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第14話キラキラキメラとギラツキキラー

私達に近づいてくるエマの体はツギハギで見るからに痛々しい


彼女は体を見せつけるようにクルっと回る


「アワフキさんの上半身スッゴく馴染んでる!」

私はその言葉の意味を反芻した


受け入れられない


しかしエマは言葉を続ける


「私ね!夢が叶ったんだ!」


彼女は私達に幼い頃からの夢を語る


「私ね普通の女の子になりたかったの!」


「なるほど」


エマの話を聞いてクロウは理解した


「人間の上半身が欲しいしかしホムンクルスのせいで下半身に合う人体の培養ができない。ホムンクルスに適合した人間つまりアワフキがちょうど良かったということですか」


その話を聞いたマリヤの顔はそれはひどいものだった


絶望と悲しみに溢れている



しかし顔には出ていない感情はクマだからだ



悲痛■■■■殺意■■■姉妹■■■子供■■■■ラドュガ■■




■殺意殺意■殺意殺意■殺意殺意殺■意殺意殺意■殺意殺意



マリヤの心にある様々な感情はエマに対する殺意


それのみに変化していった


プログラムされた殺意


それは観ているクロウの心を深く握りしめた




マリヤは斧を握り絞めエマに襲いかかる


今のエマに戦闘能力はない


しかしマリヤは容赦をしない


何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も


マリヤはエマを切りつけた


大きくて鋭利な刃は少女の肩から腹にかけてを抉る


露出する子宮、肝臓、腸、胃


「痛い!!!」「やめて!!!」「でも!」「ごめんなさい」


甲高い女児の悲痛な悲鳴


聞くだけで涙が出るほどの痛々しい断末魔


ぐちゃりぐちゃりと肉の塊を切り刻むマリヤ


しかしホムンクルスによって再生されるエマの体は死ぬことを知らない


切りつける度にピクリとするエマの体


エマの目にもマリヤの目にも光りはない





双方の感情を理解しているクロウは何もすることが出来ない

クロウは只、それを見つめ涙を堪えることしか出来ない




その時、ずるずるとなにかを引きずる音が聞こえる


そこにいる皆が足音の方を見る


そこに現れたのはサメである


上半身はサメ、下半身は魚


普通のサメである


「マリヤ、クロウ………」


そのサメは力ない声を発した


一瞬の間を置いてマリヤは気がついた


そのサメがアワフキであることに


「アワフキ大丈夫?!」


マリヤは斧を投げ出してアワフキに駆け寄る


そしてマリヤはアワフキの頭を膝に乗せる


「俺もうすぐホムンクルスに脳を喰われ尽くすところだったんだって」


アワフキはこうなるまでの過程を話す


「分かってたんだ。もうすぐホムンクルスの苗床になるって」


「でも!?どうしてこんな……」


「俺、今までたくさん悪いことしてきたんだ。だからエマに俺を殺させることで…俺が死ぬことで。ホムンクルスの卵を処理することで終わらせたかった」


彼は昔のことを思い出し涙を流す


歯を喰い縛りながら残り少ない命を悔やむ


「戦争のこと?」


「誰か知らないやつの家族奪った分、家族を失ったやつを見ると無性に助けてやりたくなった。マリヤの傍にいたのは只俺の自己満足だったんだ」


彼の心の底にあるのは戦争で奪った命


それに対して贖罪したいという思いだったのだ


常日頃からそれに対して罪悪感と共に生き


明るく接しているようで心の中では希死念慮に苦しんでいた


「だから俺はエマの行動を贖罪として受け入れたんだ」


彼の脈は弱まっていく


「最後まで迷惑かけたなぁ」


彼は目をつぶる


「アワフキ!!アワフキ!!」


マリヤはアワフキを揺すり何度も呼び掛ける


彼女は涙を流しなにもしてやれない悔しさを叫んだ


そしてアワフキの最後を共にするのは後悔と罪悪感だけだった




泣き叫ぶマリヤ

ぐちゃぐちゃのエマ

何もできないクロウ

生涯兵士だった者の死体



この地獄のような惨状をを前に


誰が悪かった


誰が可哀想


それは関係がない


誰もが悪く、誰もが己のしたいことをした結果である


止めないクロウ


感情で動くマリヤ


夢のため他を傷つけたエマ


自らを自傷したアワフキ


それらを産み出したラドュガ


ラドュガを産み出した人間


それら一つ一つがこれに至るための過程だったのだ




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