今行くよ志津音
こちらも良ければ読んでくださいね♪
■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。
毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします
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■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしていますので宜しければご一読ください
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■「小さな小さな 大冒険!!」続編を開始しましたので、宜しければご一読下さい。
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文字数は少ないですが、出来る限り毎日アップしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
「何言っているか分かっています? 俺他に好きな女がいるですよ?」
「だから?」
「だからって・・・貴方を愛せないって言ってるんです!」
「それが、何で私にキス出来ない理由になるのかしら?」
「あれ?・・・」
『ヤバい!完全に地雷を踏み抜いた!』
「神山君好きよ・・・今まで抱きしめたかったのを我慢していたから・・・もう我慢できない・・・服の上からでも分かる・・・凄い筋肉・・・ウフ・・・カチカチ・・・」
「女だと思って手加減していれば・・・いい加減にしないと本気で力を入れますよ!」
「良いわよ♪ 心の優しい神山君がやれるならね♪」
「クッ・・・兎に角離れてくれ!!」
桃花の顔をまたしても手で押すが離れない。
「ウフ♪ ほらやっぱり神山君は優しい・・・」
『仕方ないな・・・落とした方が早いか・・』
「分かった・・・だったら勝負しようか」
「勝負?」
「ああ・・・その勝負に先輩が勝ったら可能な限り望みをかなえてやるよ。その代り負けたら俺の事はサッパリ諦めろ。」
「良いわ・・・どんな勝負なのかしら」
「何簡単だ・・・今から5分間俺は先輩を攻めるから声を出さなかったら先輩の勝ち・・・我慢出来なかったら先輩の負け・・・簡単だろう?」
「ゴクリ・・・良いわ。」
「じゃ~スタートだ!」
そう言って力強く桃花を抱きしめた。
『ンン・・・凄い激しい・・・』
「目を閉じるなよ・・・」
『近い・・・ヤダ・・・吸い込まれそう・・・何もされていないのに・・・ゾクゾクする』
そして、ブラウスを外して露わになった身体を耳から首、首から鎖骨、そして肩から背中へと唇を這わす。
『イヤ・・・声が出ちゃう・・・身体が疼く・・・ダメ・・・ヒィ・・・』
ビクンっと身体が痙攣する。
「まだ3分あるぞ・・・」
耳元で囁くと桃花を持ち上げて壁に着いた自分の足を曲げ太ももの上に乗せた。
「ンン・・・・・」
『あそこが擦れて・・・ダメ・・・無理・・・声が出ちゃう・・・ダメ・・・』
そして、ビクン、ビクンと大きく痙攣した。
「エロイ体・・・ここが、気持ちが良いんだろう?」
「ン~~~~~!!」
仰け反った身体を強引に引き戻す。
『イヤ~ダメ・・・もうおかしくなる・・・ダメ・・・イヤ・・・もう・・・』
「ハァ~ン・・・アア~・・・イヤ~・・・ンン・・・ダメ・・・ダメ~!!!」
「4分30秒・・・良く我慢したじゃん♪」
「はぁはぁはぁ・・・」
『何今の・・・頭が真っ白になった・・・』
「勝負は俺の勝ちだ・・・悪いが諦めてくれ。」
「いや・・・お願い・・・私本気なの・・・貴方が好きなの・・・」
恥ずかしそうに開けたブラウスを留め直す。
「ダメだ・・・諦めろ。」
「お願い・・・傍にいさせて・・・神山君が好きなの!!」
っと桃花が大声で叫んだところで、ガチャっとドアを開かれ野球部の先輩方に聞かれてしまった。
「あっ・・・ワリイ・・・」
そう言ってガチャっとドアが閉まる。
「マジか・・・」
「ウフ♪これで私が龍徳君に告白した話しが、学校中に流れちゃうわね♪」
「勘弁してくれよ・・・」
って事があってから尚更野球部の先輩方からの当たりが強くなった。
桃花先輩も俺が練習に参加すると必ず大声で
「神山君カッコいい~♪」とか言ってくるし・・・
諦めたと本人が言っている事が質が悪い。
「本当に最悪だ・・・」
それでもやると決めたら本気でやってしまう自分の性格が憎い。
だが、そのお陰で雄大との練習も捗っているので良しとするか。
本当であれば受験シーズンの先輩方はとっくに引退しているはずだったが何故か10月まで部活に参加していた。
それがなければ、こんな嫌な思いをしなくて済んだのに・・・
まぁ~今は卒業しているから以前の様な嫌がらせも減ってはいるが・・・
何にしても11月からは落ち着いてリハビリを兼ねた練習が出来る様になった。
そして、12月になると俺の右肩も50%は回復したのだった。
「だいぶ柔らかくなったじゃないか。」
「はい。自分でもビックリです♪ お陰で球種も増えました♪」
「それだけ柔らかくなったら怪我もし難いだろうし良い感じだな♪」
「にしても龍徳先輩のストレートと後少し違うのが何なんだろう・・・」
「この前も話しただろう?」
「それは分かっているんですけど・・・出来る限り真似したいんですよ!でも、どうしてもすっぽ抜けるんだよな~。もう一回見せてくれませんか?」
「良いぞ。どうせリハビリを兼ねて投げるつもりだったし♪」
「有難うございます!」
そして、既に温めてある肩を更に丁寧に肩を作って行く。
右で20球投げると左でも20球と言った感じで投げ込んで行った。
龍徳の投球で特筆すべきは肘と手首の柔らかさ。
肩は水泳をやっていた事もあり肩甲骨が付くほど元から柔かい。
未だ全力が出せないとは言え、体感がシッカリしている龍徳の投球は大地を蹴ったパワーを膝、腰、胸、肩、肘、手首、そして指先に至るまでシッカリと流れて行くかのイメージだ。
プロ野球選手でもそうだが、軽く投げていても速い球が投げられるのは、そう言った理由である。
ピッチャーともなると本気で腕を振り抜く度に毛細血管が破裂する。
特に指先にかかる負担は半端じゃない。
鞭のようにしなる投球フォームで、最後の最後までボールに触れる事で高回転のストレートを投げていた。
「やっぱり伸びが違う・・・時速125㎞で俺のストレートとほぼ同じ軌道・・・」
「俺は指が長いからな。俺と同じストレートは雄大には難しいと言っただろう?」
「もっとゆっくり投げてもらえますか?」
「良いぞ♪」
そして、時速80㎞程の球を投げる。
「その速度で、そんなに届きます? やっぱり回転力の違いってスゲェ~・・・」
「まぁ~雄大も指は長いから投げ込んでいれば、その内出来るとは思うが・・・」
「今何パーセント位の力で投げてます?」
「そうだな・・・80%ってところかな?」
「左だったら全力で投げれます?」
「まぁ~何球かだったら大丈夫かな? 投げようか?」
「お願いします!」
そう言って投げた速度は
一球目が130㎞
二球目が132㎞
三球目が133㎞
四球目が135㎞
「マジか・・・左手で135㎞って・・・右なら何キロ投げれたんだろう・・・」
「これ以上は肩が痛くなりそうだな・・・」
「スミマセン無理言っちゃって・・・」
「いや、俺もどれ位回復したか知りたかったからちょうど良かったよ♪」
「何か才能の差を感じるなぁ~・・・」
「雄大に一つだけ良い事を教えておくか・・・」
「良い事ですか?」
「ああ。自分の最大の長所は何だと思う?」
「俺の長所って言ったら・・・何もないと思うんですけど・・・」
「フッ・・・お前の最大の長所は肩と腰が強い事だよ♪」
「腰は走り込んでいるから何となく分かる気がしますけど・・・肩ですか?」
「そうだ。雄大は肩を壊した事がないだろう?」
「ん~そう言われると確かに・・・無いっスね。」
「肩の骨って複雑な構造になってるんだ。だからちょっとした事で直ぐ肩はダメになり易い。しかも質が悪い事に一度肩を壊すと治りにくい。プロ選手の絶対条件の一つはケガをし難いって事でもあると俺は思うぞ♪」
「なるほど・・・」
「大丈夫だよお前は・・・リハビリと言っても俺の練習にこれだけついて来られるのはお前位だ。自信を持て♪」
「ウッ・・・確かに神山先輩のメニューって殺人的ですよね。最初の頃何度吐いたか・・・」
「フッ・・・俺も来年になったら、ここにはそうそう来なくなる。下手したらお前と一緒にトレーニングするのも後1,2回かもな・・・」
「マジですか?」
「ああ。そうなると次にお前の顔を見るのはテレビかも知れないな♪」
「それって・・・」
「プロになるんだろう? だったらテレビに映る雄大を楽しみにしているよ♪」
その言葉にパァ~っと明るい顔になる。
「はい!俺絶対プロに行きますから!」
「ああ。楽しみにしているよ♪」
数年後、雄大は龍徳との約束を果たしてプロ野球選手となるが、それはまた別の話。
そして、気が付けば、季節は3度目の冬を迎えていた。
取り敢えず俺は予定通り慶応大学を受け合格。
あと数ヵ月で俺の最愛の人に会えるのだから当然誰にも志望校を教えていていない。
中学の卒業時も全てのボタンが無くなったが最初の人生でも体験済みだったので、当日には他のボタンに変えて最初の物は全て志津音に渡した。
なので今回も同じだ。
最初の人生の時もモテたが、今回は俺から見ても異常と言わざるを得ない。
学校の半分近くの女性が泣いたそうだ。
年が変わり1990年1月12日俺は予定通り教習所に通い始めた。
最初の人生と同じで学校を休み合宿免許で取得する。
そのお陰で2月に入った時には既に車を乗れるようになっていた。
長かった・・・だが、これで志津音を迎えに行ける。
季節を考え4WDの車を購入。
2月10日からの3連休を使い一人新潟県を目指した。
出発は当然2月9日の深夜。
車の中にはユーミンの音楽が流れていた。
「今行くよ志津音。」
逸る気持ちが抑えられない。
夢にまで見た最愛の女性。
翌朝には到着し前回の人生で志津音から教わったご両親の実家を目指す。
そして、朝の8時に到着したのだった。
「ここだ・・・」
そう発した俺の息が一瞬で凍り付く
「こんな場所で生活していたのか・・・」
お世辞にも良い家とは言えない。
「目の前に俺が現れたらどうするんだろう・・・。」
それを考えるとワクワクが収まらない。
朝早過ぎると失礼かと思い家の前で車に乗って9時になるのを待つ。
「まだ30分もあるのか・・・」
逸る気持ちが抑えられない。
「後25分・・・まだ5分しか経ってないのか・・・」
この時計壊れているんじゃないか?
「後20分・・・時間が経つのが遅く感じる・・・。」
後20分がもどかしい・・・。
「15分・・・」
長い・・・もう何時間も待った気がする・・・。
「10分・・・。」
まだか・・・
「あと・・・5分・・・。」
後、たったの5分・・・5分後に静音に会える・・・
そして、9時になった。
ガチャと車のドアを開け地面に足を降ろす。
サクサクっと雪が押し潰される音を噛みしめながら一歩一歩志津音の家に向かう。
ゴクリ・・・




