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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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塗り絵を楽しもう!

絵はその人の心を表すと言います。本日はそんな心理をうまく治療に転換した『芸術療法』のひとつをご紹介。

 本日は『山脇恵子』氏著作『色彩心理のすべてがわかる本』を参考に、個人的な考えも交えて書いていこうと思います。色には人の心を変える力がある。そんな魅力的な色の世界を、患者(クライエントの治療にあてはめていくいくつかの技術をご紹介。




 そもそも、人間には"なにかを表現したい"という欲求が存在します。歌を歌ったり絵を描いたり、写真を撮ってみたり、あるいはそれらをSNS上にアップしてみたり……それはは心理的に不自然な行為ではありません。ある意味で『自分』という存在をアピールすることでもありますし、また自分の存在を再確認する行為であるともとれます。それを治療に組み込んだ『芸術療法』は、単純にこれらの"発散"という意味合いで利用されるのと同時に、発散され生み出された絵画などの作品において、患者が心の奥底に潜ませている『何か』を探っていく作業でもあります。患者がクリエイトした作品を一緒に味わい、それらが意味するものに対して一緒に考えていく。患者に寄り添って治療するという意味でも芸術療法は良い効果を生み出すと言って良いでしょう。


 まあ、たかだか絵を描いただけで何が分かるのか? と思うのもわかります。そこでと言ってはなんですが、みなさんも一度絵を描いてみてはいかがでしょうか? 完成した絵を眺めてしばらく物思いに浸ってみましょう。たとえばある患者は、自分が描いた絵の色使いに引っかかるものを覚えたそうです。そしてある色を見た時「この汚い色――子供時代の継母の色――ドロドロとして拭いきれないイメージ」と、幼少時代の思い出に対するトラウマが自分の心にあったことを自覚して涙を流したようです。このように直接的な印象でなくとも、なんとなくこういう気持ちになるとか、とても高揚して走り出したくなる、といったイメージを色や絵の構成に覚えることがあるかもしれません。


 「俺、引っ越したかったんだ!」 ――今やってるあのCMも、無意識に眺めていたソレに対し、自分がなんでそんなことをしていたかを考え、自覚し、己の心に潜んでいた答えに気づく、という心理療法に通じるテクニックです。まあ、無意識に引っ越したいという想いをもつ人間がどれほどいるかわかりませんが、とりあえずCMだし業者の利益追求と重なった結果なんで良しとしましょう。


 試しに絵を描いてみると、それだけで心に変化が訪れる場合もあります。普段筆なんて手にとることのない人も、その新しい刺激や経験をすることによって脳内の新たな領域にスイッチを入れることができるかもしれません。ということで、本日は絵を描こうと決断したアナタに心理療法的な絵の書き方を記していこうと思います。




 絵を描くという行為は脳内の広い分野を利用します。どのような色を塗る? どう塗り込む? などといった思考は『前頭葉』を刺激し、絵は手を動かして描く活動なので『運動野』にも良い刺激が送られます。キャンパスを認識し、そこに塗り込んだ色をイメージしながら描く行為は『頭頂葉』や『後頭葉』をたっぷり使うことになりますので、ざっくり言えばこの時点で『側頭葉』以外のすべてを働かせていることになりますね。これらをうまく活用できる絵画の手法は『塗り絵』です。黒の線画で描かれた絵に色を塗り生命力を与えていく行為は、自分だけの絵を生み出すという興奮も相まってとても楽しい作業になりますよ!


 絵画チャレンジは初めてだ、という方はむずかしいことを考えずに適当な塗り絵の本を買いましょう。ちょっとレベルを高くしたいという方は『大人の塗り絵』のようなコーナーがありますが、はじめから細かい描き込みが必要なモデルは避けましょう。これは技術習得が目的ではなく、アナタの心にあるナニカを探す旅のようなもの。曼荼羅模様のような幾何学的なそれはなれてこないと塗り込むのは難しいので、まずはイメージしやすい人物像や動物、風景画などのモデルを使用して、リラックスして、なんだったらすこし適当でも良いので思うがままに塗ってみましょう。


 いくつか塗り絵をこなして、なんか物足りないなと感じた段階になったら、次に幾何学的な模様などに色を塗り込んでいきます。これらは犬やネコなどの元のイメージがないので、すべてがアナタの頭の中で描いた発想のもと、色が選択されることになります。つまり、幾何学模様をどのような色で塗り込んだかはアナタの心が強く映し出される可能性があるのです。ここでも緊張せずにリラックス。見た瞬間に感じた色をそのまま選択するようにしてください。


 さて、思い思いの色を塗り込んでいくことにも慣れてきたでしょうか? そこまで進んだアナタはだいぶ芸術家の才能に目覚めてきたのでは? ここまで進んだらもはや塗り絵用の"枠"なんて必要ありません。まっさらな画用紙に、自分が思い思いの絵を描いていきましょう。




 塗で絵でなく、始めから白紙をスタートとして絵を描いていきたい場合には、ひとまず色ペンを眺めてピンときた1色からはじめていきましょう。塗り方? そんなのありません。アナタが思うがまま、心の望むがままに描いていくのが芸術療法です。ぐるぐるぅ~っと円を描くもよし、スパァンと直線を引くもよし、グリッと曲線を連ねるのもよし。難しいことは考えずに、ただ心と身体の思うがままに絵を描いていくのです。


 ひとしきり絵を描くという行為を楽しみ、完成した絵を眺めてなにか感じるものを探っていきます。慣れてきたら2色に増やして、3色ほどまで増やしていきましょう。もちろん、まだ色を追加したい場合はそれでも構いません。問題なのは、どの色を用いればアナタの心が表現できると思ったか? ということです。これは考えるのではなく感じる。リラックスした心でピンときた色を選択することが大切ですね。


 色を塗り続けていくとヤメ時を見失うかもしれませんが、それで良いのです。終了するべき時は、アナタの気持ちが落ち着いた時です。塗っている最中に「まあ、これでいっか」みたいな気持ちになれば、それこそがヤメ時です。深いことは考えずに、描くことがなくなったと感じたときはすっぱりやめてしまいましょう。




 それらの作品を眺めてみて、なにか感じるものはありませんか? アナタが不意に選択したその色にはどのような心があったのでしょう? なんとなく描いたそのラインはなぜその軌道を描いたのでしょう? 白紙をすべて埋めてみた? それともある場所だけ集中していた? ――判断材料はその絵のすべてに隠されています。


 今回参考にした著書には、ほかにもたくさんの知識やテクニックが記されています。気になった方はぜひとも書店にて手にとってみてはいかがでしょう? そのついでに適当な塗り絵の本も併せてね? ――アナタが、自分でも気づかない新しい可能性に気づくことを願っています。

なんだ、書いててどっかの新興宗教の勧誘者になった気持ちになったわ。ひたすら「受け入れるのです。おお神よ」みたいな文章ばかり書いてた気がする……! そうか! わたしは神になりたかったのか! ――ってのも一種の芸術療法なんかな?

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