第19話歴史は繰り返す
カネアシはホムンクルスで少女を生き返らせる目的を達成しこれ以上マリヤやスターライト、手斧達と関わる必要がなくなった
そのため彼は少女と穏やかに暮らすため国外へ逃げることにした
しかしアワフキのことや裏切りのことを彼らが許すはずもなく
スターライトは手斧から改造ホムンクルスとカネアシのことを聞き及んだ
カネアシが裏切ったうえラドュガの副産物と共にいることにひどく腹を立て
ラドュガの技術が見つかったという内容で緊急事態宣言を出し国民のほとんどを建物の中へ避難させた
建物の隙間から隙間へと隠れながらカネアシと少女は逃げる
外にはスターライトの使わした兵隊達が彼らを殺そうと狙っている
「大丈夫です」とカネアシは彼女に言うがカネアシには手斧やマリヤのような武器は持っていないただの人間なのだ
カネアシはもう後がなかった
覚悟を決めて彼女だけでも救おうとしたそのとき
マリヤとクロウそしてエマが現れた
彼らはクロウに乗って空から兵隊の上に着陸した
兵隊は跡形もなく潰れた
"マリヤとクロウは"カネアシに気がつかないままスターライトとその仲間カネアシがいるという国会議事堂へと向かう
その騒ぎに乗じてカネアシと少女は海外へと向かう船に乗った
しかしそこにはスターライトの姿があった
「なぜここにいる?!」
「カネアシ君とは何年の付き合いだと思っている?君は安全で合理的なルートを選ぶが……それがなければこういう木は森に隠すような手を使う」
スターライトは二人を睨み付けた
「自分が何をしたのか分かっているのか?」
カネアシにそんなことは関係なかったただ善悪を越えて愛を選んだのだ
それが歪んだ愛で言葉にしにくい愛でも
「黙んまりか?」
二人の後ろにいた兵士はカネアシと少女の足を蹴り二人を跪かせた
「強すぎる力は破滅を呼ぶ。その事はお前がよく分かっているはずだ。」
兵士は少女に銃を向ける
「おい!!!やめろ!!!!!」
「好きだよカネアシ」
「すまないね。悪気はないんだ」
カネアシが彼女の最後をみるのは2回目だった
彼女の無理した笑顔は心をえぐる
パンッという音と共に脳ミソが飛び散る
カネアシは下を向いて彼女の血をかき集めた
何度も何度も何度も
"すくえるもの"などないのに
血は広がるように地面を汚していた
その様子を見たのはスターライト達だけではなかった
そこにはマリヤとクロウそしてエマが到着していた
マリヤは自分の古い仲間を少女に重ね合わせた
一方的な力で不憫を虐げるスターライトは今も昔も変わらない
マリヤは殺意をじわじわと奮い起たせていた
マリヤはスターライトに飛びかかるがスターライトの護衛がそれを阻止する
その回りでマリヤを拘束しようとする兵士をクロウが蹴散らす
護衛がスターライトから離れチャンスと思ったマリヤはスターライトの方へ視線を移すとそこには
レオンに刃物を突きつけられたエマがいた
「その子を離して!!」
「クロウ!!!君がそれ以上動けばナイフはより深く刺さる」
クロウの回りには例の糸があった
「オレ仕込みと隠密の才能のがあったみたいでさ。斧なんて時代遅れなのかなーってあれからスゲー特訓したんだ」
彼は二ヘリと笑ったそのとき
カネアシは倒された兵士の槍を使いレオンに斬りかかる
「無駄だって糸見えてないの?」
糸は簡単に切れ。槍はレオンを突き刺した
「なんでッ?!」
答えは簡単だった。糸の存在に気がついたカネアシは彼女の血を糸に付着させライターで炙った
糸が移動し続けているお陰で指を置いているだけで糸は血をどんどん含んでいく
血液に含まれるタンパク質や鉄分は繊維と科学反応を起こし劣化・凝固させる。ホムンクルスが少量とはいえ含まれているならなおさらだ
それにこれがラドュガの開発した蜘蛛の糸であることを彼は知っていた
これは堅いのではなく力を逃がせるから耐久性がある素材なのだ。力が逃がせなくなれば無力も同然
これはラドュガ陣営とスターライト陣営双方のことをよく知る彼のみに出来る芸当だった
マリヤは斧のエンジンを吹かしスターライトに飛びかかる
スターライトは盾を向けて守ろうとするが意味はない
たいした音もなくスターライトの盾は真っ二つに割れる
「じゃあ復讐開始だね」




