SIDE:志津音
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フン♪フン♪フ~ン♪
朝早くから嬉しそうにお弁当を作る志津音の姿があった。
「あんたも部活引退したら女の子らしくなってきたわねぇ~」
志津音の後ろでお母さんが声を掛ける。
「そう?」
「クスクスクス♪ だってお弁当を幸せそうに作ってるんだもの」
「・・・そ・そんな顔してた?」
「ええ♪鼻歌まで歌って・・・あぁ~!誰か好きな男の子でも出来たのね!」
そう言われて赤面する。
「な・何言ってるのよ!違うってばぁ~!」
「ウフフ♪そんなに否定して~分かり易~い♪」
そして、健一が起きてきた。
「どうしたの~朝から煩いなぁ~」
「おはよう健一♪」
「おはよ~・・・んで?何騒いでんの?」
「お姉ちゃんね~どうやら好きな人が出来たみたいなのよ~♪」
「だ・だから違うてばぁ~」
「あぁ~龍兄ぃ~の事だよ。」
「龍兄?」
「ち・違う!あんたも余計な事言ってないで早く顔洗って来なさい!!」
「あら~その話・・・詳しく聞きたいわね~♪」
「もう良いから!」
「志津音!焦げちゃうわよ!!」
「わぁ~! ヤバい・・・」
「それで・・・龍兄って誰なの?」
コソコソ志津音に聞こえない様に健一に話しかける。
「龍兄は俺の憧れの先輩なんだ! メチャクチャ頭が良いしメチャクチャ運動神経も良いんだぜ! この前の全国模試何て687位だし!優しいし!物知りだし!教え上手だし!強いし! マジカッケェ~♪」
「へぇ~凄いわね~」
「うん♪ マジで龍兄は凄ぇ~よ!」
「よし♪完成~♪」
「作り過ぎじゃないのあんた・・・」
そう言われて弁当に目を向けるが
「良いの!これ位楽勝よ!」
「我が娘ながら本当に何でも熟すわねぇ~」
「でしょう♪」
「うん。これなら喜んで貰えそうね♪」
「そうかなぁ~♪」
「フッフッフ・・・語るに落ちたわね」
「あっ・・・ち・違うもん!龍徳君は関係ないもん!」
「あら?お母さんは誰とは聞いてないんだけど・・・へぇ~♪」
「ち・違うもん!これは一人でだべるの!」
「へぇ~そう。今度家に連れておいでねぇ~♪」
「・・・もう~お母さん嫌い!」
「あら♪ お母さんは志津音の事を大好きよ♪」
「私もだけど・・・もう!行ってきます!!」
「もう行くの?行ってらっしゃ~い。」
『もう!違うって言ってるのに・・・』
チラッと袋の中のお弁当を見る。
『龍徳君・・・食べてくれるかなぁ・・・。』
学校に着いてから龍徳の姿を見かけても組が違う為、朝から話す余裕がない。
たしか・・・徒競走なら・・・
そして、徒競走の番となり自分の場所に立って龍徳を探す。
基本的には足の速い方が、最後になる為、龍徳は最後尾。
志津音も足が速いので、その前なのだが、立ち位置が離れていた為、「お弁当を作って来たから一緒に食べない?」など、恥ずかしくて声を掛ける事が出来なかった。
『も~う・・・お昼になっちゃうよ~』
気が付けば龍徳の姿を目で追ってしまう。
「お静ぅ~一緒にご飯食べよう♪」
次から次へと声を掛けられるが、
「えっと・・・ちょっと家族に呼ばれてて・・・ご・ゴメンね!」
そう言ってその場を濁す。
『騎馬戦・・・カッコ良かったなぁ・・・フフフ・・・それにしても反則だよね~あの強さ♪ って!もう~どこいるのよ~・・・あっ!』
グル~っと見渡す中、校舎の方へビニール袋を片手に歩いて行く龍徳の姿が目に入った。
人ごみを掻き分ける様に急いで向かうと正面玄関に入って行くところ。
『あのビニールって・・・どう見てもお弁当箱入ってないよね・・・一人なのかなぁ~それとも・・・友達がいるのかなぁ~・・・今のところ人の気配はないけど・・・』
そして、そぉ~っと除くと龍徳が自分の教室へと入って行く。
『き・緊張してきた・・・深呼吸しよう・・・ス~ハァ~・・・』
そして、教室の入り口から中を除くと窓辺を見下ろして憂い気な龍徳の姿が目に入った。
『うわぁ~・・・絵になるなぁ・・・って』
「あぁ~やっぱり~!『やっぱり一人だった~♪』」
「何がやっぱり~なの?」
「えっと・・・龍徳君が校舎に向かったから変だなぁ~って思って」
「お・おう・・・何かちょっと嬉しい。」
『それって・・・私が来たからって事?』
「フフ♪変なのぉ~それより!ご飯一緒に食べようよ♪」
「あ~ごはん・・・ごはんは~今食べてるって言うか・・・今食べ終わった。」
「やっぱりビニールの中は食パンだったのね・・・どう見てもお弁当が入っている様に見えなかったから・・・あのね・・・お弁当作り過ぎちゃったから・・・一緒に食べてくれないかな?」
『お願い!断らないでね・・・』
「天使!この子・・・マジ天使。そうかぁ~やっぱり天使だったかぁ~」
『へっ?て・天使?・・・もう何言ってるのよ・・・それに・・・』
「また泣いてる~もう何が天使なのよ~・・・」
「俺・・・感動・・・」
「はいはい♪・・・」
『いつ見ても凄い食欲・・・かなり多めに作ったんだけど・・・』
「美味しい?」
「メチャクチャ旨い!マジで最高!!全部旨い!」
『なんだろう・・・凄く嬉しい・・・。』
「はぁ~幸せ~ご馳走様でした~」
「まさか全部食べちゃうとは思わなかったよ・・・でも・・・お口にあったようで何よりです♪」
「いや~マジで将来、俺の良い奥さんになるよ♪」
『キャァァァ~俺のって言った?今・・・俺の奥さんって言ったの?』
「なっ・・・も・もう~また揶揄ってぇ~知らない。」
「クスクスクス♪ それにしても・・・やっぱり運動している志津音ってカッコいいよな♪」
「そ・そう? た・龍徳君もか・カッコ良かったよ・・・」
『今のは自然に言えたよね・・・でも・・・恥ずかしい・・・顔が熱い・・・。』
火照った顔を自分の掌で仰いでしまう。
「後半のリレーは応援してくれる?」
「敵組だからな~どうしようかな~」
『毎回応援してるけど・・・ヘヘ内緒♪』
「志津音が応援してくれたらどんな事があっても絶対一位になるんだけどなぁ~」
「ビリからでも?」
「当然!」
「フフ♪ じゃ~そうなったら応援してあげる♪」
「ええ~そうじゃなくっても応援してよぉ~」
「残念!勝つのは青組だもんねぇ~♪」
「違うね!勝つのは紅組だもんね!」
バチバチバチっと2人の間に火花が飛ぶ。
「よ~し!勝負よ!」
「よ~し!勝負だ!」
『こんな会話が凄く楽しい♪』
そして、龍徳君のリレーが始まったけど・・・
「うわぁ~・・・あの人足遅っ!これは流石に厳しいんじゃないかな~」
2番手では・・・
「井出君・・・小学校の頃から運動神経は良かったけど・・・もうちょっと早く~」
そして、3番手
「武田君・・・もう少し頑張って・・・あぁ~6位かぁ~この差は流石に無理だよ・・・」
だが、約束を守ろうと必死で走る龍徳の姿が目に映る。
「凄い・・・また抜いた・・・4位・・・」
『なんだろう・・・龍徳君が負けるところ・・・見たくないかも・・・』
『私が応援したら絶対に勝つって約束したじゃない!・・・負けないでよ・・・負けないで~!頑張れ龍徳く~ん!!』
私の思いが届いたの?って思う程そこからの龍徳君は凄かった。
「なんと~神山選手さらにスピードが上がった~!!これは2番手中野選手に届くか・・・否、一気に抜き去った~!!」
残り60mで15m差・・・これは流石に・・・でも!
『私が応援したら絶対に勝つって約束でしょう!!』
またしても私の思いが届いたのか・・・
「す・凄い・・・何あの速さ・・・凄い!追い付く・・・やったぁ~♪」
周りの女の子達もメチャクチャ興奮したみたい。
「お静~神山君って凄いね~!!」
「うん♪本当に凄かった~」
『そうでしょう♪』
「メチャクチャ凄かったねぇ~」
『凄いんです♪』
「カッコいい~♪」
『そう!本当にカッコいい・・・ん?』
「ねぇ~カッコ良かったね~♪」
『んん?』
「なんて言う子なの?」
「私知ってる!バスケ部で一緒だったから神山君、神山龍徳君って言うの♪」
「へぇ~龍徳君かぁ~♪」
『んんん? イキナリ名前呼び・・・』
複雑な心境で会話を聞いていると
「どうしたの?お静?変な顔して?」
「何でもない!」
「私、今度告って見ようかなぁ~♪」
「それはダメ!」
「えぇ~なんでよ~?」
「えっと・・・好きな子がいるみたいだよ♪」
「うそ~何で知ってるのよ~」
「そ・それは、前までバスケ部で一緒だったから・・・」
「ふ~ん・・・でも問題ないでしょう♪」
『何だろう・・・凄くヤダ・・・』
「まだ倒れているけど大丈夫なのかなぁ?」
『本当だ・・・あの龍徳君が?それ位本気だったって事・・・なんで・・・もしかして・・・私と約束したから・・・なの?』
そして、運動家が終わり家に着くと龍徳君が階段の下で座っていた。
「ど・どうしたの?」
「志津音が応援してくれたから約束守ったぜ♪」
「あれ・・・私・・・声に出してたっけ・・・」
「でも・・・確かに聞こえたんだよ・・・負けないでって・・・勝つって約束したでしょうってさ♪だから頑張ったご褒美貰おうかと思って♪」
「もう~どうして欲しいの?」
「そうだな・・・本当ならチュゥ~が良いんだけど・・・」
「な・な・な・な・な・・・・」
『チュゥとはキスの事で・・・キスは好きな人と・・・ハワワワワ・・・』
一瞬で志津音の顔が真っ赤に染まる。
「っと言うのは冗談で!」
「へっ・・・冗談?・・・」
「そっ♪ だから~明後日、2人だけでデートしようぜ♪」
「えっ・・・それ位なら・・・」
『2人でデート・・・何気に初めてなんじゃ・・・』
「よっしゃー!朝の10時に駅で待ち合わせな!」
「う・うん・・・」
『強引だなぁ~でも・・・その方が、龍徳君らしいかな♪』
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■「新世界!俺のハチャメチャ放浪記! 記憶喪失の転生者」もアップしましたので宜しければご一読ください
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