SIDE:志津音プール編2
毎週水曜日と土曜日にアップします。
作者的には自分で書いていて泣いてしまうような物語だと思っています。
文字総数334000文字で完結迄書き終わっているので、良ければご一読ください。
「その人が吹奏楽にいるって姉貴に教えて貰ったから俺も入部する事にした・・・全然ダメダメだったけどね♪」
うそ・・・ミニバスやってて吹奏楽って・・・私以外いないんじゃ・・・
「その人は頭が良くて、運動神経も良くて、優しくて面倒見が良いのに根性迄ある・・・本当に憧れた・・・だから馬鹿だった俺は、少しでも追い付きたくって頑張る様になったんだよ・・・」
「ほ・本当に?」
えっ?・・・私なの?違うよね?でも・・・
「フフ♪ 中学生になった時にクラスが離れてメチャクチャ凹んだ。俺にとっては女神の様な人だったから・・・クラスが違うから何の部活なのかもわからないし・・・だけど運良く中2の時にバスケ部だって分かったから俺も入部したんだ♪」
龍徳君がバスケ部入ったのって・・・
私なんて・・・もしかして・・・揶揄っているのかな?
「その人を守れるような男になりたい・・・告白するには、その人に相応しい男になりたい・・・俺が凄いって?ハハハ・・・それが本当なら・・・そうなる切っ掛けをくれた君が凄いんだよ・・・志津音・・・君なんだ。」
「あぁ~!また揶揄ってるんでしょう~もう騙されないもんねぇ~」
信じたいけど信じられない・・・だから無理にでもそう言ったのに・・・何でそんな優しい顔で私を見るの?
「誰よりも君に惚れている・・・まだまだ実力不足だけど・・・時が来たら・・・告白するから・・・」
「う・うそ・・・」
『私に・・・龍徳君が?・・・こ・告白って・・・ハハハ・・・夢だコレ!』
自分の頬を抓る。
「今は中学生だから我慢するけど・・・高校生になったら、遠慮しないから・・・覚悟しておけよ♪」
『あれ・・・メチャクチャ痛い・・・夢・・・じゃないの?』
「うそ・・・」
「だから~嘘じゃないって・・・あぁ~我慢しているって話か?」
違う・・・そうじゃなくって・・・
「マジだぞ!?今だって本当は志津音に告白して付き合いたいし!抱きしめたいし!キスだってしたい・・・」
ヒャァァァ~ななななな・・・
「だけど、今からそんな事したら我慢できなくなる・・・」
我慢って・・・うそ・・・本当に・・・本当に?・・・どうしよう・・・嬉しい・・・。
「な!ななななな・・・ど・どうした・・・そんなに嫌だったか?」
「・・・ううん・・・違うの・・・」
嬉しいの・・・何でか分かんないけど・・・凄く嬉しい・・。
「えっと・・・ゴメン。多分俺が悪いんだよね? でも本気なんだよ・・・自分に嘘は・・・もう吐きたくないんだ・・・」
なんだろう・・・身体がフワフワする・・・本当に・・・夢じゃないの?
「・・・うん・・・」
胸のドキドキが凄い・・・嬉しくて・・・涙がでそう・・・
「え~っと・・・ゴメン!本当なら高校生になってから話そうと思ってたんだ・・・フライングだよな・・・だから・・・今の無しで!」
えっ?・・・今なんて言ったの?この話をなしにする・・・いやぁ~!!
「ダメ~!! ヒック・・・無しになんて・・・しないんだから・・・」
私・・・龍徳君の事が好きなんだ・・・それも・・・凄く大好き・・・。
「・・・そ・そうだな!無しはダメだよな・・・えっと・・・」
何だろう・・・凄く嬉しい・・・涙が止まんない・・・
「ほら・・・涙を拭いて・・・」
「うん・・・」
私・・・今どんな顔してるんだろう・・・恥ずかしい・・・
「えっと・・・兎に角!俺は志津音が好きだ!好きで、好きで・・・だけど・・・今は受験中だから・・・受かったら覚悟してくれな!」
そんなに私が好きだったの? 違うよね?私が龍徳君を・・・好きに・・・なったんだよね?
「うん・・・」
もぉ~私の心臓、煩い!
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃない・・・」
もう感情が凄い事になってる・・・
「えっと・・・俺に出来る事・・・何かある?」
「うん・・・」
今・・・凄く龍徳君と触れ合いたい・・・
「そうか!じゃ~何すれば良い?」
「私の後ろに座ってくれる?」
わ・私・・・こんなに積極的だったんだ・・・ドキドキが止まらない・・・。
「こ・ここに座って・・・その・・・良いのか?」
「うん・・・」
お願い・・・断らないで・・・。
「失礼しま~す・・・」
き・・・来た・・・。心臓・・・凄い事になってる・・・。
「こ・この後・・・どうすれば宜しいでしょうか!」
も・もう我慢できない・・・。抱きしめて欲しい・・・もう・・・ダメだ・・・龍徳君に・・・
「なっ!」
「後ろからギュってしてくれる?」
私・・・凄い事言ってる・・・
「は・ヒャイ! わ・分かりました・・・こ・・・こうで良いでしょうか!」
あ・・・そんなんじゃいや・・・
「ダメ!ギュっとして!」
「ひゃ・ヒャイ・・・これで宜しいでしょうか!」
「クスクスクス♪・・・何でそんなに声が裏返ってるのよ♪」
「だってですね・・・その・・・水着姿なので・・・」
カァァァ~・・・そう言えばそうだった・・・私ったら・・・こんなに大胆だったんだ・・・
「クスクスクス♪ へぇ~♪ いつも抱き着こうとするのに~?」
「アレは、冗談と申しますか勢いと申しますか・・・スキンシップの様なものだから・・・」
「だったらこれもスキンシップかもね♪」
「そ・そうなの?」
「フフフ♪ うん♪・・・だって私嫌じゃないもん♪」
寧ろすごく幸せ・・・
「そ・・・それなら遠慮しなくても良さそうだね!はぁ~幸せ~♪」
ああ・・・凄い・・・力強い・・・な・何か・・・恥ずかしくなってきちゃった・・・
「あん・・・もう~やっぱりなし!」
「ブブ~もう無理で~す!絶対放しませ~ん♪」
「も~ぅ」
温かい・・・凄く落ち着く。
私って・・・やっぱり女だったんだなぁ~
志津音は物凄くモテる。
小学生の頃から現在に至るまでに20回以上は告白され、ラブレターも数多く貰った事がある。
龍徳が言うように年齢以上に大人びた可愛さは当然で、頭が良く運動神経も良い。
困っている人がいたら手を差し伸べる優しさと負けん気の強さが同居している。
それでいて、家庭的な一面迄持っているのだ。
正にパーフェクトヒロインと言っても過言ではない。
だが、その為、自分より秀でた男性を見た事がなかった。
他の女友達は、誰誰が面白いだの、誰誰の運動神経が良いや、誰誰がカッコいいなど卒中話していた中、志津音は「ふ~ん・・・」と興味がない訳ではない。だが、ときめいた事がない。
四六時中一人の男性が頭に過る事もないし一人の男性を目が追ってしまう経験もなかった。かと言っても女性が好きな訳ではない。
パッと見は男勝り。
下手な男子より志津音の方が余程、頼りになる。
困った事に自分でもそう思っていた節がある。
ところが、龍徳と出会ってからと言うもの子ども扱いされる程の差を感じ、自分を女性扱いしてくれる。
気が付けば龍徳の事を目で追っていたが、自分の感情には気が付かなかった。
ただ、仲の良い男友達・・・その程度の認識だった。
確かに周りの女の子達が龍徳の事をカッコいいとか声掛けちゃおうかなぁ~というセリフを聞くと何故だかムッとしている自分に気が付いてはいた。
徐々にだが、これが恋なのかなぁ~っと考え始めてはいたのだが、龍徳が余りにも凄過ぎて自分なんか好きになる訳がないと考える様になっていたのだ。
だが、今回の事で知らない間に押し殺していた感情が爆発した。
ハッキリと龍徳が好きだと分かったのだった。
家に戻り自分の部屋に龍徳の写真が飾ってあることを思い出す。
「ちょっと居間で待っててもらえる?」
『そうだった・・・龍徳君の写真・・・』
自分の部屋に入ると着替え始める。
どの服が可愛いかなぁ・・・これなら喜んでくれるかなぁ?
そして、服選びが決まり着替え始めると写真の中の龍徳と目があった。
「龍徳君のエッチ~!!」
そう言って写真立てをパタンと倒す。
「ごめ~ん。お待たせ~♪」
どうだろう・・・変じゃないかな?
「フフフ♪どうしたの?ポケっとして?もしかして私に見惚れてた?な~んちゃ・・・」
「あ・・・うん、メチャクチャ可愛いから見惚れちゃった・・・」
「あらあら♪ ハッキリ言う子なのねぇ~♪ こんな志津音初めてみたわ。」
カァーっと耳まで真っ赤。
「『ヒャァァァ~真顔で・・』・・・そ・・・そうなんだ・・・」
「龍徳君・・・私の部屋に行こぅ。」
「ここでも構わないけど・・・」
お母さん・・・絶対に邪魔するって顔してる・・・
「こ・ここだと邪魔が入るから行くよ!」
前の家でセンスが良いって褒めてくれたから同じ感じにしたけど・・・どうかなぁ~って思っていたら私が言って欲しい言葉で褒めてくれる。
「何か・・・恥ずかしいからジロジロ見ないでよ。」
妙に感が良いからバレそうで怖いんだけど・・・毎朝話しかけているって・・・バレないよね?大丈夫だよね?
龍徳君の行動と言葉にしどろもどろしていたら
「志津音・・・」
「は・はい・・・。」
「15歳のお誕生日おめでとう♪」
「あ・うん♪ ありがとう♪」
た・誕生日の話かぁ~ウフフ嬉しい♪
「それで・・・コレ・・・あんまり可愛らしい梱包じゃないけど・・・誕生日プレゼントなんだ。」
そう言われて開けたらポケベルが入っていて、今後はこれで連絡が取れるんだって・・・
私の事を心配してくれたプレゼント何だろうなぁ~・・・
龍徳君が言うには数字しか送れないけど語呂合わせで会話するんだって、ちょっと面白そう♪これなら直接伝えたい事を送れるから確かに便利かも・・・
そう思っていたら・・・
「これから受験だろう?だから入試が終わるまでは邪魔したくないし・・・」
「そっか・・・それまで来てくれないんだ・・・。」
前にも言われていたけど・・・何でだろう・・・凄く寂しい。
「来たいよ!?来たいけど・・・今は受験の邪魔をしたくない・・・親御さんも心配するだろうし・・・」
フフ♪やっぱり龍徳君は優しいなぁ~♪
「ふ~ん・・・本当は私に会いたいってこと?」
ちゃんと言ってくれないと分からない!っと思って言ったけど・・・
「当たり前だろう!本当だったら毎日だって会いたいに決まってるじゃん!」
真剣な顔・・・毎日会いたいって・・・恥ずかしいけど・・・私も・・・私も会いたい・・・
「・・・そ・そっか・・・ありがとう・・・。」
時間が経つのはあっと言う間ね・・・気が付けば龍徳君が帰らないといけない時間になっちゃった。
「有難うございます。長居し過ぎました。」
「良いんだけどねえ~ それとも泊ってっちゃう?」
「お母さん!!」
泊まるって・・・どこに?・・・わ・私の部屋?
い・良いけど・・・
「ハハ♪ お父さんがOKなら、そうさせて頂きたいところですが、殺されそうなので今日はおいたましますよ♪」
「残念ね~」
お父さんが居たんだった・・・。
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