表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つれづれグサッ  作者: 犬物語
63/408

イメージ療法

心は身体にまで影響を与える。様々な病気を招く厄介な存在かもしれないが、逆に利用すると潜在能力を限界まで発揮できる相棒に様変わりします。

 連日、色を利用した様々なテクニックをご紹介している『芸術療法』シリーズ。本日はさらにそこから1歩踏み込み、日常生活でも活かせるイメージを利用したテクニックをご紹介したいと思います。


 例によって『山脇恵子』氏著作『色彩心理のすべてがわかる本』を参考に、わたしなりの解釈を交えてご紹介しております。この本の内容について気になることがあればぜひ書店にてお買い求めください。色のみならず、人間がどう光を感知しているのか、各色にどのような効果があるのかなども記されていますよ。




 さて、これまで紹介した芸術療法ですが、これから紹介する『イメージ療法』はその応用編と言えるかもしれない内容です。これまで色を用いてなにかを表現することに重きを置いてきましたが、イメージ療法はただ頭の中で"思い浮かべる"だけで身体に影響を及ぼすことができるというすごい力を秘めたテクニックです。


 言葉だけを見れば、なんかスピリチュアルで非科学的な印象を受けてしまいがち、しかしこれらはちゃんとした研究機関で取り扱っているものであり、実際の生活でもちゃんと生かされています。たとえばアスリートなどが行う『イメージトレーニング』なんかは代表的ですな。身近な例で言えば、梅干しをイメージするだけで口のなかに唾液が溜まっていくのがわかるかと思います。人間だけでなく犬だって、目の前にエサをちらつかせたらヨダレがダラダラでてくるものです(うちの犬がそうですから)。


 人間はただ"そうだと思い込む"だけで身体に多大な影響を及ぼします。ということは、逆に"都合が良い状況になると思う"ことで、身体の健康状態がよくなっていく可能性があるということ。スポーツマンの多くは日頃の練習によって己の技術を磨き、試合にてその力をいかんなく発揮し勝利を目指すことを目的としているでしょう。そういった日常のなかでも、例えば雨天などにより満足に練習できなかった、なんて嘆いてしまう日もあるかと思います。室内練習場も使えないし、運動するような環境にない。そんな方は『イメージトレーニング』を活用してみてはいかがでしょうか?


 実際の動作をリアルにイメージすることで、脳が実際に筋肉を動かしている時の状態になります。成功するイメージがリアルに描けられるほど、実際の成功率も高まっていくと言われ、脳単体での訓練効果と成功のイメージで自信をつけ、リアルなイメージで得られた適度な緊張感は実際の場面に臆する心を奮起してくれるのでしょう。


 心理学の研究が進んでいるアメリカなどでは、イメージトレーニングはすでに広く浸透しています。日本でもプロアスリートの多くが取り入れ、各種スポーツの世界でもこれから広まっていくことでしょう。芸術療法では色のみ対象として表現していましたが、イメージ療法は人間のもつ感覚器官をすべて動員することが特徴と言えるでしょうね。




 ひとつの例として『自律訓練法』を紹介しましょう。まずは『色を利用した呼吸法(前々回投稿した、色を使って深呼吸しよう! を参照ください)』の時と同じようにイスに座りましょう。深呼吸を何度か繰り返し、身体の力が抜けていくのを感じたのであれば、いよいよはじめていきましょう。


 まず目を閉じ、「気持ちがとても落ち着いている」と心のなかでつぶやいてください。何度か繰り返すと、実際に気持ちがスッと落ち着いてきます。気持ちを沈めて、この後に続くイメージを受け入れやすい精神状態にしましょう。焦りは禁物で、実際に心がおちつくまで何度も、そしてゆっくりじっくりとイメージしてください。


 次は「手足がだんだん重くなっていく」と心の中でくりかえしつぶやいてください。両手はだらんと下げて、足にも力を入れないようにしてください。難しいようでしたら、まず自分の利き手側から重さを感じるようにしましょう。焦らずゆっくり、時間をかけて行っていきましょう。


 次に「手足が暖かくなっていく」と心のなかで唱えていきます。重さを感じつつ、手足に熱を感じられるようになればOKです。感じる速さは人それぞれですから、何度も繰り返しますが焦らず、じっくり、リラックスした心のまま行っていきましょう。この感覚を得られない場合は、さきほどと同じように利き手、逆の手、利き足、逆の足と順にやっていきましょう。


 ここまで「気持ちが落ち着いている」・「手足が重くなっていく」・「手足が暖かくなっていく」と順番にやっていきました。ここまでくると、身体は副交感神経が優位になり非常にリラックスして脱力した状態になります。さらに「心臓が静かに打っている」と唱えましょう。さらに心を沈めて、実際に心臓の鼓動までゆっくりになったと感じたら、その次は「呼吸が楽になっている」と唱えます。実際に、副交感神経が優位になっている状況では心臓や呼吸はゆっくりになるので「えっ! 心臓の鼓動をゆっくりなんてムリじゃん!」なんてあせる必要はありません。焦りは逆に鼓動を高めてしまうので注意してください。


 心臓と呼吸がゆっくりになったら、次は「お腹が温かい」と唱えていきましょう。暖かくなった手足を感じつつ、熱がお腹にも生まれていくのを感じましょう。深呼吸をくりかえしていくと、覚醒していた意識がどこか夢の中をさまよっているような気分になります。そうなったら、アナタの心は良い感じにリラックスできている証拠だと思ってください。


 最後に「額が涼しい」と心でつぶやきます。瞑想などもそうですが、こういったリラックス状態は脳を落ち着かせる意図もあるので、額の涼しさを感じて脳が休んでいるんだという気持ちを味わってください。ここまで紹介した言葉を心の中で繰り返し唱え、あるいは『自己催眠状態』のようなものをつくっていきます。


 この状態に至ることができれば、アナタの身体はだいぶリラックスしています。その調子で深呼吸をくりかえし暖かくなった身体を感じてください。




 さて、心のリラックスタイムを終えたらその後に『覚醒』のターンが待っています。この状態で終わらせると、心理学的に重くなった手足がそのままの状態になってしまう恐れがあるので、自律訓練法には『消去動作』というのがあります。


 消去動作はまず両手を前に伸ばし、グーとパーの動作を繰り返してください。緩んでいた心と神経が手の先まで走っていくような感覚を覚えるかもしれません。さらにヒジの屈伸運動もやったあと、そのまま腕を上に上げてグンと伸びましょう、大きな背伸びをした後、ため息をするかのような深さで息を吐き出して目を明けてください。これで消去動作の終了です。


 ただリラックス効果を得たいだけならば『手足の暖かさを感じる』段階まででも良いでしょう。ただ消去動作はカットせずすべて行ってください。心理学的な効果としては、自律訓練法はストレスの軽減や疲労回復、仕事能率の向上に抑うつや不安の軽減などがあります。リラックスした状態になる目的があるので、静かな場所を選び、ゆったりとした服装を選ぶのがベストでしょう。気が散らないよう電話などのアイテムは側に置かないようにしてくださいね。




 イメージを利用した療法は、とにかく『気張らない』、『目的の動作に集中する』といったことが大切になります。人間、無心になることは達人でも無い限りムリなので、心に溢れてくる自動思考に左右されること無く、自分がやるべき動作を"ただやる"程度の意識をもって取り組みましょう。


 良質なパフォーマンスを発揮するにはまず『イメージ療法』から。アナタもぜひ一度、これらのテクニックを試してみてはいかがですか?

いくらイメージしても空は飛べないけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ