうなるの?!電池なんて持ってないよ!」
マリヤは慌てて持ち物を確認する
サイボーグって何を食べるの?
んんんんんん………でもワンパンマンだと普通にうどん食べてたし
電気を使うタイプのサイボーグもいたよな………
私は頭を悩ませていた
「大丈夫です安心して下さいスマホのモバイルバッテリーがあります」
彼は充電ケーブル先っぽを咥えて充電を始めた
「そうやって充電するの!?」
私はその事に驚いてクロウの口の中を開けて覗いてみたり
他にクロウの体にチクビームでもないかとまさぐっていると彼はまた饒舌な口を回し始めた
「知っていますか?マリヤさんケーブルって差し込み口がメス、差す方がオスって呼ばれるんですよ」
「ケーブル加えながらその話する?」
ナニがとは言わないが機械業界って案外単純なんだなと思った
「(電池ギリギリだった)ふぅセーフですね」
「アウトだよ!」
あまりの唐突な下ネタにマリヤは迫真の顔での
"日常"的ツッコミを引き起こした
「つまり俺はLGBTQでいえばGってことですか?」
「それと素早くて黒光りで頑丈」
「それ話だけ聞いたらゴキブリじゃないすかー。最近はLGBTQとかADHDとかそういうのヘイト高いんすからゴキブリとか言っちゃだめっすよ」
「私はあなたがゴキブリってことしかいってないよ」
マリヤは正直なところツッコミに疲れ始めていた
「俺………実は……」
クロウの唐突なシリアスさに皆が息を飲む
ゴクンッ
「SSDって診断されたんだ。だけどHDMIじゃないんだって」
ガンッ
リラが足踏みをした
怒ったのだろうか?
「………」
深夜に騒げば怒られるのは当たり前だ
マリヤとクロウはリラにひと謝りする
「もう深夜なんだから静かにしないと」
マリヤはそうクロウに耳打ちした