第2話"出会い"と"突然"はマブ
マリヤは地下への階段を下りて目的の場所と思われる研究所にたどり着いた
ここで真っ先に目に入ったのはガラスのなかの青年だった。
培養液はとっくの昔に使いきっていたようで彼はぐったりと倒れ込むようにガラスの中に入っていた。
(これがプレゼント?)
私はその様子に少し戸惑ったがすぐに私はお母さんの日記にあった通りの機械操作で彼をガラスの中から出してあげた
彼の体は人間と鳥を合わせたような見た目
手はあるが手から脇にかけて翼が生えている
人間の足のようだが指は鋭く丸まっている
それは伝説上の生き物ハーピィのようであった
私は彼を抱き上げて状態を確認すると彼は咳き込み驚いたように目を見開いた。
彼は私に気づくなり驚いたように飛び上がる
彼は思い出したように
「母様からの贈り物です」
といきなり手に持っていた機械を私に差し出した。
ピピピッという音と共に彼の手のひらにある機械からホログラムがでてきた
それは私の身長、体重、使っている金属に至るまで
私の全てが記載されていた
そのデータには私以外の情報もたくさんあった
なんかいろいろ書いてあるけどまあいいか
私は内容が1mmも理解できないままデータの最後のページへと指を進めた
するとホログラムは私に吸収されるように粉々になった。
♪αデータ適合完了
「わ!なんだこれ」
私の頭に機械音声が流れ込んだ
「ラドュガはあなたに全てを託したのですよ」
青年は真っ直ぐな瞳で私を見つめた
その時突然グラララという大きな音とともに研究所が揺れ始めた
赤く点滅する非常ベルは回りの音を書き消すほどの音を鳴らし私達を焦らせる
急いで階段を登り仲間の位置を確認する
廊下の方を見ると手を振るアワフキ達の姿が見えた
「崩れる!速くしろ!!」
次々と落ちてくる障害物を避けて私達は走った
もともと歩きにくい地面のくせに揺れでまともに前へ進めない
そのとき私の真横の柱が倒れてきた
"やばい死ぬ"そう確信したとき
彼は大きな鋼の翼を広げて私を足で掴み
廊下の壁を破壊しながら飛び始めた
それは体感したことのない速さだった
崩れ落ちる瓦礫を物ともせず
正面を塞ぐ瓦礫でさえも翼を盾にタックルで吹き飛ばした
ガッシャーーーン
発電所から私達が脱出したときちょうど後ろで建物は完全に崩壊した
(死ぬかと思った)
私は驚きすぎて息が乱れていたことに今やっと気がついた
さっきまで走っていたことに加え
急にジェットコースターに乗せられたことでもうヘトヘトだ
私は切れた息を吸いながら喋った
「ありあとうす、てかぁ、君すおすね?」
(ありがとう、てか君強くね?)
「もちろんですよ。なぜかって?母様にマリヤの護衛を任されたベアトリス200Ζ【クロウ】ですから」