地球と生命の歴史
地球の誕生の歴史と生物の誕生についておおまかに解説。母なる地球と言うけれど、このお母さんはだいぶスパルタ教育を子どもである生命に施していたのですよ。マグマオーシャン、スノーボール、熱して冷やして生物たちをどう料理していったのでしょうか?
地球の話、そして月の話を書いていく上で、ちょくちょく地球の歴史について触れていました。ということで、今回は地球誕生と、地球上の生命の歴史を書いてみようかなと思います。25メートルプールに沈めた、バラバラに分解された時計が、いったいどのような奇跡を経て誕生したのでしょうか?
今から約46億年前、そこら中にあったガスやチリがまとまっていき原初の太陽が誕生しました。地球もちょうど同じ頃に誕生したとされています。周辺のガスを集めた太陽はその重力で周辺のガスを集め、岩石などはそのまま残りそれぞれが微惑星として誕生します。そのなかのひとつが地球であり、地球は衝突を繰り返し『原始地球』を形作りました。途中火星ほどの大きさの惑星に衝突され(ジャイアント・インパクト)たりなんだったりしますが、とりあえず地球の雛形はここで完成したわけです。ついでに月も。
さて、地球は誕生当時、数多くの衝突を繰り返していたためにとても高温の状態でした。地表はすべて真っ赤なマグマである『マグマオーシャン』と呼ばれる状態だったのです。表面は溶けたマグマの層、内部に岩石の層。そして中心部には金属の層がある状態が長く続き、やがて少しづつ冷えていくなかで表面がたまごの殻のような『地殻』を形成し、マグマは内部の『マントル』として残りました。
さらに水を含んだ隕石が運良く地球に落ちてくれたために、地球には『原初の海』ができあがります。ただし、この42、3億年に生まれた海は重金属や各種生命に毒になるような元素にあふれていたために生命なんて存在できるはずもありません。ただし、さらなる隕石の衝突が前回でも取り上げた『プレート・テクトニクス』を開始させ、海底に沈んだ金属元素などがプレートの移動によってマントルへと沈み込んでいく要因となりました。まあ、おかげで日本は地震大国になりましたけどね。
さて、生命が誕生する土壌はこのあたりから整えられ始めます。地球は冷え固められて『核』が現れました。外核では鉄とニッケルが流動して電流を生じさせ、地球に強力な磁場を生み出します。これが太陽から降り注ぐたくさんのエネルギー(太陽風)を軽減し、まず生物が地表に進出するチャンスが与えられました。同時に原始の海は様々な要因から多種多様の元素を内包するようになり、害ある想い金属は沈み込んで毒性を徐々に失わせていきました。
このまま生命が誕生するのでは? と思ったのも束の間、地球には『後期重爆撃期』というイヤな隕石の衝突が始まります。40億年まえのこと、地球誕生以来の頻繁な隕石の衝突によって地球表面の海は干上がり、練習後のグラウンドを整備するかのように地球をまっさらな環境へと導いてしまったのです。
と、まあ落ち込むのはここまでとして、そのくらいじゃ生命誕生のチャンスを奪うことはできません。いくら海が消えたと言えども水は水です。冷えて雨になればまた海がもどり、そこに新たな土壌が誕生しました。現在の調査によると、最古の生命の痕跡は38億年前にあったようです。つまり隕石の衝突から2億年後ですね。では、原初の生命はどこで誕生したのでしょうか?
生命の誕生は、様々な元素がつめこまれた『原始スープ』だとされています。近年の研究によると、海底にある『海底熱水噴出孔』という、地熱によって温かい水が吹き出してくる穴の周辺で、メタンなどをエネルギーとした生物が科学的な合成を行っていたのでしょう。ここならほどよい温度を確保できますし、周辺にはたくさんの元素が飛び散っていますから材料には事欠きません。ほかにも、温かい環境の鍾乳洞などに水が寄せてはあげて、多くの元素が付着した岩が乾いては湿ってを繰り返し、ふとしたきっかけで特殊な化学反応がはじまり『核酸』が誕生したなど生命の起源に関する説は多種多様です。共通点は熱水噴出孔と、たくさんの都合のよい元素がある環境、といったところでしょうか?
さて、そんな地球ですが幾度となく生命が絶滅する危機に陥ってきました。それがこれまでの歴史で3度あったとされる『スノーボール・アース』です。冗談じゃなく、地球の全てが凍りついてしまったという現象です。時代もおおよそ特定され、今から『22、3億年ほど前・7億年ほど前・6億5千万年ほど前』です。このような状態では地球が温まらないまま溶けないのではないか? と思われますし、そもそもそんな環境において生命なんているのか? という疑問はありますが、なんと頼もしいというか、当時の生命はちゃんと命をつなぎとめていたのです。表面は凍結したとしてもまだ海底部分は無事でした。そして火山活動を利用してその熱で暖を取りつつ、生命たちは必死に極寒どころじゃない長い冬が過ぎるのを待っていたのですね。
スノーボール・アース(全球凍結)脱出の要因となったのは、近年世間を騒がせていたあの『温室効果ガス』によるものです。地球の火山活動により、地球表面にはたくさんの『二酸化炭素』が排出されます。赤外線を吸収するそれは温室効果をもたらし、地球表面をあたためて少しづつスノーボールを溶かしていったとされます。
この長い冬は生命にある進化をもたらしたとされます。1回目の全球凍結によって生物は核を保護することを覚え(真核生物)、3回目の全球凍結後には多細胞生物が登場して生物も大型化するなどたくさんの進化を生み出しました。進化したけりゃ死ぬ覚悟でってことですかねぇ……。その後、恐竜時代の隕石衝突など、生命は多くの困難によって絶滅の危機にあいながらも少しづつ命をつなぎ、現在の形になったとされています。とくに、約5億4千万年前の『カンブリア紀の大爆発』は目をみはるほど生物の多様性に恵まれた時代でした。たった1千万年ほど(地球規模の時間では一瞬にすら思える)の時間で、現状ある動物の『門』――軟体動物や節足動物などのおおまかな分岐――が完成したというのですから。
地球上でこれまで営まれてきた様々な生命の鼓動によって、現代の生物は自由を謳歌しているわけです。そんな旧時代の生命たちに敬意を表しつつ、みなさま良い年末をお過ごしください。
来年、アナタはどう"進化"したいですか?
次の全球凍結は何時頃だろうね?




