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そこにいる君に逢いたくて。  作者: 神乃手龍
37/85

理性の限界

毎週水曜日と土曜日にアップします。

作者的には自分で書いていて泣いてしまうような物語だと思っています。

文字総数334000文字で完結迄書き終わっているので、良ければご一読ください。


「「ヒィ・・・」」

「へぇ~少しは考える脳みそがあるんだ♪ か弱い女の子に伸されたそいつを連れて尻尾を巻いて帰るなら何もしないから♪」


さらに冷たい目を2人の男に向ける。

「「ヒィ!」」

余りの恐怖に足がすくんだのか動こうとしない事にイラ立ってしまう。


「・・・いい加減・・・目障りだ」

ドスの聞いた声でそう呟いた。


「はっ・はい!今すぐ!!」

「し・失礼しました!」

そう言って慌てて逃げて行った。


そのやり取りを志津音がポォ~っとした表情を浮かべ龍徳に見入っていた。

『ハワワワワ・・・龍徳君のスーツ姿・・・初めて見た・・・キャァ~♪ カッコいい~♪ あの姿であのセリフ・・・ニャ~・・・ヤバい・・・カッコ良すぎて・・・エヘヘヘヘ♪』


「大丈夫か志津音?」

その声に我に返った。

「はっ!・・・」

『恥ずかしい~・・・魅入っちゃった・・・』


「どうした?ポォ~っとして? 」

「だ・大丈夫! 全然大丈夫! ポォ~っとしてませんし!」


「ブハッ♪ ククク♪ 何で敬語? 本当に志津音といると楽しいや♪」

爽やかな笑みで志津音を見つめる。

「はぅ・・・ちょっと今日は・・・その顔されると・・・」


「ん? 俺の顔がどうした?」

ヌゥ~っと志津音の顔に近づくと

「・・・・・」

『ダメだぁ~顔が見れない・・・』


「顔が赤いな? それよりも手を見せて見ろ。」

『ま・まさか・・・しょ・殺菌かな・・・今日はダメだよ・・・そんな事されたら・・・』

恥ずかしながらも龍徳に摑まれた左を見せる。


「やっぱり殺しておくべきだったな・・・俺の志津音に・・・可哀そうに・・・」

『ズルいよ・・・その格好で・・・そのセリフ・・・ああ・・・』

そして、志津音の手に自分の口を近づけて


「殺菌だな・・・」

っと手首に口付けをした。

「はぅ・・・」

分かってはいるが、余りの興奮に頭から湯気を出す。


その後ろで、志津音の友達が2人の遣り取りに魅入っていた。

「ちょっと・・・あの人が志津音ちゃんの彼氏?」

「多分・・・メチャクチャ、カッコいい~・・・」


「何あの人・・・モデル? 同級生じゃないじゃん・・・良いなぁ~大人の男性・・・はぁ~♪ ステキ~♪」

「キャァ~♪ 口付け・・・今の見た!今の! あ~ん♪私もあんな事された~い♪」

「見た!ハァ~ン♪素敵~♪」



「どうした?志津音?」

「バカ・・・」

「クスクス♪ 照れてる志津音も本当に可愛いなぁ~♪」


「だった・・・今日の龍徳君・・・カッコ良すぎるんだもん・・・」

「クスクス♪ ありがとう♪ どうだ? 惚れ直したか?」

「もぅ~! そんな恰好ズルいよ・・・」


『どう見ても大人の男性じゃん・・・そんなの意識しちゃうよ・・・』

「じゃ~この後は、この姿のままデートで良さそうだな♪」

「えっと・・・無理!」


「何で?」

「だって・・・私がお子ちゃまにしか見えないし・・・釣り合いが取れないんだもん・・・」

「クスクス♪ よし♪ だったら志津音も大人っぽい格好でデートしようぜ♪」


「私が?」

「そう♪ じゃ~行くぞ♪」

「えっ・・・ちょ・ちょっと~」

そう言って強引に腕を組んで攫って行ってしまった。


「尚子と瑠璃ゴメン~!」

「「えっと・・・はい・・・」」


「どこ行くの~?」

「良いところ♪」

「もぅ~強引なんだからぁ~」


「クス♪ そう言うの好きだろう?」

「うぅ~・・・嫌じゃないけど・・・寧ろ良いって言うか・・・」

「クスクス♪ 素直で大変宜しい♪」


そして、連れて来ていた相川紀子に連絡を入れ志津音の大人コーデを準備させ、着替え終わると美容室で髪形もセットし化粧を終えた。


「これ・・・私?」

「ヤバい・・・色香が凄いな・・・」

元から大人びている静音がさらに3歳以上大人の女性にしか見えない。


清楚な大人のカジュアルと言ったイメージ。

肩が見えている事で色気が半端じゃない。

ここ最近、胸が大きくなってきた事で、胸元が強調され龍徳の目が釘付けになってしまう。


「ど・どうかな~?」

「ヤバい・・・ドキドキしてきた・・・」

「似合ってる?」


「ああ・・・凄く綺麗だ・・・」

いくらドキドキしていようが元は百戦錬磨の大人。

褒めセリフがスラスラと出てしまう。


お会計を済ませ街に出ると周囲の注目を浴びた。

「うぅ~やっぱり似合わないのかなぁ~・・・」

「何でそう思ったんだ?」

「だって・・・周りの人達がチラチラ見るから・・・」


「プッ・・・」

「何で笑うのよぉ~」

「だって・・・それは、志津音が綺麗だからに決まってるじゃん♪」


その言葉に顔を染めてしまう。

「本当に? 龍徳君は優しいから・・・」

立ち止まると龍徳を見つめ


「ちゃんと見て? 本当に似合ってる?」

小首を傾けしおらしい態度でそう言った。


「に・似合い過ぎてる・・・」

『何この綺麗な女・・・本当に15歳か? これならもう我慢しなくっても良いんじゃね? って言うか・・・我慢出来ないんだけど・・・ヤベッ・・・顔が・・・』


「本当に? だったら嬉しいなぁ~♪」

満面の笑顔を龍徳に向ける。

「・・・・・」

その笑顔に魅入ってしまい慌てて顔を背けてしまった。


『えっ・・・た・龍徳君が照れてる・・・うそ・・・私を見て照れてるの・・・耳まで真っ赤だ~♪ そっか・・・そっか~♪ フフ♪』

「ど~お? 可愛い?」

「おぅ・・・メチャクチャ可愛い・・・」


『キャァ~♪ 龍徳君が可愛い~♪』

「もっとちゃんと見て!」

そう言って龍徳の顔を両手で鋏んで自分に向けた。


「クッ・・・ダメだ・・・まともに顔が見れない・・・綺麗になり過ぎなんだよ・・・」

っとボソッと声を漏らす。

「ありがとう♪ でも!私だってさっきは同じだったんだからね! 少しは惚れ直してくれた?」


「・・・・・」

ボソボソって呟くが聞こえない。

「聞こえないよ~!」


するとクワッと龍徳が目を開き志津音の両肩を掴む。

「惚れ直したに決まってるだろう・・・何度も言わせるなよ・・・」

「だって・・・龍徳君にドキドキして貰えたのかと思って嬉しかったんだもん・・・」


『そんな顔で言われたら・・・ドキドキしちゃうよ・・・ズルいよ・・・偶には龍徳君にドキドキして欲しいのに・・・』


「ったく・・・少しは俺の心臓を労われよ・・・」

そう言って志津音を抱きしめた。

「聞こえるだろう・・・」


「う・うん・・・」

『龍徳君の心臓の鼓動・・・凄い・・・』

「本当に綺麗すぎて理性が飛びそうなんだよ・・・」


「うん・・・」

「これ以上、刺激されると志津音を押し倒しちまいそうだ・・・。」

「押し倒すって・・・はぅ・・・」


『ヒィ~・・・そ・それって・・・キス以上って事だよね? ど・どうしよう・・・た・龍徳君なら・・・キャァ~私ったら・・・でも・・・ヤバい・・・恥ずかしくなってきた・・・』


「た・龍徳君なら・・・良いよ・・・」

この言葉に龍徳のリミットゲージが一瞬で振り切れた。

志津音を抱きしめる手に力が入った時だった。


「キャァァァ~!! 龍徳君!!」

「グッ・・・てぇな~!!」

背後から鉄パイプを持った男に殴り倒された。


「さっきは良くもやってくれたじゃねえかよ!」

「それ・・・さっきの女の子か? 別人じゃねえか・・・」

「良いじゃん良いじゃん! 後は俺達に任せろや!」


そして、倒れている龍徳にもう一度鉄パイプを掲げた。

「止めて!!」

両手を広げて志津音が龍徳を庇う。

「どけ・・・何やってる・・・」


「だって・・・龍徳君頭から血が出てる・・・」

「カァ~カッカッカッカ♪ 女に守られる気分はどうよ!」

「人の目があるからサッサと女を攫っちまうぞ!」


この言葉に龍徳が切れた。

「どけ志津音・・・」

立ち上がって志津音の方を掴んで自分の後ろに回す。


「ダメ!!」

「俺が信用できないのか?」

「・・・信じてるけど・・・」


「カァ~カッカッカッカ♪ そんなふら付いたテメーに何が出来るんだよ!」

そう言って鉄パイプを打ち下ろす。


「こ・こいつ!」

その鉄パイプを右手で受け止めた。


「俺が守るって約束だろう? 良い子でここにいろ!」

「う・うん・・・」

そして、鉄パイプを握る手に力が入る。


「志津音・・・10秒だけ目を閉じてろ・・・」

「はい・・・」


「はぁ~何言って・・・ゲボッ・・・」

鉄パイプを強引に引き寄せると同時に左拳をバランスを崩した男のボディーに深々と突き刺すと70㎏はあろうかと言う体重が一瞬持ち上がる。

ボキッ、メキッ・・・ゴギャッっと骨が砕かれる音が聞こえた。


「テメッ!・・・グハッ・・・オエッ・・・」

そのまま回転して隣の男の顔に右の裏拳を叩き込み続けて左ボディーを叩き込む。

ゴギンっと裏拳がヒットした顎が外れた後にゴキンっと骨が折れる音。


「調子に・・・ギャァ~!・・・カハッ・・・」

一番後ろにいた男が鉄パイプを振り下ろすが、その手頸を鷲掴みにすると一気に握力を開放して相手の手首が砕ける音が聞こえた。

相手の手首を握りながら左に引っ張りながら右フックを叩き込む。



ほんの数秒の出来事。

「行くぞ!」

「えっ・・・」

目を閉じていて状況判断のつかない志津音の方を抱きしめるとビルの合間へと消えていった。


『正直助かった・・・』

自分で決めたルールは絶対に破らない事が信条なのに危うく志津音に襲い掛かる所を鉄パイプで強打され血を流した事で、冷静になれた。


「大丈夫なの龍徳君?」

「ああ♪ 頭は肉が少ないから直ぐに血が出るんだよ♪ もう止まってるから大丈夫だ♪」

「本当に?」


「本当に♪ ゴメンな・・・心配させたな。」

「ううん・・・そんな事・・・そんな事・・・ふえ~ん・・・龍徳君が死んじゃうかとおもった・・・ウエ~ン・・・良かった・・・グス・・・良かったよぉ~・・・」


普通の女性であれば当たり前だろう。

大好きな男が目の前で殴られ頭から出血している姿を見たのだ。

いかな志津音と謂えど不安だったのだ。


「ごめん・・・泣かないで?」

「無理~ぃ~本当によがっだ~ウエ~ン・・・」

「ごめん・・・」


泣きじゃくる志津音が愛おし過ぎて抱きしめてしまう。

龍徳の胸の中で肩を震わせながら声を殺して泣き続ける志津音を抱きしめる手に力が入る。


「俺の心臓の音が聞こえるだろう?」

「ヒック・・・グス・・・うん・・・ヒック・・・聞こえる・・・」

「俺は死なないよ・・・まだ、告白もしてないのに♪」


「うん・・・」

「クス♪・・・志津音と最後までしないと死んでも死ねきれないしね♪」

「うぅ~・・・バカ・・・」


「クスクス♪ 折角の綺麗な顔が台無しだ♪」

「そんなの良いもん・・・」


「じゃ~約束だから志津音の涙は俺のものだ・・・」

「えっ・・・」

抱きしめる手を放して志津音の頭を手で包むと涙の後にキスをする。


「やっ・・・やん・・・恥ずかしいよ・・・」

「ダ~メ♪」

『龍徳君の唇が・・・気持ちいい・・・』


「ご馳走様♪」

「もぅ~・・・」

っと言って顔を赤く染めているだけで怒ってもいない。


「志津音・・・本当に綺麗だ・・・宝石が霞む位・・・君は綺麗だ・・・」

「もぅ~褒め過ぎだよ・・・大袈裟なんだから・・・」


『胸がキュンキュンするよぉ~・・・カッコ良すぎるよぉ~・・・ダメだぁ~・・・私の中の女が・・・龍徳君を求めてる・・・けど・・・龍徳君が我慢してるんだから我慢しないと・・・もぅ~!!!告白が終わったら我慢しないんだからぁ~!!』


今日だけで何度惚れ直したのか・・・

『うぅ~会えば会う程、惹かれちゃうよ~・・・どうしよう・・・私が、我慢出来ないかも・・・』



こちらも良ければ読んでくださいね♪

■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n0781fy/

月曜日の朝7時に更新します。

■「勇者撲滅! 2度目の人生はハッピーエンドで!」もアップしましたので宜しければご一読ください

https://ncode.syosetu.com/n6920gm/

火曜日と金曜日の朝7時に更新します。11月分まで予約してあります。

■「小さな小さな 大冒険!!」第一部完結

https://ncode.syosetu.com/n6880gm/


■「そこにいる君に逢いたくて。」を新しくアップ致しましたので、宜しければご一読ください。

毎週水曜日と土曜日の朝7時に更新いたします

https://ncode.syosetu.com/n0341hc/


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