熱が下がっちゃったけど・・・
『おかしい・・・龍徳君が来た時には38.2分あったはずなのに・・・』
そして、正直に龍徳に熱が下がった事を報告したらどうなるのかを脳内で考え始めた。
先ずは、正直に話した場合
「龍徳君が来たら熱が下がったよ♪」
「そっか♪ だったら後は大丈夫そうだね♪ 下手に俺に気を使ってぶり返してもいけないからもう少ししたら帰るな♪」
はい!アウト~! この考えは却下で!
次は、微熱がある場合。
「龍徳君のお陰で熱が下がったけどまだ微熱があるかなぁ~♪」
「そうか♪ そうしたら、夕食を作っておくからゆっくり休むんだぞ?」
「龍徳君はどうするの?」
「俺がいたら気を使っちゃうだろう?だから志津音が寝るまでは一緒にいてあげるから♪」
はい!アウト~! この考えも却下で!
だったら熱が下がっていないパターンなら?
「どうだ熱は少しは下がったか?」
「う~ん・・・まだ下がってなかった~」
「そうか・・・そうしたらお母さんが帰ってくるまでは一緒にいてあげるから♪ 安心して休むんだぞ♪ 何かあれば俺がやってあげるから♪」
「ごめんね龍徳君・・・」
「当然だろう♪ 辛い時は俺を頼れ。」
これだわ!これよ!
脳内会議終了。
そして、龍徳が食器を洗い終わって戻って来た。
「体調はどうだ? 熱はどうだ? 少しは下がったのか?」
「コホコホ・・・まだ下がってなかった・・・」
咳も止まっているのに小芝居を入れる。
「そうか・・・俺が変わって上げられたら良かったんだが・・・お母さんが帰ってくるまで傍にいるから♪ 何かして欲しい事はあるか? 今日くらい俺に甘えろよ・・・」
『はぅ・・・本物はキュンキュンするセリフだ~♪』
「うん・・・龍徳君が傍にいてくれるだけで元気になりそう♪」
『もう既に回復したとは言えません・・・』
「そうか♪ そう言えば汗は流しているのか?」
「ううん。流石に昨日も入れなかったからタオルで拭いて貰ったけど・・・」
「綺麗好きな志津音が・・・それは嫌だろうな・・・よし!今、準備して来てやるから少し待ってろ。」
「準備?」
「ああ♪ 念の為に買っておいてよかったよ♪」
そして、キッチンに戻って清髪の準備を始めて行く。
500mlのペットボトルのキャップにキリで穴と数か所開ける。
薄手のビニールシートを更に準備。
そして、バケツに半分のお湯を入れてからペットボトルにもお湯を入れた。
シャンプーを取ってバスタオルとハンドタオルをいくつか用意すると志津音の部屋に戻って来た。
「お待たせ~♪」
「何その道具?」
「今から志津音の頭を洗ってやるから♪ 準備が終わったらそのまま寝ていて良いぞ♪」
「へっ?」
すると静音の枕の上にビニールシートを広げて水が一方向に溜まる様にセットする。
志津音の首元にバスタオルが来るように蛇腹に畳んでから志津音の髪を上にしてから横たわらせた。
「私はこのままで良いの?」
「ああ♪ 体勢が辛いとかないか?」
「うん・・・大丈夫だけど・・・」
「よし♪じゃ~洗うからね♪」
そう言うとキリで穴を開けたペットボトルを逆さまにして志津音の髪を洗い流しながら掛けていく
『うぅ・・・龍徳君の指が・・・はぅ・・・』
「次はシャンプーするからな♪」
「へっ? シャンプー迄してくれるの?」
「当然だろう? ほら!動くとビショビショになるからジッとしていろ!」
「はい・・・」
『うぅ~ドキドキするよぉ~・・・』
そして、シャンプーを手に取ると泡立ててから志津音の髪を優しく洗い始めた。
『はぁ~気持ち良い・・・』
「強さはどうだ? 痛くないか?」
「うん♪ 凄く気持ちい♪」
「痒いところがあれば言うんだぞ♪」
「うん♪ あぁ~気持ち良い♪ そこ・・・そこ・・・ん~あぁ~幸せ~♪」
『なんかエロく感じるんだが・・・』
「こうか?ここが気持ちいのか?」
「そうそこ・・・あぁ~気持ち良い♪」
『うん♪エロイ♪』
『不思議な感じ・・・龍徳君の指が気持ちい♪ もっと触って欲しいなぁ~♪』
「どうだ? ソロソロ大丈夫そうか?」
「イヤン・・・もっと・・・して・・・」
『ブホッ・・・ワザとやってんのか?』
そして、一通り洗い終わると髪に着いた泡をタオルで拭き取ってからペットボトルでさらに丁寧に流し始めて行く。
「はぁ~幸せ~♪ まさか頭を洗って貰えるとは思わなかったよぉ~♪」
「クスクス♪気に入って貰えたのなら何よりだ♪」
そして、綺麗に流し終えると蛇腹に畳んだバスタオルを広げて志津恵の髪を優しく吹き始めた。
「痛くないか?」
「うん♪」
髪が長くなると下手な洗い方や拭き方をすると痛いのだ。
だからこそ、丁寧に丁寧に声を掛けながら作業を進めて行く。
「あぅ・・・痛っ・・・」
「ゴメン・・・」
「大丈夫・・・でも優しくしてね・・・」
『龍徳君大好き♪ こんなに優しい人いないよ・・・』
「ああ・・・これなら痛くないか?」
「うん・・・それなら痛くない・・・」
「ユックリ動かすからな?」
「うん・・・それ位なら痛くない」
『シャンプーしてるだけなのに可愛いなぁ~♪』
「志津音大好きだよ♪」
「私も大好き♪」
突然今までの会話を二人同時に思い返す。
『『んん?・・・何かこの会話・・・』』
『イカンイカン!さっきから何考えてんだ俺は・・・志津音が苦しんでいるのに・・・』
『ヒャァ~・・・さっきの遣り取りって・・・完全に初夜の会話だよ~・・・ヤバい・・・何か恥ずかしくなってきた・・・』
龍徳が自分を戒めキリっとした顔に戻ったのに対して志津音の顔は羞恥心に彩られていく。
「ゴメンな? なるべく時間は書けないようにしたつもりなんだが・・・」
「だ・大丈夫れす・・・」
「下も回らない程・・・ゴメンなそんなに顔が赤いって事は熱が上がったんだよな?」
「ひゃ~・・・だ・大丈夫!」
『ごめんなさい!ごめんなさい! 違うんです。・・・これは、熱のせいと言えば熱のせいなんだけど・・・風のせいじゃなくって・・・』
「志津音は優しいな♪」
そう言いながらドライヤーで濡れた髪を乾かし始めた。
「今日は、そんな事ないかも・・・アハ、アハ、アハハ・・・」
熱は既に下がり、龍徳に甘えたかった為に嘘をついている上に、結婚初夜などの妄想で火照った顔を見られ心配している龍徳に「志津音は優しいな」と言われたら気まずくて仕方がないのだろう。
「ん?ゴメンなドライヤーの音が煩いから良く聞こえない。後でまた教えてくれるか?」
「はい・・・」
そして、一通り清髪が終わると龍徳が片付けにキッチンに向かって行った。
「はぁ~罪悪感が半端ない・・・変な汗かいちゃったよ・・・」
元から高熱にうなされ汗をかいていた体に変な妄想による汗が加わり不快を感じていると龍徳が身体を拭く準備をして戻って来た。
『身体拭いてって言ったら拭いてくれるのかなぁ・・・キャァ~私の変態~♪ でも・・・熱があったら自分じゃ拭けないよね・・・ど・どうしよう・・・言って見ちゃう? でもはしたいよな~・・・でも・・・こ・こんなチャンスそうそうないし・・・・キャァァァ~どうしよう~♪』
そんな妄想でさらに汗をかいてしまう。
「恥ずかしいだろうけど身体拭いてやるから、それともやっぱりダメか?」
「へっ?」
『はぅ・・・ど・どうしよう・・・いくら何でも・・・それは、やっぱり・・・ダメだよね・・・』
大丈夫だよ恥ずかしいから自分でやるから~っと言うつもりだったのだが実際は・・・
「だ・大丈夫・・・恥ずかしいけどお願いします・・・。」
『ヒャァ~・・・何て自分の欲望に忠実なの私は!!!』
「分かった♪」
そう言ってパニックに目がグルグルしている静音のシャツのボタンを後ろから外し始めて行く
「ニャ~!! な・何をなさっておられるんでしょうか?」
「ブフックッククク・・・本当に飽きない奴♪ 何だよその喋り方♪」
「じ・自分で外せるから!」
『望んでいたけど・・・予想以上だった~・・・うぅ~ドキドキがヤバいよ~』
そして、シャツのボタンを全て外し終えると汗で湿ったシャツが引っ掛かって自分で脱ぐ事が出来ない事に気が付いた。
性格には龍徳に全てを見られても良いなら脱ぐ事も出来るのだが、それは流石に恥ずかしさの限界を超えてしまう。
「一人じゃ脱げないみたいだな・・・ほら♪片手を上げて。」
そう言われて片手で自分の胸を隠しながら片方ずつ服を脱がされた。
『ハワワワワ・・・何で私は服を脱いでるんだっけ・・・最後までしちゃうの? そうか!これから龍徳君に抱かれるんだっけ・・・?』
どうやら脳内メーターが振り切れてしまったようだ。
『う~む・・・脱がせたは良いが・・・メチャクチャ色っぽいな・・・』
相手は中学生の上に病人だ。
素面の状態であれば中学生どころか高校生が裸でいようが全く興味がない男だったのだが、最愛の女性となると勝手が違った。
『あれ?俺ってロリコンだったの!? うそだろ~・・・それだけはないと思ってた~・・・いや~自分で自分に引くわぁ~ヤバくね? 15歳の少女に欲情するとか・・・興奮している時なら兎も角・・・マジかぁ~俺ってロリコンだったのか・・・』
こっちはこっちで新たな気付きによってショックを受けていた。
肉体が若返った事で、性的興奮が起こり易くなっているだけなのだが、頭の中はどうしても前回の記憶を引き継いでしまう。
かと言っても身体を拭いてやると言った手前引くに引けず理性を保ちながらも志津音の身体を拭き始めた。
「痛かったら言うんだぞ?」
「ひゃい・・・」
『龍徳君の手・手が私の肩に・・・くぅ~全神経が集中しちゃうよ~・・・』
身体が動かない様に左手で肩を掴まれ右手のタオルで身体を擦られる。
首から始まり背中を拭くともう一枚のタオルで腕を拭き始めた。
そこから脇を拭いて2つのタオルを綺麗に洗い直す。
志津音も志津音でパニックになり過ぎて俎板の鯉になっている。
胸を隠すもギリギリまで龍徳が吹いているのに自分で拭こうとしない。
『えっと・・・何をすれば・・・ひぃ~ま・前も拭くのですね! 畏まりました~・・・』
「流石に胸は自分で拭いてくれ♪ そこまでやったら俺も我慢できないから♪」
「う・うん・そ・そうだよね・・・」
龍徳から綺麗なタオルを受け取って背中を向けると自分で拭き出した。




