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そこにいる君に逢いたくて。  作者: 神乃手龍
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懐かしい友と・・・


「よし!これで準備が整った。」

スキーの準備をする龍徳の姿がある。


「それにしても大変だったな・・・」

今日までに龍徳がしていた事の一つが・・・



「まさかこの高校に来る事になるとはな・・・」

前回の人生で通っていた高校に龍徳の姿があった。


「名前は確か・・・菅野、坂本、松本、宮田、大塚、あとは・・・佐・・・ダメだ・・・思い出せない・・・」

帰りのスクールバスの前で待っているとゾロゾロとヤンキーが集まってきた。


「うわぁ~そうそう・・・こんな感じだった・・・」

すると突然声を掛けられた。


「何だ兄ちゃん?」

「何か用かよ?」


思い出した・・・コイツ等そう言う人種だったっけ・・・

「えっと人を探して居まして」

するとさらに他の生徒が入って来た。


「どうしたよ!カチコミか!」

ぞろぞろとさらに集まってくる。

『って!岡崎と鈴木じゃねえか!』


鈴木に至っては、俺が大学生だった時にヤクザに踊らされて抗争相手のヤクザを指した事でとんでもない事になった。


「人探しだとよ!」

「へぇ~どいつよ?」

「確か進学クラスの宮田君と就職クラスの大塚君とか」


「ふぅ~ん誰か知ってっかよ?」

「しんね~な」


っとここで懐かしい女が現れた。

「どうしたの? わぁ~カッコいい♪」

『はっ・・・そうだよな・・・』


この女は俺の高校時代の彼女だった一人。

名前を東海みどり言う。


「東海さん♪ いつ見ても綺麗だね~♪」

「人探しだってよ~」

「へぇ~♪ 私を探しに来たのかと思ったのに~」


「クスクス♪・・・確かに綺麗だ♪ けど残念♪ 探しているのは野郎だから♪」

「えぇ~そうなの~残念♪」

「クスクス♪ 有難う。後は自分で探すから大丈夫ですよ♪」


「なんだよ。俺達じゃ不満かよ!」

「いや・・・そう言う訳じゃないけど」

「なんだ、なんだ~!? 何かのイベントか?」


っとここで現れたのが俺の大学生までの悪友だった男だ。

「おう!久我。コイツ人を探してんだってよ!」

「そう言えば進学クラスって言ってたな。宮田って知ってっか?」


久我要。高校から大学まで俺と遊びまくった親友だ。

普段は寮生活だが自宅は新宿。

週末には必ず新宿で遊んでいたっけ・・・


「う~ん? 宮田君か? 知ってるって言えば知ってるな。」

「そいつ、まだいんの?」

「知る訳ね~だろう?」

「そりゃ~そうだよな!」


「それよりも・・・あんた何でそんな目で俺を見てんの?」

余りのなつかしさに・・・

「ああ・・・申し訳ない。知り合いにそっくりだったから」

「ヒャッハッハッハ♪ 久我にそっくりってオメ~もどっかの族かよ?」


「いや・・・」

「ふぅ~ん そんなに似てんの?」

「ああ・・・そいつとは道が違ったから2度と会う事はないと思っていたんだが・・・」


「何か良く分かんねぇ~な。まぁ俺に似てんなら強ぇ~って事だな。」

「ハハ♪ そうだね。そいつも強かったよ♪」

「おもしれ~ジャン! そんな奴いんのかよ!」


「ああ。そいつも某反社会団体の会長の子供で・・・」

そこまで言ってハッする。

ヤベッ・・・うっかり・・・


「へぇ・・・何であんたが知ってんだよ・・・」

俺の近くに顔を寄せて小声で呟く。


「何が? ちょっと良い間違えたかな? そいつは某反社会団体の会長の子供って言ったんだけど?」

「おおそうかよ!へぇ~そいつに会ってみてぇな!」


っとその時、宮田の顔が見えた。

「あっ!宮田だ!ゴメン!ちょっと通して貰えるかい?」

「オイ!ちょっと待て!」

「あっちの要件が終わったら戻って来るからちょっと待っててくれ!」


そして、ヤンキー共を掻き分けて宮田に声を掛ける。

「ちょっとスミマセン。」

「何ですか?」


「その、ちょっと聞きたい事があって・・・」

「あれ?どっかで見た記憶が・・・」

「覚えてくれてたか!神山だよ神山!!」


「神山って中学校の時のか?」

「そうそう!クラスが違ったけど!」

「身長高くなったな・・・全然分かんなかったよ・・・」


「良かった~忘れられていたらどうしようかと思ったよ。」

「まぁ~神山は何かと有名人だったからな・・・で?どうしたの?」

「その・・・変な事を聞いて悪いんだけどさ・・・」


「変な事?」

「悪い事じゃないから!」


「なら良いけど・・・何?」

「お前等ってもしかしてスキーに行こうとしてない?」

「何で知ってんの?」


「いや、偶々前にすれ違った事があったんだけどその時にそんな話をしてたから」

「そうだっけ?まあいいや・・・来年の1月の連休で妙高高原に行くけど。それがどうしたんだ?」


そう言ってカバンからパンフレットを取り出した。

「それだ!それを見せてくれない?」

「これ?良いけど・・・予備があるから欲しいなら上げるけど・・・」

「マジで!助かるよ!」


「ホラ!」

「悪いな!助かるよ・・・それで、どのコースで申し込んだの?」

「俺達のはコレだな!」


そう言って一番安いペンションのコースを指さす。

「ペンション桜・・・何時発だ?」

「ん?夜の8時発だけど?」

「ああコレか・・・東京発20時・・・」

「そうそう。」


「これ多分俺も行く事になるから!」

「そうなの?」

「ああ。あっちであったら宜しくな!」


「それは構わないけど・・・」

「坂本や嵯峨野・・・そうそう嵯峨野だ!他にも大塚とかも行くんだろう?」

「良く分かったな・・・あれ?何で坂本とか知ってんだ?」


ヤベッ

「だからさっき言っただろう?電車の中で話しているのを聞いていたって。」

「ああそんな事言ってたっけ?」

「そんな事気にすんなよ!」


その時後ろから声がした。

「まだかよ兄ちゃん!」

「何?お前絡まれてんの?」

「いや、大丈夫だ!それよりも助かったよ!」

「おぅ・・」

「じゃ~またな!」


そう言って慌てて久我の元に戻る。

「ごめん、ごめん!お陰で話が終わったよ♪」

「おせえよ!んで?」

「んで?ってなんだっけ?」


「オメェ~がさっき俺に似ている奴がいるって話だよ!」

「ああ・・・そいつとは、もう会ってないし2度と会えない。」

「なんでだよ?」


「俺もそいつも引っ越しちゃったから連絡先が分かんないんだよ」

「マジか・・・チッ!面白そうな話だったのによ。」

「悪いな。でも・・・懐かしい友達に会えた気になれたから・・・ありがとうな」


「チッ!そんな目で見るんじゃねぇ!」

過去では親友だった一人。

懐かしくない訳がない。


「ワリィ・・・そっくりで・・・じゃソロソロ行くわ!」

「フン・・・じゃあな!」

「ああ・・・またな要。」


そう言って待たせてあった車に乗って帰って行く。

「アイツ・・・何で俺の名前を・・・」


本来とは違う未来。

決して交わる事がないはずの未来。

『元気だったな要もミドリも・・・変わらないや・・・』


本来の未来での親友と校内で一番人気だった女。

過去とは決別したはずだったが、懐かしさが混み上げてしまう。

何とも言えない感情だ。

気が付けば龍徳の頬を一粒の涙がしたたり落ちていた。



こうして、龍徳は準備を続けて行った。

そして、迎える1月15日・・・


深夜バスに一人で乗り想いを張り巡らせた。

『今行く・・・志津音・・・そこにいるんだろう?』

そして、妙高高原に龍徳の姿があった。


「こんなんだったか?」

余りにも古い記憶。

あの頃は何を見ても斬新で見るもの全てが輝いて見えたのだが・・・


「ペンション桜・・・そうだよなぁ~ただの民宿だよな・・・」

同じツアーは終了していたので、木村が気を使って最高級のツアーを予約してくれていたが、前回をトレースする為に見に来ていたのだった。


「おぉ~寒ぶ・・・早くあいつ等出てこないかな・・・」

するとペンションの1階が賑やかになり宮田達が出てきた。


「よう!」

「ん?おぉ~!マジで来たのか!?」

「何だよ?来るって言ったじゃんか!」

「誰?」

「おぉ~大塚!」


「何で俺の名前知ってんの?どっかで会ったっけ?」

「ゴメンゴメン!宮田にも言ったけど前に電車で見かけてるんだよ♪ つい知り合いの気がしちゃって。」


「ふぅ~ん・・・それで?何しに来たの?」

「出来れば俺も一緒に混ぜてくんない?」

「それは構わないけど・・・別に良いよね?」


同意を求める大塚に他のメンツも構わないと了承してくれた。

その後、大塚と一緒にスキーを楽しむ事になった。


何で大塚と一緒かと言うと前回の時もそうだったからだ。

今回のスキーで経験者は大塚だけ。


前回は俺を含めて全員がシロートだった。

その為、ボーゲンで練習していたのだが、当時の俺は初心者の滑り方がどうしても恥ずかしくなり無理やり大塚に付いて行ったのだ。


当たり前だが、ドシロートの俺が上級者の大塚の滑りに着いて行くという事は初心者コースではなく中級コース、さらには上級コースで滑った事を意味する。


ハッキリ言ってメチャクチャコケまくった。

100回までは記憶しているが、それ以上は数えていない。


そのお陰でメキメキと実力を上げて初日でパラレル、2日目にウェーデルンが出来る様になった。

初心者だらけでまともに滑れないメンツの中、俺だけが付いていった事で、大塚は相当楽しめたそうだ。

他の奴らは3日間でボーゲンが精一杯だったようだけど。


取り敢えず1回だけ経験があるという事にして出来る限り最初と同じ様に過ごしていく。

記憶では、最初にボーゲン初級コースを滑って次にロープリフトで中級コース。

暫く中級コースで練習してから2時間後に上級コースって感じだったはず。


そこで改めて思った。

「初心者が滑るコースじゃないよな・・・」

傾斜度35度

満遍なく背丈ほどのコブが出来ている。


ところどころアイスバーンになっていて上級者でないと滑れる訳がない。

「大塚め・・・こんなところが普通って・・・」

さすがの龍徳でもスキーを初めて2時間で上級コースを滑れるとは思っていなかった。


だが、大塚は

「全然普通だよ!俺も初日で滑ったし!」

そう言われてやってきたのだが、前回の時は、降りるまでに20分は掛かったと思う。



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