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そこにいる君に逢いたくて。  作者: 神乃手龍
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木村望

前回の高校時代に仲間8人と初めてのスキーツアーに行った事がある。

2泊3日である事は覚えているのだが、ハッキリした日時を思い出す事は難しい。

最低でも3日は休んでいる事を考えれば冬か春休みなのだが・・・


『いや・・・待てよ。写真・・・写真を学校の女共に見せた記憶がある・・・となると・・冬休みの終わり・・・否・・・連休か!』


「木村さんカレンダー持って来て貰えますか!」

そして、カレンダーに目を向けると・・・


『12月は・・・考え難いな・・・となると1月・・・2月、3月は・・・有り得ない・・・となると1月か!15日から17日・・・この3日間だ!』


「どうやら何か思い出したようだね♪」

「うん。教えてくれてありがとうございます。」

「フフ♪お役に立てたようで何よりだよ。」


その後、仕事の打ち合わせを終えて誰もいない自分のマンションへと歩いて行く。

会社からマンションまでは徒歩5分程しか離れていない。

木村が探してきた物件だが、地上25階のタワーマンションは当時としては珍しい高さだ。龍徳の指示で様々な場所の土地を抑えている。

1年後には何もしなくても地価が5倍以上に膨らむ場所ばかりだ。

未だに神木商事の代表である事を父親に伝えていない為、自分名義でマンションを購入できない龍徳の変わりに木村が探したのだが・・・


龍徳の恩返しとばかりに会社の経費で億ションと呼ばれる高額の買い物をしていたのだ。

最上階ではないが、20階に位置する龍徳の部屋からは東京の町が一望できる。


2LDKではあるが、2部屋はそれぞれウォークインクローゼット付きの12畳のフローリングと28畳のリビング。さらに8条のダイニング。

玄関は6畳で、下駄箱だけでも3畳ほどのスペースがあった。


高校受験の前に購入したので、最初は龍徳も部屋に最愛の女性を呼べる日が待ち遠しかったのだが、叶う事はなかった。

傍から見れば羨ましい限りだが、誰もいない大きな家は虚しさを感じてしまう。


帰り道にどうしても志津音の事を考えてしまう。

「やっぱり・・・俺の事を忘れたんだろうか・・・」

覚えていればポケベルが鳴るはずなのだ・・・


住んでいた家が変わってしまったから手紙が届かない事は仕方がない。

いや、正確には引っ越すまでの数ヶ月間であれば手紙が届いていたとしてもおかしなことではないのだが、それさえも引っ越しのせいだと思い込もうとしていただけなのだ。


「他に・・・男が出来たのかな・・・」

そう思うと胸がズキズキと痛んだ。

何とも言えないどす黒い感情が沸き上がってしまう。


「一目で良い・・・」

それでも彼女の事が忘れられない・・・。


「逢いたい・・・」

探しに行っても依然と違う現在では会えない可能性だってあり得る。

それでも、ドキドキした彼女と過ごした時間が忘れられない。



夜11時30分。

マンションの下に辿り着いた時だった。

「お帰りなさい龍徳君。」

「何やってんだよ望。」

入り口の自動ドアの前にいたのは、木村望だ。


「だって龍徳君先に帰っちゃったんですもの・・・」

「それが何でここにいる理由になる?」

「だって会いたかったんですもの・・・」

「何時だと思っているんだ。親御さんが心配しているぞ。」


「一応帰りが遅くなるとは連絡を入れてありますけど・・・」

「お前なぁ~遅くなるにしても限度があるだろうが!」

「そうですね・・・流石に心配しているかも知れませんね。」

「当然だろう?早く家に電話しろよ」


そう言って辺りを見渡すが

『チッ・・・そう言えばこの周辺には公衆電話が無かったんだったな・・・。一番違い場所で・・・150m程か・・・』

「そうですよね。龍徳君の顔も見られたから私、帰りますね♪」

そう言って暗闇の中に姿を消していく


「チッ・・・この時間に女の子が一人でいたら危険だろうが!電話を貸してやるから上がっていけ。迎えに来てくれるまでいさせてやる。」

「まぁ~・・・やっぱり龍徳さんはお優しいですね♪ では、お言葉に甘えさせて頂きますね♪」


「迎えに来るまでだからな!」

「ええ♪分かってますよ~♪」


「何か企んでる気がする・・・」

「そんな事はありませんよ♪」

「お前・・・その喋り方・・・」

「どちらも私のじゃべり方ですから♪」

『う~ぬ・・・この頃、砕けた話し方をしてたくせに・・・』


「それと!今日見た事は忘れろ!絶対に他言するなよ!」

「フフ♪ 2人だけの秘密って事ですね♪」

「変な言い方するんじゃない。」

「は~い♪」



一歩足を踏み入れると

「うわぁ~凄~い♪ 玄関だけでこんなに広いんですか?」

リビングに入れば

「はぁ~景色がキレ~・・・ふぁ~ここに一人暮らしって凄いです・・・」


「あまりウロチョロするな!あっオイ!」

「まぁ~お風呂広いですね~♪」

「ふざけんな!とっとと電話しろ!」

「そうでした♪」


「ったく・・・」

『そう言えば・・・この部屋に人を入れたの初めてだな・・・。

少し位、煩い方がやっぱり落ち着くな・・・。』


本当であれば志津音と一緒に過ごしたかったマンション。

誰一人呼ばないマンションは人の温度を感じない。

龍徳と謂えど、寂しいに決まっている。


「おっ戻って来た・・・どうだった?何時に来てくれるって?」

「それが・・・ごめんなさい・・・私やっぱり一人で帰りますね」

そう言ってカバンを手に取って玄関に向かう。


「ちょっと待て!どう言う事か説明しろ!」

「その・・・今日はお父様が居ませんので、お母様に迎えに来て頂こうと思ったのですが、母は免許を持っていないので、運転手に連絡を取ったのですが、どうやら連絡が取れなかったみたいで・・・」


「で、誰も来ないから帰ると・・・12時だけど電車はあるのか?」

「えっと・・・」

そう言って時刻表を出して眺めていると

「あっ!後5分しかありません。やっぱり私帰りますね!」


「バカか!間に合う訳がないだろうが!ちょっと待っていろ!」

そして、いくつか電話を掛けるが、誰にもつながらない。

「マジか・・・」


「あの~ごめんなさい・・・ブッ・・・痛ぁ~い何するんですか~?」

望のいるリビングに行く前に風呂場からローブを持って入った途端に望に投げ付けた。


「その寝間着に使え!コッチも連絡が取れなかった。」

「え・・・それって・・・泊って行って宜しいんですか?」

「絶対に他言するなよ!隣の客間が開いているからそっちを使え!」


「エヘへ♪ やっぱり優しい♪」

「チッ・・・望・・・確信犯じゃないよな?」

「何の事ですか?」

「いや・・・何でもない」


「先に風呂に入れ。」

「それって・・・私の身体を・・・」

「何の意味もないから! 良いから先に入れよ!」

「そんな図々しい事出来ません。それでも使わせて頂けるなら龍徳さんの後でお願いします。」


「ったく・・・じゃ~悪いが先に使うぞ。」

「は~い♪」


『なんなんだ・・・兎に角サッサと入ってサッサと寝よう・・・』

そして、シャワーを浴びて頭を洗い始めた時だった。


「失礼しますね。」

「なっ!何やってんだ!? お前まさか裸じゃないだろうな!」

「違いますよ~私のせいでご迷惑を掛けたのでせめてお背中だけでも流そうかと思いまして・・」


「よ・余計なお世話だ!兎に角外に出ていろ!」

「は~い♪」

ガチャっと扉が閉まる音が聞こえ慌ててシャワーで髪を流し始める。


「ったく・・・何考えてんだ・・・」

洗い終わって振り向くと

「なっ!」


タオルを身体に巻き付けた望が立っていたのだった。

「お・お前・・・外に出たんじゃ・・・」

「出ていませんよ?」

「それに・・・裸じゃないか!」

「違いますよぉ~タオル巻いているじゃありませんか♪」


「ふざけるな!」

出て行け・・・そう言う前に

「なっ!」


「あぁ~タオル取れちゃいました」

「ちょ・・・見てないから・・・早く拾え・・・」

「は~い♪ でも・・・濡れてしまって・・・」

「良いから早く・・・」


「早くって・・・こうすれば身体が隠せますわ♪」

裸のまま龍徳の身体にふくよかな部分を押し付ける。


「ななななな・・・何やっていやがる!」

「何って恥ずかしいので、身体を隠そうかと・・・」

「お前やっぱり確信犯だな!」

「はて? 何の事です? それより折角だからお背中お流ししますね♪」


「兎に角胸をどけろ!」

「えぇ~そんな事を私にさせるんですか?恥ずかしいですけど・・・分かりました。」

「何言ってんだ?」


石鹸はコレかしら?っと言いながら龍徳の背中と自分の胸の間にボディーソープを流す。

「アン♪・・・これで宜しいですか?」

「ば・バカか!な・や・やめろ!」

「ン♪・・・だって龍徳君が・・・私・・・何か変な気持ちに・・・ン・・・」


「バカ・・・やめろ・・・」

見ない様にしていたのが裏目に出たと思い振り返ると

「アン・・・龍徳君なら・・・良いですよ」


望が身体を押し続けていた為振り向いた瞬間。胸が龍徳の顔に当たってしまう。

「ち・ちが・・・むむぅ・・・」

「ハァン・・・そんな・・・イキナリお口で・・・」

「ち・違う・・・兎に角落ち着け!・・・オイ!押し付けるな!」


倒れそうになるから無意識に手で守ろうとしてしまう。

「アン・・・今度は手で・・・はぁはぁ・・・龍徳君がその気なら・・・」

「なっ!違っ・・・うぉ・・・おま・・・ウッ・・・」


望の腕が龍徳の龍徳を握っている。

「ウフフ・・・凄い・・・」

「な・・・やめ・・・」

「えぇ~こんなになっているのにですか?」


「くっ・・・放せ・・・」

「嫌です♪」

『何なんだコイツ・・・と・兎に角マズい・・・』


「手を放せ・・・擦るんじゃない」

「分かりました・・・では胸を洗いますね。 アン・・・当たってる」

「ば・ばか・・・」


驚いた事に今度は正面を向いたまま座っている龍徳の股間に跨ったのだった。

「ば・・むぅ・・・ヤバい・・・むむぅ・・・」

「そ・そんな・・お口でそんなに刺激されたら・・・ンン・・・」

「や・やめ・・・こ・・・腰を振るな・・・」

「アン・・・当たって・・・ああ・・・入っちゃう・・・」


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