志津音は・・・壊れていた
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
「違う・・・こんなのを俺は望んだんじゃない・・・」
「だったらこれでどうでしょうか。」
そう言って龍徳にキスをしながら
股間に押し付けて腰をくねらせ始めた。
「どうしたんだよ・・・志津音・・・俺だよ・・・龍徳だよ・・・分かんないのか?」
志津音の余りの変わりように龍徳の目に涙が浮かぶ、
また・・・俺のせいなのか?
俺が芸能界なんかに介入したからなのか?
「はぅ・・・こ・これなら・・・ン・・・」
「やめろ・・・」
『こんな志津音を見たくて頑張って来たんじゃない・・・』
「ごめんなさい・・・もっと頑張りますから・・・」
「・・・めろ・・・やめてくれ・・・」
『何があったんだよ・・・これじゃ・・・壊れているみたいじゃないか・・・』
「お願いします!何でもしますから♪」
「止めろって言ってんだろうが!!!!!」
ビクッと身体を硬直させ動きが止まる。
「志津音・・・そうじゃないだろう・・・」
「申し訳ありません。私初めてで・・・」
「違う・違う・・・そう言う事じゃない・・・そう言う事じゃないんだよ・・・」
「どうすれば宜しいのでしょうか?」
「頼むよ・・・お願いだから・・・昔の君の微笑みを・・・」
「こうですか♪」
ピシッ・・・この瞬間に龍徳の中の志津音が崩れて行く。
「なんだ・・・その笑い方・・・止めろ・・・違うだろう・・・君の・・・あの笑顔が・・・もう一度見たかった・・・俺に向けてくれた微笑みは何処に行ったんだよ!!!」
涙が溢れ出してしまう。
「あれ・・・笑顔は褒められたんですけど・・・」
ああ・・・分かった・・・
志津音は・・・壊れているんだ・・・。
「君の話を聞きたいんだ・・・」
「私の話ですか?」
「そうだ・・・君がどの様に生きて来て何で今ここにいるのか・・・それを俺に教えてはくれないかな?」
「本当にお話だけで良いんですか?」
「ああ・・・志津音の話が聞きたいんだよ・・・」
洋服を拾って身体を隠してあげると恥ずかしそうに着替え始めた。
そうして彼女はスラスラと自分の生い立ちを離し始めた
幼少期の頃から話してくれ話題が俺との思い出の時代へ入って行く・・・
「中学生の頃に初恋の男の子がいました♪」
「それはどんな人だったんだい?」
「なんだろう・・・何か私なんかじゃ釣り合いが取れない人だったかなぁ~」
「そうか・・・」
「その人とはずっと友達で・・・私が引っ越しても寂しくない様にってわざわざ引っ越したところにまで遊びに来てくれたんです♪」
「そうか・・・」
今の君の中に・・・俺はいないのか・・・
「でも・・・私が告白する前に父の会社が倒産して田舎に戻る途中で交通事故にあって・・・私・・・記憶喪失になった事があったんです。」
「そうか・・・」
涙が止めどなく流れ落ちる。
「高校一年の時に友達とスキーに行った時にその初恋の人が現れて・・・」
『けがをした記憶はどうしたんだ・・・』
「東京の高校に通っているって教えてくれたから私遊びに行ったんです♪」
『遊びに来た?』
「それはいつの頃なんだ?」
「えっと・・・GWの前だったかなぁ~?」
「GWの前?・・・それで?」
「会えなかったんですよね~」
本当の話なのか?
「その辺りから私は両親と話が合わなくなっちゃって・・・私のせいで家がぐちゃぐちゃになっちゃったんだろうなぁ~お父さんとお母さんも毎日言い争いばっかりで・・・」
『確か前回もそんな事を言っていたけど・・・早過ぎる・・・』
「新潟に引っ越して1年後に離婚しちゃって・・・弟はお母さんと一緒に着いて行ったけど・・・私はなんかどうでも良くなっちゃてて・・・」
ズキンっと胸が痛んだ。
俺が憧れた志津音が見る影もない・・・一体何があったんだ・・・
「その後はどうしたんだい?」
「高校を中退して暫くは新潟に住んでいたんですけど・・・何故か私のいる場所はここにはないなぁ~って・・・貯めたお金を持って家を出て気が付いたら東京にいました。」
「そ・そうか・・・大変だったね。」
「・・・そうですね。誰も頼る人がいないからちょっと優しくされただけで嬉しくて・・・声を掛けてくれた人が優しいから大丈夫かなぁ~って暫くは、その人の家に住まわせて貰っていたんですけど・・・」
『クッ・・・胸が・・・締め付けられる・・・この感情・・・』
「ある時、人が変わった様に暴力を振るうようになって・・・」
『分かっている・・・この沸き上がる感情・・・』
『毎日殴られて・・・怖くて・・・助けて欲しいけど誰も助けてくれる人なんて・・・』
『これは・・・怒りだ・・・。』
「私にも分からないんですけど・・・その時はどうしても肉体関係を持ちたくなくって・・・拒む度に暴力を振るわれ・・・もう良いかなって・・・」
『この怒りは・・・』
「でも、ある時その人が、帰って来なくなったんです。助かったって思ったら警察の人が来て殺されたって話を聞かされました。」
『俺の・・・俺自身への怒りだ・・・』
「住む家を失った私に声を掛けてくれた人が松本さんでした。」
「そうでしたか・・・」
「何にもない私に仕事と住む家をくれて本当に助かりました・・・その後は、グラビアアイドルになる為に、色々努力しました。・・・幸い満足に食事をしていなかったので、身体だけは細くなったから・・・一生懸命に胸を大きくする努力したんですよ♪」
『胸が張り裂けそうだ・・・痛い・・・痛い、痛い・・・』
「グラビアアイドルとして顔が売れたお陰で、他のタレントさん見たいにお仕事を増やしたいんですけど・・・私・・・不器用で・・・そうしたら会社の社長が無料でレッスンをやらせてくれて・・・でも・・・」
ここで、彼女が初めて辛そうな顔になった。
「レッスンにかなりの金額が掛かったそうで、何としても私がお仕事を取って来ないとダメだって松本さんに言われて・・・」
『あのクソが・・・』
「どうしていいか分からなかったんです。そうしたら・・・」
≪他の女優さんやタレントさんは自分を売り込む・・・それこそ自分の身体を使ってもね。君とは覚悟が違うんだよ。皆必死でこの業界にしがみ付いているんだ。それこそ金払いの良いスポンサーを手籠めにする位の事は誰だってやる。≫
「そう言われて・・・少し前にもあるスポンサーさんに気に入られて同じ様にしようと思ったんですけど・・・怖くって・・・気が付いたら逃げてしまって・・・そうしたら・・・」
≪何してくれるんだ!もう一度言って謝って来い!!こっちが折角取って来てやったのにふざけんなよ!!次に同じ事したら出て行ってもらう!今まで費やした金も全部払ってもらうからな!!≫
「そう言われ・・・中途半端な私がいけないって・・・だから・・・今日は神山社長に絶対気に入られないと・・・お願いします・・・何でもしますから・・・私を・・・私を・・・買っては頂けないでしょうか?・・・なんで泣いておられるんですか?」
涙が止まらない・・・。
辛い・・・
苦しい・・・
涙が止まらない・・・。
また俺が何かしたんだ・・・
俺は・・・自分が・・・許せない・・・。
「どうしたんですか?私・・・何か失礼な事を言ってしまったんでしょうか?」
「・・・ゴメン・・・」
「神山社長はなにも悪くありませんから頭を上げて下さい。」
「ゴメン・・・」
「ど・どうしたら・・・お願いですから泣き止んで下さい。」
「スポンサー・・・になるよ・・・。」
「うそ・・・ほ・本当ですか♪」
胸が痛む・・・
「ああ・・・君のスポンサーになろう。」
志津音を壊したのは・・・俺だ・・・。
「うわ~・・・やった・・・やったぁ~♪」
こんな笑い方をする子ではなかったのに・・・
君の笑顔が見たかっただけなんだ・・・
それを俺が・・・奪い取ってしまった・・・。
「喜んでくれて嬉しいよ・・・。」
胸が苦しい・・・息が苦しい・・・。
「松本さんに連絡・・・でも今日はお泊りする事になってるし・・・どうしよう・・・」
涙が止まらない・・・。
「それは、こっちから連絡を入れよう♪」
せめて彼女のこれからは・・・
「有難うございます♪ はぁ~良い社長で良かったぁ~♪」
幸せにしてあげたい・・・。
「もしもし!ああ松本君、今回紹介してくれた志津音さんのスポンサーになるよ。」
だから・・・
「そう言う事だからよろしく頼む。」
君の傍に・・・
「有難うございます♪」
俺がいても良いかな・・・
「こんな事・・・当然の事だよ・・・」
君が幸せになる為に・・・