夜の公園
毎週水曜日と土曜日にアップします。
作者的には自分で書いていて泣いてしまうような物語だと思っています。
文字総数334000文字で完結迄書き終わっているので、良ければご一読ください。
袋を丁寧に剥がして一つの箱が出てきた。
「これ何なの?」
「あれ?ポケベル知らない?」
「ポケベル? うん知らない・・・。」
「ポケットベルだから通称ポケベル。電話からアクセルすると数字がそのディスプレイに表示される様になっているんだよ」
「へぇ~♪」
「俺も持ってる・・・だから・・・その・・・これからは、これがあれば連絡取り易いかなぁ~って思って・・・ちょうど会社で導入したから・・・お金の心配はしなくて良いし・・・だ・ダメかな?」
「ううん・・・嬉しい・・・。ありがとう龍徳君♪」
「ホッ・・・良かったぁ~嫌だったらどうしようかと思ったよ・・・。」
「フフ♪ でも何でポケベルなの?」
「これから受験だろう?だから入試が終わるまでは邪魔したくないし・・・」
「そっか・・・それまで来てくれないんだ・・・。」
「来たいよ!?来たいけど・・・今は受験の邪魔をしたくない・・・親御さんも心配するだろうし・・・」
「ふ~ん・・・本当は私に会いたいってこと?」
「当たり前だろう!本当だったら毎日だって会いたいに決まってるじゃん!」
「・・・そ・そっか・・・」
龍徳に真剣な顔で会いたいと言われ、またしても顔を真っ赤にしてしまう。
「・・・ありがとう・・・。」
その後、恥ずかしくなった志津音がイキナリ「勉強教えて!」っと言い出した事で、何故か現在勉強中。っとその時ドアをノックする音が聞こえた。
「コンコン。入るわね~♪あら・・・勉強してるの?」
「うん。龍徳君頭が良いから教えて貰ってるところ。」
「へぇ~・・・」
「どうしたのお母さん?」
「あっ・・・そろそろ龍徳君が帰る時間かと思ったから。」
そう言われ時計を見る。
「うわぁ~もう~18時だったんだ。」
電車だけなら80分程だが、それ以外を合わせると2時間は掛かってしまう。
「有難うございます。長居し過ぎました。」
「良いんだけどねえ~ それとも泊ってっちゃう?」
「お母さん!!」
「ハハ♪ お父さんがOKなら、そうさせて頂きたいところですが、殺されそうなので今日はおいたましますよ♪」
「残念ね~」
「もう~!私、下までお見送りしてくるね!」
「良いよ。ここで。」
「ダ~メ!!私が行きたいの!」
「え~子やぁ~」
「はいはいお爺ちゃん行くよ♪」
「お爺ちゃん言うな!」
『精神年齢はお爺ちゃんかも知れんが!』
「クスクスクス♪じゃ~ちょっと行って来るねぇ~♪」
「は~い。30分して帰って来なかったら探しに行くからねぇ~」
「そんなにかかりません!」
「クスクスクス♪ お母さんと仲が良いな♪」
「う~ん・・・そうだね♪」
マンションの下までと言っていたのに前の公園まで付いて来てしまう。
「ほら・・・お母さんが心配するから♪ ここで大丈夫だよ♪」
「うん・・・」
返事はするが帰る様子がうかがえない。
「また来るから・・・」
「うん・・・」
「そんな寂しそうな顔しないの!」
「うん・・・」
今にも泣きだしそうな下唇を噛んで何かを我慢している様子が伺える」。
「もう~可愛いなぁ~♪ ハグして良い?」
「うん・・・」
「えっ?良いの!?」
「うん・・・」
予想外の返事に戸惑いながらも近づいて行くとそぉ~っと手を回す。
「はぁ~幸せ~♪」
「うん・・・」
さっきから「うん」しか言わなくなった志津音を揶揄おうと
「今日も楽しかったな♪」
「うん・・・」
「プールはかなりドキドキしたよな♪」
「うん・・・」
「志津音、俺の事好きだろう?」
「うん・・・」
「えっ!?本当に!?」
「うん・・・」
「そんなに俺と離れたくないのか?」
「うん・・・」
「そうなの?」
「うん・・・」
「キスしても良い?」
「うん・・・」
「えっ!?マジで?」
「うん・・・」
「ちょちょちょちょ!志津音さん?どうしちゃったの?」
抱きしめていた手を緩めて顔を見ると目を真っ赤にして涙が零れていた。
「ど・どうした!ほら・・・」
リュックからタオルを引っ張り出して涙を拭いてあげる。
「泣いてる顔も可愛いけど・・・そんなに俺と離れたくなかったの?」
「うん・・・だって・・・ヒック・・・当分会えないんだよ?・・・ヒック・・・」
「わ・分かった!だったら・・・月に1回!月に1回は会いに来るから。」
「嫌だ・・・もっと会いたい・・・。」
「はぅっ・・・何て可愛さだ・・・持って帰りてぇ~!!」
『俺だってもっと会いたいよ・・・。』
「フフ♪ 龍徳君正直だよね♪」
「何が?」
「今私を持って帰りてぇ~!!って言ったじゃない」
「あれ?俺だって逢いたいよって言わなかった?」
「ううん♪ 言ってない」
「あれ?口に出てた?」
「フフ♪出てた!」
「う~む・・・重症だな・・・」
「フフ♪重症だね♪ もう一回ギュ~ってしてくれる?」
「喜んで♪」
「何か凄く落ち着く・・・。」
「俺は欲望を我慢するのに精一杯だけどね・・・。」
「フフ♪ 龍徳君のエッチ~♪」
「やめて・・・その可愛い顔で言われると我慢できなくなるから。」
「ふ~ん・・・我慢できるのかなぁ~♪」
「我慢できる!出来なくなるかもだけど・・・でも我慢する!」
「プッ・・・何それ~♪」
「あのなぁ~俺メチャクチャ志津音に惚れてんだぜ? 告白する前にフライングしたくないの!」
「じゃ~高校生になる迄、お預けだね♪」
「う~ん・・・受験受かったらヤバいかも・・・」
「ウフフフ♪ どうしようかな~♪」
「はぁ~・・・本当に可愛いなぁ・・・もう強引にキスしても許されるんじゃね?」
「キャァァァ~変質者だ~♪身の危険~♪」
「逃がしません!・・・もう・・・ほら・・・」
そう言って龍徳の胸に志津音の耳を当てる。
「さっきから心臓が爆発しそうだよ・・・聞こえるだろう・・・。」
「うん・・・聞こえる・・・多分、私も同じだと思う・・。」
「だから・・・今日はカッコ付けさせてよ♪」
爽やかな笑顔を志津音に向けて頭を撫でる。
「うん・・・カッコいいよ♪」
「志津音お誕生日おめでとう♪」
「幸せ・・・龍徳君ありがとう♪」
最高の笑顔を龍徳に向ける。
『うわっ・・・何て笑顔だよ・・・本当に中学生か? クゥ~・・・ドキドキする・・・』
微笑む志津音の背中越しで、もう一つのプレゼントであるネックレスと取り出し
「アン♪ くすぐったいよ~♪」
モゾモゾした事で変な感じで志津音に触れてしまう。
「変な声出されると我慢できなくなるんですが・・・」
「そんな声出してないもん!龍徳君のエッチ!」
『本当に何やっても可愛いなぁ~♪』
そして、ネックレスを志津音の前に持ってくると
「これもプレゼントなんだけど・・・付けても良いかな?」
「ネックレス・・・キレ~♪ フフ♪ 付けてくれますか♪」
そう言って後ろ髪を持ち上げると志津音のうなじが、露わになる。
ドキッ・・・
「喜んで♪」
この時の龍徳は理性を総動員して自分の感情を押し殺した。
『ヤベッ・・・相手は15歳・・・相手は15歳・・・クラクラしてきた・・・色っぽ過ぎる・・・襲いたい・・・ダメだ・・・我慢だ・・・』
っと同時に志津音の心臓も限界を超えそうだった。
『ヒャァ~・・・抱きしめられるよりも緊張する・・・ヒィ・・・龍徳君の指が触れた場所が熱い・・・うぅぅぅ・・・幸せだけど恥ずかしい・・・けど・・・嬉しいよぉ~・・・ハワワワワ・・・』
緊張で震える手を必死でこらえ志津音の首に1カラットのルビーが嵌め込まれたプラチナのネックレスを付け終わる
「はぁ~ドキドキしちゃった♪・・・ウフ♪ 嬉しい・・・」
『お前は俺の物だって言われたみたい・・・』
「はぁはぁはぁ・・・」
「大丈夫?どうしたの?」
「ヤバかった・・・」
「何が?」
「色っぽ過ぎる・・・理性の限界・・・」
「キャッ♪・・・フフ♪ 苦しいよぉ~♪」
「ゴメン・・・もう少しだけ抱きしめて良いかな?」
「うん・・・龍徳君に抱きしめられるとホッとする・・・」
「もう告白して俺の彼女にして・・・そうしたらキスして・・・」
『ハワワワワ・・・龍徳君・・・もしかして、気が付いてないのかな・・・』
「我慢したくない・・・今すぐ俺のものに・・・永久に俺のものにしたい・・・」
『ヒィィィィ・・・俺のもの・・・』
ただでさえ火照った頬だったが、真っ赤に染まった頭から湯気が見える。
「 クソ・・・後数ヵ月の我慢・・・我慢だ・・・落ち着け・・・フゥー・・・」
『よし! 耐えたぞ・・・今のはヤバかった・・・』
『これって告白よりもプロポーズじゃないのぉ~ もぅ~バカ、バカ、バカ・・・大好き・・・』
恥ずかしくて赤くなった頬とは違う染め方に変わって行く。
「し・志津音・・・それ気に入ってくれた?」
「は・はい・・・うん♪ 本当に嬉しい♪」
「ルビーって7月の誕生石なんだって・・・」
「これルビーなの?へぇ~私の誕生石・・・ウフ♪ 嬉しい・・・」
その表情に龍徳も照れてしまう。
『たまんないな・・・何て顔しやがる・・・ドキドキが収まんねぇ・・・』
「夏は毎日来ちゃうかも・・・」
「クスクス♪ いつでも待ってるからね♪」
『ダメだ・・・やっぱりこの女だけは特別だ・・・ハッキリ分かる・・・。』
そして、距離を開けた時。
「あ~!兄貴~!!兄貴だよね!!」
その声に2人ともビクッと反応してしまう。
「おぉ~健一~久しぶりだな♪ 元気にしてたか?」
「おう!元気元気!もしかして帰っちゃうのか?」
「もしかしなくても変える時間に決まっているでしょう?」
「えぇ~姉ちゃんばっかりずりぃ~」
「ハハ♪ そう言うな。また今度だ。」
「ちぇ~今度っていつだよ~?」
「夏休みの間は、来られる限り来るから・・・なっ♪」
そう言って志津音にウインクする。
『クゥ~・・・恥ずかしくてまともに顔がいれないよ・・・』
「夏休みが終わったら当分来ないって事か?」
「そうだな・・・でも志津音の受験が終わればいつでも会えるだろう?」
「えぇ~そんなに会えないのかよぉ~」
「受験生だからしょうがない♪」
「ちぇ~じゃ~冬休みは絶対来てくれよな!」
「約束だ♪」
「さぁ~もう2人も帰んないとお母さんが心配するぞ。」
「うわぁ~もう7時じゃん!姉ちゃん帰ろう!」
「うん。龍徳君・・・今日も楽しかったよ♪」
「おう!じゃ~またな♪」
「うん♪ またね♪」
「兄ちゃんまたね~!」
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