記憶したいなら本を読まないとね?
記憶に関するテクニック。本日は読書編。ただ本を読むにしても記憶に残りやすい読み方というものがあるのですよ。
日々の仕事に追われ、なかなか勉強する時間がない、なんてことあると思います。少ない時間のなか、疲れ眼で開いた本の内容がうまく頭に入ってこないままに時間だけが進み、気づいたらもう就寝の時間だった、なんてことあると思います。
少ない時間をより効率的に、そして最大限の成果を目指して勉強する。現代に必要な記憶術はまさにそういったスキルなのでしょう。本日は、そういった『効率的な記憶』に関する情報を、精神科医の『樺沢紫苑』氏著作の『学び効率が最大化する インプット大全』並びに『学びを結果に変える アウトプット大全』を参考に、わたしなりの解釈と解説によって説明していきたいと思います。
勉強をするにあたって、インターネットを利用したワールドワイドな世界では"動画"などを利用した勉強法も素晴らしい学習術でしょう。5分程度にまとめられた動画でもわかりやすく説明されていますし、動画情報は視覚、聴覚共に刺激してくれるのでより脳に残りやすいという利点もあります。
しかし、なにかを学ぶ上で未だに大きなウェイトを占めるのは『読書』だとわたしは考えています。1冊の本の中にはたくさんの情報が載せられており、自分のペースで学習する利点があり、専門書などでは順を追って段階的に説明してくれる内容だったりとなかなかに良好なツールです。しかし、そんな便利な道具だからこそ、使う側が『本の読み方』を心得ていなければ、その内容はまったく頭のなかに入ってこないということに繋がります。
本日は『読書』についてスポットを当てていきましょう。
①入門書を購入する
前提として、アナタの『自分のレベル』を知ることが重要です。これから弁護士を目指すぞ! という意気込みは良いのですが、イキナリ六法全書を端から端まで読み進めていくのではまるで意味がありません。たしかにいくつかは暗記できるでしょうが、その他のほとんどは『エビングハウスの忘却曲線』よろしく次々と頭の中から抜け落ちていってしまうでしょう。
その分野についての知識がまったくない! という方は、まず『入門書』をチョイスすることから初めてください。入門書には『その分野の基本的な考え方、概念』などが説明されています。その分野では知ってて当たり前だということも丁寧に解説していることが多いので、まずは入門書を読み進めて自分のレベルを知ることからはじめましょう。
じゃあどんな本にする? ということですが、ひとまず「はじめての〇〇」とか「入門 〇〇について」のような題名の著作をみつくろうことですね。例えば"心理学"について学びたいなら『心理学入門』とか『心理学とはなにか?』みたいな題名のものがあるはずです。専門性のある知識を求めるのならば、その業界に関する独自の言葉もたっぷり出てくると思うので、あわせて『心理学事典・辞書』みたいなものも併せて購入することをオススメします。初心者の方は、とりあえず入門書と辞書を購入し、それをよく理解する程度まで読み込んでいきましょう。
②読むべき本を購入する
本をチョイスするというのは、実は本を読むことよりもかなり重要です。というのは、その本を足がかりにしてさらなる深みへと知識を求めていくからです。ためしに購入してみた結果、自分が知りたい内容とはまるでかけ離れていてすごく後悔した、なんてことはありませんか? そうならないためにも、本を選ぶ前にまず『どんな知識を欲しているのか?』ということを予め決めておいてください。これは専門書だけでなく『小説』のジャンルにも当てはまることで、たとえば『コッテコテのファンタジーモノが読みたい!』というのに日常系の物語を選ぶなんてことはありませんよね? 剣と魔法、なんだったら今流行の主人公チートモノであればなお良し、といったふうに『自分の価値観』を知ることは重要です。
そういったマインドの設定を固めてから、次は『これかな? と思った本を手に取る』段階に入りましょう。まだ購入はしません。とりあえず表紙や裏表紙をおおまかに眺めてみて、著者の情報なども軽く眺めてみてください。タイトルは『出版社が引き込みたい要素』が書かれています。それにピンときたなら手にとってみるのも良いですが、タイトルは"引き"を意識しているので、かならずしも本の内容と一致しているとも限りません。帯はだいたい称賛の嵐! みたいな文しかないのでスルーしましょう。
次は著者の経歴です。アナタが法律関係の本を探しているのに、その本の著者が『〇〇スポーツ学校卒』みたいな経歴で、しかも法律に関する経歴がひとつもなかったら「ん?」となりませんか? 出版社側もそういう事情を察しているので、たとえば経済学などの本の場合は『〇〇大学経済学部卒』とか『株式会社〇〇など多数の企業の取締役を歴任』みたいなそれらしい経歴を載せているはずです。それらの情報を眺めていくと「なんかこういう感じの内容が書かれていそうだなぁ」なんて考えが浮かび上がります。これはなかなかに良い兆候です。その本に興味を持ち始めて、中身を読みたいという衝動にかられてきた証拠です。
では、ちょっと"もくじ"開いてみてください。その前にある前書き的な内容は『著者がこの本を書くにあたっての目的』なんかが載せてあります。流し読みして「へぇ、そうなんだ」と関心したらポイント高いですね。でもくじの欄を眺めて『自分が知りたい内容があるかどうか?』を確かめてみてください。例えば、脳科学の中でも『記憶』に関する内容を知りたい! というのにその記載がなにもないのでは、それはアナタにとって良書とは呼べませんよね? しかしもくじの一節に『ニューロンと記憶の関係』なんて欄があったらそれはもう"ビンゴ"じゃないですか?
それはもう『買い』です。スッと手にとりレジまで進みましょう。
③深く読むために
さて、入門書を購入して、アナタは読書をはじめました。はじめての専門書であるが故に、1ページを読みすすめるだけでも一苦労かなと思います。しかしこの段階では誤魔化さずにしっかりと読み込みましょう。読書には様々なテクニックがありますが、そのなかのひとつに『深読』というものがあります。その本の内容を骨の髄までしゃぶりつくすかのように丹念に読み込んでいくことをさします。重要なのはどこまで読書したか? ではなく『どこまで理解したか?』という事です。アナタが選んだその1冊は、これから次の1冊へと手を伸ばす『アナタの土台』となります。その1冊の内容を『相手に説明できるレベル』まで理解すれば、アナタはすでに初心者を卒業していることでしょう。
そうです。深読とは『相手に説明でき、教えることもでき、議論できる領域』まで読み込むことを指します。と、大げさに書きましたがそこまで難しいことではありません。たとえば子どもに『掛け算』を教えるとします。2かける3なら「2がみっつあるから、ぜんぶ合わせて6だよ」とか「これはつまり、2足す2足す2って意味だよ」と言えるようになればOKです。これを実践するならば、例えば『SNSに感想をアウトプットする前提で読書する』なんて良いですね。全世界に『読書感想文』を公開するのは、アナタがその本に対する理解度を全世界に表明することになりますし、これはほどよい緊張感をもたらしてくれて「覚えよう!」という意識にさせてくれます。本を理解するには『他人に教えるつもりで読む』ことを意識してください。
世の中たくさんの本があり、同じジャンルでも例えば『TOEICお受験対策問題集』なんてそりゃあもう棚がひとつ占拠されるレベルですよね? いくら勉強したい、記憶したいからといって片っ端から本を購入するというのは経済面でも痛いでしょうし、ひとつひとつの本の内容が薄れてしまい全体的な成果が下がってしまう恐れがあります。まずは1冊の本を読み込み『概念、ツボ』を意識するようにしましょう。1冊でも読むと、その業界の『考え方』というものがおおまかにわかってきます。それがいわゆる『〇〇脳』というヤツですね。ここまできたら、もうあとは次の本に手を出して同じように深読していくのみですよ。
ただし、以前の本の考え方に引きずられすぎて新しい考え方を拒否するというのは問題です。本は著者が"ある一定の目線から"書いたものなので、他の著者だった場合また別の視点からものを表現することもあります。あっちの目線、こっちの目線と比較して「へぇ、こういう書き方もあるんだなぁ」なんてくらいの気持ちで『素直に受け入れましょう』。読書はそういった懐の大きさまで養ってくれますよ。
④全部読む必要はない
これはわりと重要な話。本を購入し読書をすると、多くの方は『1ページから終わりまで』を順番にめくっていくことでしょう。基本的に、わたしも"まだ巡り会えていないかもしれない面白いトリビア"なんかを求めて全てのページをめくってしまうタイプなのですが、べつに『目的とした知識があるページだけを読めば、その他は読まなくとも良い』です。多くの専門書の場合、本の"つくり"としてまず『前提知識』が1章にあり、2章に『問題提起』、3章に『その解決策』で4章に『これからのその分野の未来』なんてパターンがあります。ぜんぶこういう流れじゃありませんよ? 複数の入門書を購入した場合、この例(繰り返しますが、すべてがこの構成というわけではありません)で言うところの『前提知識』はどの本も同じ内容だったりします。生物学の専門書であれば、たとえば『DNAの基本構造』とかそんな感じですね。いくつかの同じジャンルの本を購入すればいずれその瞬間はやってきますし、すでに知っている内容を何度も読むというのは必要ないのでそこは読み飛ばすことだってできます。
ほかにも、もくじの中で「この章はそこまで興味ないなぁ」とか、「この章だけ知りたいんだよなぁ」なんてことであれば、自分が読みたい章だけを読書すればよいのです。人間の頭に『興味ない・意義を感じられない』というのは正直全く記憶できない情報として処理されます。アナタがホントに知りたい! その章を読んで感動した! という内容でなければ、脳は『不要』として処理しますので、興味ないような章はスパッと読み飛ばしてしまいましょう。
読書はその分野を学び始める上での土台となります。動画を見るのも良いですが、できれば本を1冊手元において、そこに書かれている文字をしっかり理解して、感動して、その上で動画を併せて視聴することをオススメします。アナタの脳は思っている以上にたくさんのことを記憶します。記憶するべき知識を選別し、しっかりとした睡眠をとることによって、アナタの記憶効率は天と地がひっくり返るほどに向上するでしょう。
読書する習慣をつけるだけで人は変われる。すべてはアナタのより豊かな読書ライフのために……。
新しい本棚がほしいです。




