志津音の友達
「ハワワワワ・・・し・志津音の胸が・・・」
「いつもしてるじゃない♪」
「何か今日は意識し過ぎてダメだ・・・俺が恥ずかしい・・・」
「龍徳君が・・・」
『恥ずかしがってる・・・あ~んキュンキュンする~♪ このギャップは反則だよ~♪ いつもカッコいいのに・・・ズルいよ~ 私も意識しちゃうよ・・・』
「あ~その~なんだ・・・そ・そうだ!友達!!志津音の友達はどこにいるんだ?」
「あれ~まだ恥ずかしいの~♪」
「クッ・・・コホン・・・スゥーハァー・・・で?友達は?」
「プッ♪ 今日の龍徳く可愛い♪ あぁ~今日も私が惚れ直しちゃうのか~ でも♪ 嬉しいから良いや♪」
「駅に着いてから・・・・・・・してるよ・・・」
「ん?何て言ったの?」
「俺だって駅に着いてから・・・4回は惚れ直してるよ!」
「・・・・・」
『そんな顔で言われたら・・・もぅ~カッコ良すぎるよぉ~・・・何で龍徳君の言葉ってこんなにドキドキするんだろう・・・もぅ~・・・胸が痛いよ・・・』
「えっと・・・と・友達とはお昼に待ち合わせしてるから・・・」
「そうか♪ それまでには照れない様にするから・・・」
『もぅ・・・好き過ぎてダメだ・・・早く大人になりたい・・・恥ずかしけど・・・女になっていく今の自分が凄く幸せ・・・龍徳君と離れたくないなぁ~・・・』
そして、志津音の友達達と待ち合わせしている時間になった。
「初めまして♪ 神山龍徳と申します。 今日は宜しくね♪」
そう言って志津音の友達に笑顔を向ける。
「「ハヒ・・・」」
「遠藤美紀です。」
「長瀬浩美です。」
「美紀ちゃんに浩美ちゃんだね♪」
「ちょ・ちょっと志津音!」
「な・なによ?」
強引に志津音の腕を引いて龍徳から距離を取る。
「何なのあの人!?」
「だから私の大好きな人だってば♪」
「高校生よね?」
「クス♪ だから同い年だってばぁ~♪」
「凄いイケメンじゃない! ヤバいよ!」
「だからカッコいいって言ったでしょう?」
「あれと比べたらウチの男子が可哀そうだわ・・・」
「志津音ちゃんが微動だにしないの分かるわ~」
「志津音が学校とは別人だもんね・・・」
「だって・・・龍徳君の前では一番でいたいんだもん・・・」
「クッ・・・可愛い・・・」
「志津音ちゃんも大人っぽいけど・・・」
「うん!アレは別格だわ・・・」
「アレって言うな! 龍徳君だもん」
「女がおる・・・スッカリ骨抜きになっとる・・・」
「エヘヘ♪ だって何やらせてもカッコ良いんだもん♪」
「えっと・・・そろそろ昼食にいかないか?」
女同士のひそひそ話が終わりそうになかったので、龍徳が声を掛けて来た。
「「はい!」」
「もぅ~何であんた達が返事するのよ・・・」
「クスクス♪仲が良いんだな♪」
『『ヤバッ・・・ヤバいよあの笑顔・・・』』
龍徳の笑顔に固まってしまう。
「志津音は何食べたい?」
「友達もそんなにお金持ってないだろうからデパートのフードコーナーかなぁ~?」
すると志津音の口に人差し指を当てた。
「今日は俺が奢る約束だよ♪ 友達の分も気にするな♪」
「うん♪ ありがとう♪ 友達にも話してくるね♪」
そして、未だ固まっている2人に話に向かった。
「こんな会話でさえも惚れ直しちゃうよ・・・」
普通の女性なら
「ダメだよぉ~そんなの悪いよぉ~」
などと言われて時間だけが無駄に過ぎていく。
そう言う事で、相手に気を使っているというアピールなのは分かるが、男がお金を出すと言ったのなら男を立たせる様にした方が良いのだ。
ところが、志津音の場合
友達の事を考えての意見を述べ、龍徳の言葉を聞いてすぐさま感謝を述べ龍徳の意を汲んだのだ。
簡単にお金を出して貰えると思っている女生徒も違うし、必要以上に気を使う女性とも違う。敢えて言うのであれば、ピンポイントで龍徳の好きなバランスで会話が成立しているのだ。だからこそ、たったあれだけの遣り取りでさえ龍徳は惚れ直してしまう。
話し合いの結果、女性陣では話がまとまらなかったようで、龍徳が決める事になった。
「だったらホテルのヴァイキングで良いな♪」
「うん♪ あそこ美味しいよね~♪」
当然、龍徳と志津音は何度か行った場所。
今でこそ、志津音も気にしなくなったが、最初は緊張したのだ。
当然友達は・・・
「こ・こんなところで大丈夫なんですか?」
「入り口に一人5500円って書いてあったよ・・・」
っと緊張を隠せない。
「クスクス♪ 志津音の友達、面白いな♪」
「あぁ~気持ちは分かるかも・・・さっきも話したけど大丈夫だから~♪」
「う・うん・・・」
「わ・わかったよ・・・」
「「・・・・・・・」」
「アハハハハ・・・」
「ん? どうしたんだ友達?」
ぽか~んっと口追開けて硬直している志津音の友代
「えぇ~多分・・・龍徳君の食欲に驚いてるのかも・・・」
「ふ~ん・・・これ位普通だよな?」
「えへへ・・・普通ってその人に寄るからねぇ~」
『8人前は食べてるな・・・うん♪ 普通♪ 普通♪』
「志津音の学校にだってこれ位食う奴がいるだろう?」
「え~っと・・・いるのかなぁ~アハハハ。」
「・・・食べ過ぎかな?」
「ううん♪ 私は見ていて気持ちが良いもん♪ それにしても・・・本当に美味しそうに食べるよねぇ~♪ ウフ♪」
「出来れば志津音の手料理が良いんだけどなぁ~」
「だったら明日来るなら作ってあげるよ♪」
「くぅ~明日は大事な会議があるんだよ・・・」
「えぇ~そうなんだ・・・ちぇ・・・」
唇を尖らせて少し拗ねる。
「はぅ・・・その顔も可愛いなぁ~♪ よし♪明日の会議は注視にしよう♪」
「ダメだよぉ~私我慢する・・・龍徳君に迷惑かけたくない。」
「クッ・・・早く俺がいなくても回るようにしないと・・・」
「だったら明後日は来てくれる?」
「来る!絶対来る!」
「じゃ~今日は一杯甘えさせてね♪」
何とも言えない眩しい笑顔に目を奪われた。
「はぅ・・・その笑顔・・・たまんないな・・・」
「フフ♪ ありがとう」
『これは・・・もしかしなくとも・・・』
『私達って・・・邪魔だよね・・・』
そして、食事を終えショッピングに向かう。
志津音の友達は2人の後を付いていく。
「さっきの見た?」
「見た見た・・・ブラックカードってやつだよ・・・」
「だよね・・・会社を経営してるって言ってたけど・・・」
「相当儲かってるって事だよね・・・」
「志津音の話・・・大袈裟かと思ったけど・・・」
「うん・・・実物の方がヤバいよ・・・」
「志津音・・・遊ばれてるんじゃないの?」
「アレは女が放っておくはずないよ」
ヒソヒソと話をしているが志津音の耳には届いてしまう。
『うん・・・聞こえてるから♪ 今度説教ね♪』
志津音の歩調に合わせて歩く龍徳の腕を掴み歩いていると
「キャッ」
「止めて下さい!」
その声に振り返る。
「美紀!浩美!」
どうやら男2人にナンパされているようだ。
「いいじゃんよぉ~」
「そうそう♪ 俺達も2人だからちょうど良いじゃん♪」
「「離して下さい!」」
「誰?知り合い?」
「ううん!」
「助けた方が良いか?」
「私が行く!」
そう言って2人に向かって歩きだす。
「ったく・・・」
そう言って被っていた帽子を志津音の頭に乗せて目深かに被せた。
「わっ・・・た・龍徳君・・・」
「ちょっと待ってろ・・・」
「は・はい・・・」
「お兄さん達♪ 悪いけどその2人は俺の連れなんだ♪ さっ行こう♪」
そう言って美紀と浩美の腕を取る。
「オイオイ! なんだよお前。」
「だから言っただろう? この二人の知り合いだって♪」
「チッ・・・連れがいたのかよ。」
「悪いが他を当たってくれ♪」
そこで諦めるかと思ったら
「おいおい! そこに超上玉がいんじゃねえかよ!」
「うぉ!マジか! ねえねえ君!俺達と・・・ガハッ・・・」
「おい・・・誰に声かけてんだよ・・・殺すぞ。」
龍徳が見ている目の前で志津音に声を掛けた事で龍徳が切れた。
「テメー・・・ウッ・・・」
「俺の宝物に手を出すって事がどう言う事か教えてやるよ」
そう言って相手の胸倉を右手で掴むとそのまま持ち上げた。
「く・苦しい・・・」
どう見ても60㎏以上ある男性を片手だけで持ち上げる膂力。
足をバタバタさせるが龍徳は微動だにしない。
「龍徳君!私は大丈夫だから!」
志津音の声が聞こえると共に男の手を放す。
「グエ・・・」
「ゴメンな~怖い思いさせたな」
「ううん♪ 友達も助けてくれてありがとう♪」
怒りの表情が一瞬で優しくなる。
「志津音~怖かったよ~」
「有難うございました。」
「うん♪ 気が付くのが遅くなってごめんね♪」
「いてててて・・・」
っと倒れていた男達が起き上がると
「次・・・俺の視界に入ったら潰すぞ・・・」
志津音達に背中を向ける龍徳の表情は冷酷であった。
「は・はい!」
「も・申し訳ありませんでした~」
っと言いながら逃げて行く。
「志津音ちゃんの彼氏・・・今、片手で持ち上げてたよ?」
「それって凄くない? ってかそんな事出来んの?」
っとヒソヒソ話している。
『だから聞こえてるっての・・・まぁ・・・普通は信じられないよね♪ 何もかもが規格外だもん♪』
「龍徳君♪」
そう言って志津音が龍徳にしがみ付く。
「おっと・・・どうした?」
「フフ♪ カッコ良かったよ♪」
「惚れ直した?」
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