SIDE:志津音プール編1
毎週水曜日と土曜日にアップします。
作者的には自分で書いていて泣いてしまうような物語だと思っています。
文字総数334000文字で完結迄書き終わっているので、良ければご一読ください。
「はぁ~・・・今日もカッコ良かったなぁ~」
先程までの事を思いだしている志津音の顔が幸せいっぱいだ。
「それにしても、溺れかけている人なんて良く分かったよね・・・フフ♪ 龍徳君は本当にスーパーマン見たいな人だな・・・。」
そう言って先程のプールの出来事を思い出す。
流れるプールで遊んでいた時にゴムボートに巻き込まれ同い年くらいの女の子が溺れる寸前だったところを龍徳が気付いて助けに入った。
「キャァ~♪ それ以上揺らしたら落ちちゃう~♪」
「う~む 何やっても楽しい♪」
「あぁ~今度は太ももに触ったぁ~! 龍徳君のエッチ~!」
「とっても素晴らしい感触でした♪」
「やっぱりワザとだぁ~!」
「何の話でしょうか?」
「まぁ~開き直って・・・」
文句を言おうとする志津音の前に手を差し出す。
「ちょっと待った・・・今・・・悲鳴が・・・」
「あぁ~また話を誤魔化そうとしてぇ~!」
「違う・・・今確かに・・・」
そう言って一瞬目を瞑ると
「あそこからだ! 志津音ゴメン!直ぐ戻ってくるから!」
そう言うが早いか水中に潜るとプールを逆に泳いでいった。
「えっ・・・本当だったの?」
周りは大勢の人の声で何も聞こえない。
「龍徳君の顔・・・真剣だった・・・」
人込みが多過ぎて志津音からは微かにしか見えなかったが、ゴムボートの周囲にいる大人に「どけっ!」っと言っている龍徳の姿が見えた。
「あっ・・・女の子だ・・・顔が青くなってた・・・」
本当に危険だったんだ・・・誰も気が付かなかったのに・・・
そして、少しすると龍徳が戻って来た。
「ゴメン!ちょっと時間がかかった。ナンパされてないか?」
「う・うん・・・大丈夫だったけど・・・」
「はぁ~良かったぁ~一応は志津音の場所をチェックしながら動いていたけど・・・はぁ~良かったぁ~♪」
「クスクス♪ そんなに心配してくれてたの? 大丈夫だよ~♪」
「大丈夫じゃない!で志津音は自分の魅力にもう少し気付いて貰わないと!」
「もぅ~大袈裟なんだからぁ~♪ それよりさっきの女の子大丈夫だったの?」
「ああ♪ 水を飲んでいたけどギリギリ間に合ったよ♪」
「良かったぁ~♪ それにしても良く聞こえたよねぇ~私全然気が付かなかったよぉ~」
「こう見えても周りに気を配ってるんだぜ? 俺も小学生の頃にゴムボートに巻き込まれた事があったから危険だなぁ~っと思ったら一応気にする様にしてるんだ♪」
「へぇ~ じゃ~私に何かあったら助けてくれる?」
ちょっとしたヤキモチで言った会話だったんだけど龍徳君は・・・
「何があっても志津音だけは俺が守って見せる。たとえ間に合わなかったとしても・・・それでも必ず命に代えても守るから・・・。」
そんな事を思い出しベッドの上で見悶えている。
「キャァァァ~♪ あぁ~もう・・・カッコ良かった~♪ 逢いたいよぉ~」
先程別れたばかりなのだが、我慢できない。
「今日は朝から幸せだったなぁ~・・・」
そして、今日の事を思い出していく・・・
チョット髪形に時間かかっちゃった・・・
龍徳君、可愛いって言ってくれるかなぁ・・・
駅に向かって走る一人の少女。
駅に着くと周囲をキョロキョロしている男の子の姿が目に映る。
「お兄さん何してるの?」
「ちょっと女神と約束があって♪」
「もう・・・」
『なんか会う度にカッコ良く見える・・・ 』
「その服可愛いな♪」
「そう? ヘヘ♪良かったぁ~♪」
「それに・・・その髪型もとっても可愛い♪」
『龍徳君なら気が付いてくれて褒めてくれると思って期待してたけど・・・褒め過ぎだよぉ~・・・けど・・・やっぱり嬉しいかも・・・』
約束していたプールに行くと結構大きなプールだった。
更衣室で着替えると・・・
『この水着・・・ちょっと恥ずかしいかな・・・だ・大丈夫だよね・・・今日は、大人っぽく振舞うんだもんね!』
そう言って更衣室から出ると
『うわぁ~・・・何だろう・・・ただ立っているだけなのに・・・』
周りにも沢山の人がいるのに一瞬で龍徳が目に入る。
そして、少し赤らんだ頬を見せながら龍徳の場所に歩いて行き声を掛けた
「それにしても・・・龍徳君の身体凄いね・・・。」
「まあね♪ カッチョイイでしょ♪」
「うん♪ カッコいい♪」
「あれ・・・いつもなら恥ずかしがるのに・・・どうしたの!?」
「フッフッフ♪ いつも龍徳君が揶揄うから今日は私が揶揄うの!」
「なるほど・・・だが、そう上手く行くかな!」
「フフ♪ どうかなぁ~」
プール施設の端に陣取ると龍徳君が一瞬でテントを張ってくれた。
私はこう言うのは良く分からないけど周りの人達を見ると凄いものだってわかる。
私達の近くにテントを組み立てていた同い年くらいの中学生のグループの女の子達が羨望の眼差しで見ているけど・・・やっぱりそう言う顔になるよねぇ~
それにしてもテキパキと設営する龍徳君もカッコいいなぁ~♪
『わぁ~お洒落~すご~い・・・』
良く見ると周りの大人達も汗だくで頑張っている。
「そりゃ~羨ましいよね・・・。」
「今日の為に開発したようなもんだからね♪ まだ未発表だし」
会社を始めたと聞いてはいるけど・・・
こんな物まで開発するって・・・予想以上に凄い会社なのかな?
それにしても・・・身長伸びたとは思ったけど私より大きくなってたんだねぇ~♪
龍徳君があっと言う間に大きな浮き輪を膨らませてくれて2人で流れるプールに行く。
「キャァァァ~楽しい~♪」
さっきから龍徳君が潜っては私にちょっかいを出すんだけど・・・
「もう~今触ったでしょう!」
「あれ~そうだった?」
「エッチ~」
別に嫌じゃないけど・・・
「偶然だよ偶然!」
「ふ~ん・・・触りたかったのかと思ったけど違ったのか~残念♪」
「なんですと!もしかして・・・触っても・・・ならもう1回!!」
「キャァァァ~やっぱりワザとだぁ~♪ 龍徳君のエッチ~」
なんだろう・・・凄く楽しい♪
「はぁ~疲れた~♪」
こんなにはしゃいだの初めてかも♪
お腹が空いたので作ってきたお弁当を全部出し終えて龍徳君を見たら既におにぎり1つ食べ終わっていた。
「旨い・・・オニギリとウインナーだけで全然OK」
「も~ぅ 美味しい?」
「信じられない位旨い・・・」
「相変わらず大袈裟な・・・でも嬉しい♪」
本当に美味しそうに食べてくれるから見ていて飽きない♪
なんだろう・・・ずっと龍徳君の為に作ってあげたいかもって!私ったら・・・
それにしても本当に良く食べるなぁ~あの身体のどこに入るんだろう?
お腹いっぱいで苦しがっていると思ったら泳ぎたいって・・・大丈夫なの? 普通吐いちゃうよ?
でも、小学生の頃に見た龍徳君の泳ぎはカッコ良かったもんね♪
そう思って話をしたらとんでもない話を知っちゃった。
まさか小学生の頃は先生迄、龍徳君の事を認めていなかったなんて・・・気が付かなかった自分が嫌になる。
今でも水泳教室に通っている話も大会で優勝した話も聞いてはいたけど・・・
本気で泳ぐ龍徳君は予想以上に早かった。
「は・・・早っ! えぇ~あんなに速いのぉ~!?」
私も驚いているけど周りの人もすっごい見てる・・・そりゃ~そうだよね~メチャクチャ目立ってるもん。
1回目のタイム27秒03
「あちゃ~飛び込みが無いとは言え・・・50mが27秒台か・・・遅っ!」
「十分早かったと思うけど・・・もう一本行く?」
「うん!よろしく!」
じゃ~行くよ!位置について・・・用意・・・ドン!」
それにしても・・・カッコいいなぁ~♪
2回目のタイムは25秒58
後で調べたら高校生の50m自由形の記録が22秒台だった。
ダボダボっとした水着で飛び込みがないのに25秒台って凄いんじゃない?
この人・・・水泳を本気でやったらオリンピック選手になれるんじゃないの?
私なんかと遊んでいる暇なんてあるのかな?
そう思って落ち込んだけど・・・
どうしても不思議だったから聞く事にした。
「ふぅ・・・住む世界が違うか・・・」
「うん・・・」
ドキドキしながら何て言われるか待っていたら予想外の答えだった。
「俺もそう思っていた時期があったよ♪」
「龍徳君が?うそ~!」
「嘘じゃない・・・小学生の時はずっと劣等感を持ってたよ・・・。」
「あ~そう言えば、小学生の頃って龍徳君の印象あんまりなかったなぁ~」
「だろう♪ で、ある人に近づきたくて頑張る様になったんだよ・・・」
「へぇ~・・・その人凄いんだね~」
話を聞くと“手の届かない雲の上の存在”とか“未だに憧れてる”だって・・・
龍徳君が努力しても追い付けないってどれだけ凄い人なの?
「はぁ~今の龍徳君なら十分だと思うんだけど・・・まだ届かない様な人なんだ~」
「うん・・・その人に認めて欲しくて・・・その人に振り向いて欲しくて・・・だから人の何倍も頑張ってきた・・・」
私じゃない人に振り向いて欲しいって・・・なんかヤダ・・・
「ふぅ~ん・・・」
龍徳君と同じ土俵に上がれるなんて・・・良いなぁ・・・。
「何ムッとしてるんだ?」
「何か、その人が羨ましい・・・。私も知っている人?」
「ああ・・・一番知っていると思うけど♪」
「そうなの? えぇ~誰だろう・・・」
私も知っている?えぇ~そんな人いる?
中学生じゃないよね?龍徳君学年一位だし・・・ハッキリ言ってスポーツで龍徳君より凄い子見た事ないし・・・え~誰?でも・・・知ったら知ったでなんかヤダな・・・
「ブブ~時間切れで~す♪」
「えぇ~全然分かんな~い・・・誰なの・・・その・・・龍徳君の憧れの人って・・・」
聞きたいけど・・・・聞きたくない・・・・でも・・・誰か知りたい!
「知りたい?」
「うん!知りたい・・・。」
「そっか♪・・・その人は、小学生の頃にミニバスをやってて・・・」
小学生時代にミニバス?私の知っている人って・・・その中にいるって事?
こちらも良ければ読んでくださいね♪
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