犬 レトリーバーいちらんひょう
犬物語の名前で活動してるんだから犬について書かなきゃならんよなあ?
わたしはいくつかのWeb小説投稿サイトで活動しておりまして、それぞれ『つれづれグサッ』の題名でエッセイを書いているんですね。内容はかぶらないよう工夫してますが、とりあえず『犬物語』って名前で活動してるからこれについては書いておかないとなということで、本日は『レトリーバー』を題材にしていきます。そうです、わたしが飼っているわんこの種類です。
レトリーバーというのは英語でいう『回収・取得(Retrieve)』という意味からつけられたもので、主に人間が狩猟で得た獲物をくわえて持ってくる『回収犬』のような役割をになっていました。人間の心を察することが要求される活動を長年やってきたためか、人の意思を察する場面が多く、物覚えや社会行動などを覚えやすい傾向があるようです。とはいえこの『レトリーバー』。どんな種に関しても子どものころはやんちゃ(意味深)です。わたしも幾度やられたことか、階段などは噛み跡だらけ、咥えられるものはなんでもパクリ。おいしいものは飼い主が見てるかどうか関係なくまっしぐら。興味あるものは飼い主(略)まっしぐら!! しかも叱られてもめげないというタフなやつらばっかです。なのでみなさんここで意識を変えておいてください。レトリーバーは優秀ですけど子犬のころはすっごく暴れん坊です。マジで、経験談だからな!!
では、具体的なレトリーバーの紹介に参りましょう。ところでみなさん。世の中に『○○・レトリーバー』って何種類いるとおもいますか? 答えはまだ明かさないでおきますのでちょっと考えてみてください。ではさっそく、みなさんがご存知かと思われる2種類のレトリーバーからご紹介しましょう。
ラブラドール・レトリーバー(Labrador Retriever)
その優秀さから盲導犬や警察犬など様々な分野で活躍するわんこです。説はたくさんありますが、現状では16世紀頃に北欧やイギリスの漁船に同乗しカナダへ渡った犬が祖先だという説が支持されているようです。水辺の回収犬として活躍したらしいので、『ニューファンドランド』や『セント・ジョーンズ・ウォーター・ドッグ』が関係しているのかもしれません。
イギリス原産の大型犬で、色は白に黒に茶色系、いずれも単色です。体高(人間でいう身長)は50~60センチメートルほどで、体重は30キロ前後。大型犬としては小型の分類でしょう。ダブルコートという2層構造の毛並みですので毛はよく抜けますが、まっすぐな固くツヤツヤした毛並みは美しく光を反射する。
上記のように子犬の頃は手のつけられない暴れん坊ですが、早ければ2歳ごろから、急に賢者のような落ち着きを表し始めます。ウチは5歳なんだけどまだなんだよなぁ……。まあ閑話休題として、こうなると名実ともにみなさんご存知の『ラブラドール・レトリーバー』のイメージぴったりのわんこに早変わりし、飼い主の言うことをちゃんと聞いて、飼い主以外のほかの『動物すべて』にフレンドリーです。温和な性格で気遣いもできる優秀さですが大型犬は大型犬です。本人(犬)にとっては軽く小突いた程度でも、チワワにとってはクリティカルヒットしてしまうので注意しましょう。
毎日遊んであげられる体力と膨大な散歩時間が必要です。水が大好きという情報もあるのですがウチの子はあまりそうでもないから自信をもって言えないのが辛いところ。しかし水が大好きな場合はいっぱい水遊びさせてあげてね。
季節変わらず毛が抜けるのでブラッシングはこまめにやりましょう。シャンプーは月1くらいで良し。たれ耳なので群れてしまわないよう定期的にお掃除しましょう。エサは与えられて分だけ食べてしまうので肥満に注意。あいつの胃は宇宙だ。
初心者におすすめできると多くの本やサイトに書いてあるけど、経験者からすると『幼少期の暴君っぷりを制御できるのなら』おすすめとだけ書いておきます。まあ、やんちゃな子どもがひとり増えたとでも思ってくださいな。
ゴールデン・レトリーバー(Golden Retriever)
この子も優秀で、盲導犬でもなんでもこなしてくれる仕事人です。実はラブラドール・レトリーバーとはまったくの無関係な血脈でありまして、説が定かではありませんが、こちらにも『ニューファンドランド』が一枚噛んでいるという話があるようです。ニューファンおまえナニモンや? ――この子はイギリスはスコットランド出身の大型犬でございます。主に鳥猟犬として活躍し水陸両用の優秀なわんことして長らく活躍していました。
ラブラドールと似通った体型ですが、こちらの見た目はウェーブがかりふわっとしたやわらかい印象です。そのためお手入れはラブラドールより大変で、抜け毛やシャンプーの頻度もかなり多くなります。水遊びが大好きで、ボールやロープをつかった遊びも狂喜乱舞してくれますので遊び相手にはことかかないでしょう。アナタの体力がもてばの話ですが……。
さて、おそらくはこの2種を知っている方がほとんどだと思います。次はちょっとマイナー。知ってたらわりと犬に詳しいぜって言えるかもしれない2種類をご紹介します。
フラット・コーテッド・レトリバー(Flat-coated Retriever)
イギリスの大型犬をミックスして、さらに『プードル』の毛並みを考慮されミックスされたイングランド原産の大型犬。生まれは19世紀になり、ゴールデン、ラブラドール両種とは外見的に中間的な特徴をもつ。毛並みは水を弾き水中でよく活躍できるようになっており、色は黒や茶色系統で光沢がある。体高は高ければ60センチ台になるが体重は30キロ前後とスタイリッシュな体格。
レトリーバーのなかではより飼い主の意志や『空気』を察するらしく、穏やかで頭がよく協調性に富む。元々のフレンドリーさもあいまって、もしかするとゴルやラブよか飼いやすい犬種かもしれない。警戒心もあるので番犬としても最適。猟犬としての能力も高いので、たとえばドッグスポーツなどをやらせても良いでしょう。もちろん、信頼と実績のレトリーバー種ですから物覚えもよくしつけしやすいです。
フラットな毛並みはお手入れが必要です。換毛期はゴミ袋とか言ってられないほどにごっそり抜けるので覚悟するように。レトリーバーは垂れ耳なのでそのお手入れも必須。そして人の考えを察する能力があるように、この犬種はとても繊細で神経質でもあります。ひとりぼっちにされるのを嫌い常に家族といっしょにいたがるわんこなのでおもいっきり甘やかせてあげてください。例によって子犬の時期は暴れん坊なのでしっかりと躾けることが必要。それもこれも賢者になる大人への道だ。
カーリー・コーテッド・レトリーバー(Curly-Coated Retriever)
フラットがいればカーリーもいるでしょ、みたいな? はい、います。例によってイギリス原産の大型犬で、フラットコーデットの毛並みがよりプードルレベルにカールしたような外見ですが、こちらはより大きく、体高は70センチ近くに及び体重も35キロほどになります。被毛がより水をはじくようになり、まさに水中で活躍するために生み出されたかのごとくお水に飛び込みます。カールした毛並みは水中での体温低下を防ぎより活動時間を増やしてくれるのです。フラットと同じような時期、目的で作られました。
おおまかなお世話はほかの『レトリーバー』と同様ですが、こちらはより運動に飢えているようで、走ることも泳ぐことも意欲的に取り組みます。広い敷地や散歩時間の確保、ドッグスポーツに挑戦などイロイロと工夫してみましょう。しつけはレトなんで難しくないです。
毛並みの手入れが大変そうだなぁと思うのですが、実はカーリー・コーテッド・レトリーバーはシングルコートなのでほかのレトと比べればわりと気楽なものです。換毛期のごっそり抜け毛に注意しつつ、普段は様子を見ながらブラッシングしてあげましょう。カーリーのヘアスタイルを維持したいのであればシャンプー選びに注意すること。カールが伸びてフラットじゃねーか! みたいな風になることもあるようです。
こちらにはもうひとつ『マレーリバーCCR』とう親戚がオーストラリアにいらっしゃるようですがこちらはあまりよくわからないですスミマセン。
で、例によってこの2種類も『ニューファンドランド』が絡んでいると、もうマジニューファンだいすき!
さて、すこしダッシュ気味になってしまったような気がしますが、ここまで4種のレトリーバーを紹介してきました。では次に紹介するのはメチャクチャ希少種のおふたりです。日本で出会えたらまず奇跡なわんこをご紹介しましょう。
チェサピーク・ベイ・レトリーバー(Chesapeake-Bay Retriever)
アメリカ原産の大型犬で、19世紀初頭、チェサピーク湾近海で難破した船から助け出された2匹の犬をルーツとしています。こちらは、主に鳥猟犬をするレトリーバーと違い銃猟犬として活躍したようです。銃猟犬は獲物を見つけたら飼い主に伝えたり、時には戦ったりする犬のことですね。サイズは通常のレトリーバーと大差ありません。毛並みは主に茶色系統で、ところにより白い斑点があります。短くカールした毛が例によって水を弾いてくれます。
上記の運用のされ方から、チェサピークは最も好戦的なレトリーバーです。がっちりとしたたくましい筋肉と骨格を内部に宿し、猟犬としての力に最も優れています。明るく陽気な性格は勇気も備え、家族や小さい子どもを守ろうとする姿勢ももちます。
こちらは例によってレトリーバーの父『ニューファンドランド』と、さらに『フラット・コーテッド・レトリバー』の血も混じっているようです。数多くの血を受け継いだチェサピークは非常に体力ある大型犬に成長し、言うまでもなく多量の運動を必要とします。なんかもうレトリーバー自体が運動に飢えているって感じですね。
飼育する上でいちばん注意が必要なのは、この犬種は年を追うごとに『飼い主を見る』ということです。舐められたら言うことを聞いてくれなくなりますので、アナタがリーダーとしてふさわしい振る舞いを見せておきましょう。その他の手入れはおおまかにレトリーバーに通じる方法で良いようです。とにかく『より猟犬っぽくなった』と肝に銘じてください。
ノヴァスコシア・ダック・トーリング・レトリーバー(Nova-Scotia Duck-Toling Retriever)
カナダ原産の『中型犬』です。見た目はゴールデンの『モフみ』をほんの少し抑えたそれがそのまま小さくなったような感じで、体高はおよそ40~50センチほど、体重も17~30キロと中型犬の貫禄。生まれは19世紀初頭。カナダのノヴァスコシア半島にて誕生しました。
このレトリーバーは他と違いトリッキーな猟をしてみせる。名前の通り『おとり猟』をするのだ。水辺にいる鳥の近くで遊びまわり、それを見たカモたちは「なんだこいつ?」と好奇心を発揮させてスイスイ~っとわんこに近づいてしまう。そこで遠くから待ち構えていた人間が猟銃でバキューン! 倒れたカモをそのまま咥えてノヴァスコシアが飼い主のもとへ返ってくるという寸法。なんという頭脳プレイ。
体格がすこし牧羊犬っぽいが顔はしっかりレトの顔です。性格も典型的なレトリーバー気質でよく動き、好奇心たっぷりではしゃぎまわる。色は茶色系統が多いが赤みがかっていたり白っぽかったりとバリエーションがあるようだ。上記のお仕事をしていたせいか、今でも人をおどろかすような突飛な行動をするらしい。とはいえ安心と信頼のレトリーバーなので、わざと無視したりなんだったりしなければグレることはないだろう。大きなレトリーバーを飼うのはちょっと……という方にはぜひともおすすめ。でなくても小さいレトリーバーとか最高じゃん?
といった感じでしたがいかがでしょうか? 今回紹介しましたのは6種類のレトリーバーでした。まあ細かい親戚や認可されていない種を混ぜればさらに増えるでしょうが、ひとまずここまで覚えていれば少なくとも『レト通』を名乗れるかもしれません。
犬は人間の大切なパートナーです。もし、アナタが新しい家族としてわんこを迎え入れたい意志があるのであればぜひともここであげたレトリーバーを選択肢に入れていただき、最期まで飼い続ける覚悟でかわいがってあげてくださいね。
わんわん!