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第五話 初戦闘!

まずは話し合おう。

もしかしたら見た目だけ怖い人たちかもしれない。

金目の物とか言っていたのも聞き間違いだったりして。


「あなたたちは誰ですか?何か御用でしょうか?」


最強の対初対面スキル、丁寧語。

丁寧な言葉遣いをされて嫌な人はいないと思う。


「俺たちはここの山を根城にしているプラダ―盗賊団だ。ここを通してほしければ通行料を置いていきな。」


ふむ、つまり敵と。とりあえず狙われない方法を模索しよう。


「私はここにきてすぐで何も持っていないのですが…」

「うるせえ!行くぞ野郎ども!」


というなり襲い掛かってきたと思うと、動きがスローモーションになった。

そして画面の左上のほうに「武器を構えてみよう」と光る文字。


なるほど、斬新なチュートリアルというわけだ。

しかし攻撃か。VRであっても相手を殺すというのは気持ちのいいものではない。

ただし、自分の身に危険が迫ったのならば別だ。


指示通りに持っていたロングソードを持って待ち構える。

すると止まった時間が動き出す。


まず部下と思われる二人が突進してくる。一人は槍、もう一人は短剣を持っている。

短剣はまだ大丈夫だが、槍は危険だ。

俺の獲物はロングソード。圧倒的に射程負けしている。


「だったら…」


俺は木の近くに走ってゆく。

槍で狙われたところをひらりと躱し、相手の槍が木に突き刺さった瞬間、蹴り飛ばしそのまま首を斬る。


「すまんな。ただし正当防衛だ。成仏してくれよ。」


次は短剣の男だ。間近に迫ってきているが、動きが緩慢に見える。

「必殺技を発動!」という文字がまた左上に。

でも必殺技の発動方法がわからない。


「仕方ない、普通にやるか。」


ロングソードで相手の手を切り、ひるんだ所にすかさず胸を串刺しにする。

しかし半ばまで貫いたところで剣が止まり、抜けなくなる。


俺は心の中で悪態をつきながら男の持っていた短剣を拝借し構え、ボスと思わしき男に向けて、笑う。


「まだやるか?」


その時の俺の顔はさぞ不気味なものだったろだう。

真正面から相手の心臓を刺したので顔は返り血で真っ赤なはずだ。

そんな男が笑いかけてきたらどうする?当然警戒するだろう。

ホラーゲームでもそうだ。異常であると思わせることで、相手に生理的嫌悪、恐怖を与える。

対して強くなくても、相手の精神に強いと錯覚させることで、ある程度の牽制になる。まあ、一種の威圧である。

受ける立場でこれを回避するには慣れ、もしくは相手の確かな実力を見分ける眼が必要となる。

俺はおそらくレベル1なので、それが見抜かれたらたまったものじゃない。

相手の中にステータスを見ることや、一目見て実力が判断できる達人がいたら別だが…

そうでない可能性に欠けたほうがいいだろう。大人数を相手取るのは変わらないのだから。

これは序盤のイベントなので、ある程度攻撃してくれたら退く仕様になっているだろうし。


「わかった。今回のところは見逃しておいてやろう。」


ふむ、さすがに冷静な判断をしてくれたか。

俺にとっては好都合だ。おそらく必殺技を発動すれば勝てたのだろうが、発動の仕方がわからないのでは無理だ。

しかし狂人ムーブというのは便利だな。戦闘中はずっと笑顔でいることを心がけてみよう。


などと考えていると頭の中でシステムの音がした。


「レベルが上がります。ステータスポイントを割り振ってください。

特殊称号『恐怖を与えるもの』、『初めの近接魔法職』を獲得しました。」


へぇ。すごくリアルに作られてるけど、やっぱここはゲームなんだと再認識する。

近接魔法職って何だ?魔剣士とかか?

まあいいや。

そして時計を見ると約束の時間まであと10分。結構距離あるな。


「よし、ダッシュで行こう。」


ヒュンヒュンと風を切る音が聞こえる。

現実世界だと僕は、短距離は早いけど体力がない。

しかしVRだと息切れがないから走り続けられる。これなら時間内に着けそうだ。

そうしてしばらく森を走っていると、また山賊に出くわした。

だがガイドは表示されない。実践ステージというわけだ。

だがあいにく、俺には時間がない。陽太は時間に結構厳しいからな。

でも一応聞いてみる。


「あなたたちは敵ですか?」


「俺たちはプラダー盗賊団だ、お前を…」

「ああ。敵で間違いないですね。」


敵ならば問答無用。やられる前に終わらせる。

相手に恐怖を与えるため、顔に笑みを張り付け、そのままのスピードで突っ込む。

そして一人一人の間をかいくぐり、胴を切っていく。

臓物らしきものが出るが、気にしないでおこう。


「ぐあっ」「ぎゃあああああ」


おお、先ほどより反応がリアルだ。少しびっくりしたな。


「急に叫ばないでいただきたい、というのは無理なお願いか。」


こちらは急いでいるのだ。強制イベントだか何だか知らんが、迅速に押し通らせてもらう。

この戦闘を終わらせるためには、司令塔を殺すのが一番早い。

どうせチュートリアルなのだから、さほど強くなかろう。

そして敵の首魁らしき頭巾をかぶった男を切る。


「なんなんだてめえはあああああぁ」


相手は三下のような捨て台詞を残して死んでいった。

手下たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。これにて戦闘イベント終了のはずだ。

時計を確認する。


「おお、あと三分か!?どやされる前に門の前に行かなくては…。」


結局一分遅刻した。



だが、彼は知らない。

彼が二度目に倒したのは、イベントの盗賊の名を使い、相手を油断させ初心者狩りを楽しむPKたちだったことを…


どうも!ゆるとうかです。

TOEICの一週間前に小説書いてる馬鹿野郎がいるって?誰のことでしょうか?

次の話は盗賊視点から描いてみたいと思います。

短い話なので、明日ぐらいには投稿できるかな…?

私は狂人系主人公大好きなので、ゲーム内で表面ぐらい登場させてもいいじゃんと思ってこのキャラにしました。恐介は戦闘中は口調が変わる感じで行こうかなーと思っていたり。

そしてこの小説を読んでくださっている方々、評価押してくださった方々、本当にうれしいです。ありがとうございます。(感涙)

評価やフォロー、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変励みになります。それではまた次の話または別の話でお会いできることを願っております。

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