女性は凄いや
毎週水曜日と土曜日にアップします。
作者的には自分で書いていて泣いてしまうような物語だと思っています。
文字総数334000文字で完結迄書き終わっているので、良ければご一読ください。
そして、翌日の朝。
学校に行き下駄箱を開ける8通のラブレターが入っていた。
それぞれ1年生と2年生からも3通ずつ、そして、3年生から2通
『朝から這ってたらやっぱりライバルが多いや・・・』
龍徳が来たら告白しようと朝早くから龍徳の下駄箱が見える場所に森田久美が待っていると次から次へと女生徒がやって来てラブレターを入れて行った。
「このタイミングじゃ効果が薄そうだわ・・・昼の休憩時間が良いかも♪」
そして、昼の休憩時間に
「神山~!2年の女子が呼んでるぞ!」
「ん?ああ・・・」
そう言って扉を出ると2人組の女の子が立っていた。
『くぅ~私より先に走って行くのが見えたからもしかしてって思ったら・・・あの子、2-6の加藤美穂じゃない・・・あの身体はヤバいよ・・・』
「えっと・・・ここだと話しづらいかな? 上に行こうか♪」
するとパァ~っと顔を明るくした。
「はい♪」
『あ~ん・・・これだけでも分かるよぉ~凄く優しい♪』
「ここなら良いかな?」
「有難うございます。私、2年6組の加藤美穂って言います。龍徳先輩の事は体躯際の頃から良いなぁ~って思って見ていました! でも私なんかじゃ釣り合わないって思っていたんですけど・・・昨日の龍徳先輩を見て、気持ちが抑えられなくなりました・・・好きです!私とお付き合いしては貰えませんか?」
言い終わると友達の肩に赤く染まった顔を埋めた。
中学2年生とは思えない程、発育が良い体。
顔も可愛いから普通の男なら断る事はないだろう。
「君は凄く勇気がある人なんだね♪ とってもチャーミングだし・・・身体も俺好みだけど・・・でもゴメンね♪」
「わ・私じゃダメですか?」
それを否定する。
「ううん・・・そうじゃないんだよ♪・・・昨日も勇気を出して告白してくれた子がいたんだけど、君にも同じ言葉を言うね♪」
「はい・・・」
そう言って話を伝えると
「分かりました!一晩考えます!」
「ありがとう♪」
そして、学校が終わって屋上に行くと昨日告白された中川翔子がいた。
「どうだい♪ 俺が言いたい事が分かったんじゃないかな♪」
「はい・・・今の私では龍徳先輩のハートは射止められないって分かりました・・・でも!龍徳先輩が好きなのはうそじゃありません!!」
「有難う♪ 君の初恋に慣れた事を誇りに思うよ♪」
「ヒック・・・ウェ~ン龍徳先輩~大好きです~♪」
「うん♪ もっと綺麗になって俺に後悔させるような女性になってね♪」
「ウェ~ン・・・」
優しく頭を、撫で涙をハンカチで拭いてあげる。
「ほら♪ 折角の可愛い顔が台無しだよ♪ 泣き止んだら前を向いてくれるかい?」
「ウェ~ン本当に本当に大好きでした~エ~ン」
そして優しく抱きしめて
「ありがとう♪・・・」
そして、泣き止むまで付き合って
「龍徳先輩♪ 大好き♪ 私もっともっと色々な事に挑戦します♪ そして、いつかきっと・・・その時は私が龍徳先輩を振るんだから♪」
「クスクス♪ ああ♪ 楽しみにしてるよ♪」
「はい♪」
そこには満面の笑みがあった。
その後も告白とラブレターが続き全てを同じ様に断ると最後に必ず笑顔で別れたのだった。
「ふぅ~・・・やっと終わったかな・・・」
流石に20人を超える女性の相手に疲れ果てていた次の日の日曜日の事。
ピ~ポ~ン♪
「ちょっとお待ちください!今出ます。」
そして、扉をガチャっと開くと一人の少女が可愛らしい服装で立っていた。
「えっと・・・どちら様?」
「いきなり押しかけてしまってごめんなさい・・・」
「俺に用事かな?」
「はい♪ でも・・・ここだと龍徳先輩にご迷惑がかかるかも知れないので・・・」
「そうしたら公園で話そうか♪」
「いえ!そんなにお手間取らせませんので、裏の道路で構いません。」
「良いのかい?」
「はい♪ お話しできただけでも幸せなので♪」
「君が良いならそれで構わないけど・・・じゃ~行こうか♪」
本当ならこの頃の告白イベントで時間を取られ満足なロードワークが出来ていなかったので、ウィンドブレーカーに着替えてロードワークに行こうとしていたのだが、仕方がないと団地の裏側の道路へと足を運んだ。
「ご迷惑をかけたくありませんので、ここで大丈夫です。」
道路を挟んだ反対側に細長く植樹された場所がある。
そこのコンクリートで出来た椅子で話す事となった。
「改めまして!私は-2年3組の森田久美って言います♪ 龍徳先輩の事は先輩がバスケ部にいた時から見てました♪」
「へぇ~・・・」
『クフフ・・・良い感じ♪』
「最初は直向きに努力する先輩に惹かれました。」
「ほうほう・・・」
「ビックリするくらい成長が早くって・・・気が付いたら私先輩の事ずっと目で追っていたのに気が付いたんです・・・。」
「そうだったんだ・・・」
「はい・・・だから勇気を出して告白しようと思ったら部活を辞められてしまったので・・・」
「なんか・・・ごめんな?」
「大丈夫です♪ そうしたら体育祭で先輩の活躍を見て・・・そこからは毎日先輩ばかり見ていました・・・でも私・・・勇気がなかったから・・・・」
「そっか♪ありがとうな♪」
「でも・・・この前、先輩が活躍する姿を見て・・・でも勇気がなくって・・・そうしたら周りの子達が先輩に告白するから・・・先輩を取られたくないって・・・だから今日! 勇気を出します!聞いて貰えますか?」
「ああ♪ もちろん♪」
「有難うございます・・・私は神山先輩をずっと見て来て先輩の弛まぬ努力と優しさ。それがあるからこその厳しさに惹かれました・・・。月が過ぎる度に男らしくなっていく先輩を見ていると胸が苦しくなる程、好きになっていきました。」
「ありがとうな・・・でも・・・」
「まだです!私の想いはこんなものじゃありません・・・」
「ごめん・・・最後まで聞くよ♪」
「有難うございます♪ 今では毎日先輩が夢に現れて凄く幸せな夢をみます・・・でも目が覚めると先輩はいません・・・私はモデルをやっているので、今までに何人かの男性とお付き合いした事もあります。」
「へぇ~そうなんだ♪」
「先輩に隠し事をしたくないので、素直に言っちゃいました・・・でも!今までお付き合いした人達と先輩に感じた気持ちが違う事に気が付いたんです! 胸が苦しくて・・・切なくて・・・気が付けば先輩の事ばかり考えてます・・・。」
「そっか・・・」
「だから勇気を出して言います! 神山龍徳さん・・・私を貴方の彼女の一人にしていただけませんか? 私じゃ龍徳さんに相応しくないと思います・・・でも!諦められないんです!お願い・・・断らないで・・・」
「クスクス♪ そこまで本気で思ってくれるなら一つテストをしようか♪」
「て・テスト?ですか?」
『クッ・・・予想外の展開・・・でも!今までの子達にはなかったんだから良い事よね♪』
「ああ♪ 君の想いが本物なら今から俺がやる事を目を開けて見続けて欲しい・・・だけど・・・もし、目を閉じたら諦めて貰えるかな?」
「それってどう言う・・・」
「なに♪簡単な事だよ♪」
そう言って久美を自分の膝に乗せて顔を自分の方へと向けさせる。
『ヒャ~ なななな・何をされるの・・・』
「もし俺と付き合う事があれば、いつでも俺の事を見ていて欲しい・・・」
そう言って徐々に顔を近づける。
「こ・心の準備が・・・ヒャ~・・・」
「クス♪ ゴメンね♪」
そう言って久美を横に降ろす。
「恥ずかしかったよね・・・でも・・・今の事をしても俺はトキめかなかった・・・」
「それって・・・私に魅力がないって事ですか?」
「クス♪ 久美ちゃんは鏡見ないの? 君ほど魅力的な女性はそうそういないよ♪」
「だったら・・・」
「それでも君にトキめかなかった・・・今日までに22人の女の子の告白を断ったんだけど・・・本当なら皆には俺の良いところを20個無くしても好きかどうかを聞いていたんだけどね♪」
「そ・それなら私だって30個は上げられます!」
「クスクス♪ 例えば?」
そう言ってツラツラと練習した言葉を並べて行く。
「運動神経が良いところやカッコいいところ、お洒落なところや、声もカッコいいです♪」
「そっか♪ そこまで言われたのは君で2人目だね♪」
「他にもいたんですか?」
「ああ♪ 俺が心から惚れている人だよ♪」
「その人は龍徳さんの良いところをいくつ言えるんですか?」
「俺が泣くほどだよ・・・その人は50個過ぎても決して俺の顔や運動神経を褒めないんだよ♪少しは褒めろっつうの!・・・フフ♪・・・本当に参ったよ♪」
志津音の事を思い出して誰にも見せない微笑みを浮かべてしまう。
「あ・・・『ダメだ・・・その女性に勝てない・・・』」
「ど・どうした?」
「何がですか・・・グス・・・」
涙が溢れ止める事が出来ない。
『先輩のあの目・・・あんな優しい目にさせる人がいるんだ・・・2番目の席さえもないんだ・・・悔しい・・・私だってあんな顔向けて欲しいのに・・・』
「君の俺に対しての想いが本物だって分かるよ・・・俺に惚れた人がいなかったら間違いなく君を選んだ・・・」
「ヒグッ・・・ウェ~ン・・・龍徳ぜんば~い・・・大好きだったのにぃ~嫌だ~ウェ~ン・・・」
「今回は俺が悪かったかな・・・ゴメンな・・・泣かせるつもりはなかったんだ・・・」
「ビエェ~ン・・・泣いてないも~んウェ~ン」
「よしよし♪ 俺は酷い男だね・・・君の勇気を叶えて上げたいけど・・・自分の心に嘘は付けないから・・・ゴメンな・・・」
「ヒック・・・ヒック・・・うぅ~諦めないもん・・・ヒック・・・ぜったい・・・いつか先輩を振り向かせる女になるもん・・・ヒック・・・」
「クス♪ その頃には周りが君を放っておかないよ♪」
「ヒックやだ~先輩が良いよぉ~・・・」
「フフ♪」
『うそ・・・龍徳先輩の優しい微笑み・・・私に向けてくれているんですか?・・・』
「ここまで純粋で一途な思いをぶつけられると嬉しいものだな・・・良い女になって見ろ♪ だが、俺が振り向く女となると相当な努力をしないと無理だけどね♪」
「ヒック・・・なるもん・・・何年かかっても絶対に良い女になって先輩を奪うんだから~!! 私は諦めが悪いんだからぁ~!!ウェ~ン先輩~大好き~・・・」
「ありがとう♪」
そして、そっと抱きしめた。
「はぅ・・・」
「でも、俺は今以上に凄い男になるから中途半端なら置いて行くぞ♪」
「やるもん! それで先輩から好きだって言わせるんだから!」
「クス♪ ああ♪期待してる♪」
「はぁ~・・・フフ♪」
「どうした?」
「いえ♪ 今まで初恋だと思っていた人が違ったって分かったんです♪ 本気で人を好きになるって泣きたくなる程、好きになるって分かったから♪」
「クス♪ そっか♪ じゃ~美穂ちゃんの初恋が美化されてない男になってないとな♪」
「そうですよ! 私の事を振ったんだから! 5年後10年後に拍子抜けにならない様に頑張ってくれないと!」
「ああ♪ そうだな♪」
「先輩♪ 大好きです♪ 私の初恋だって分からせてくれて嬉しかったよ♪」
そう言って龍徳にキスした。
「なっ!女の子が簡単にキスしちゃいけません!」
「簡単じゃないも~ん♪ 私のファーストキスだもん♪」
「だったらもっと大切にしないと・・・」
「フフ♪ だから先輩に上げました♪」
「ハッ・・・やるじゃないか・・・じゃ~お礼を言わないとな♪ 将来の大女優のファーストキスを頂き光栄です♪」
「フフ♪ どういたしまして♪ 先輩・・・私今日から良い女になる為に頑張るから♪」
「ああ・・・」
『その兆候がもう出ているけどね♪ 本当に女性は凄いな・・・』
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