地面を掘ってみよう
本日は地球科学の話。地球はどのような構造をしているのか? おおまかに『地殻・マントル・核』の3つについて解説します。
地球というのはたいへん運が良い星と言えるでしょう。大気圧が適切で、水が液体で存在できるなどの条件を揃えた『ハビタブル・ゾーン』の範囲にあり、太陽から発せられる様々な電磁波を軽減する地場が生まれ、長い時を経て生命を育む土壌を作ってくれた母なる存在です。一説では、25メートルプールに時計の部品をぜんぶぶっこんで自然な流れで時計ができる確率だとかなんとか言われてますが、まあそんな例えが生まれてしまうほどには途方もなく小さな確率だということは理解できるでしょう。まあ、この場合のプールは常に激しく動き回っているのでぶつかり合う確率は多少上がるんじゃないかと思ってみたり。
とりあえず、地球という星はまさに『奇跡』の産物であることを思って、ありがたく毎日を生きていきましょう。本日はそんなありがたい奇跡の星、地球の内部に思いを馳せてみようかなと思います。
地球というのは岩石惑星です。46億年前の生まれた瞬間は周囲の岩石とぶつかりあいとても高温でドロドロした惑星でした。それは『マグマオーシャン』と呼ばれるもので、まさにマグマの海が広がる星だったわけです。しかし、時が過ぎると隕石の数も減っていき、地球の表面温度は冷やされていきます。マグマが冷えると岩石になりますよね? そうです、こうして地球の表面である『地殻』が誕生したのです。この地殻、どのくらいの深さがあると思いますか?
地殻の深さはその場所によってまちまちですが、通常は30キロメートルほど、そして大規模な山岳地帯などでは最深60キロメートルに及びます。どれほど厚いのかを人類の『深さ』の歴史で探求しますと、たとえばそこらの『地下鉄』なら20~40メートルほど地面に穴を掘っていますね。地下水道やインフラなどは地面のすぐ近くだったり、深くても数十メートルを超えるなんてことほとんどありません。海底トンネルにしても海から数百メートルほどしか掘削せず、人類が最も深く掘った穴でさえ12キロメートルと、地殻のはんぶんすら及ばない程度だったりします。まだまだ人類は地殻の厚い壁に阻まれている段階なのですね。
ここでひとつ地球の半径をご紹介しましょう。地球の半径はおよそ6400キロメートルです。つまり、人類がつくった穴は12キロメートルなので、まだ500分の1ほど。1%も掘ってない計算になります。それほどまでに深い地球内部、いったいどうなっているのでしょうか?
地殻は深くても60キロメートルと紹介しました。これも地球の半径からすればささいなものであり、地殻はいうなれば『卵の殻』のような存在です。そしてその下に存在するのは『マントル』です。こいつは5000キトメートル近くもあるとても分厚い層を成しています。
マントルは地球内部の8割を占めるほど大きな割合で存在しています。岩石の塊ではありますが、高温かつ高圧の状態においてはドロドロの微妙な物質として内部にあります。みなさんご存知マグマの材料になる存在ですね。とはいえマグマになるにはいくつかの条件があります。そのためにはマントルの流れが必要ですう。
そうです。マントルには『対流』があるのです。
ここでひとつお風呂のお湯を想像してください。熱い部分と冷たい部分、どっちが上でしょうか? そうです、熱いほうですよね? ですが、地球は内部の方、つまり下のほうが熱いのです。いっぱいギュッとしててエネルギーも強く、熱いモノが中心にありますが、熱は上に向かっていくので内部の熱をうけたマントルは徐々に地球表面目指し上昇していきます。しかし上昇したマントルは上部の冷えた空間に近づくほど冷やされていき、やがて冷たくなり地球内部へと下降していきます。それが繰り返されると、上昇するところと下降するところが地球の長い歴史で生まれて、それが対流の道筋となりました。
このマントルが急激に上昇した場合は、その熱が下がる前に液体の状態を保ったままでいることもあります。これがひとつの条件。もうひとつはマントルに水などを混ぜてドロドロな状態に変化させ上昇させることです。これは日本でよく使われる(?)手ですね。これを詳しく説明するには『プレート・テクトニクス』を解説する必要があります。
地殻はマントルに浮かんだ『船』と想像してください。マントルの活動により地殻は多くのヒビができ『プレート』と呼ばれるいくつかの破片に分断されました。プレートは厳密に言えば『地殻と最上部マントル』であり、地殻を厳密に定義しようとしても『モホ面』とか『地殻均衡面』とかいろいろな言葉が出てきて説明がメンッ――大変なので厳密に知りたい型は各自でググってください。
各種のプレートは互いに押し合ったり下部に入り込んでいったりしますが、基本的には海底にあるプレートが下に沈み込んでいき、大陸のプレートは上に乗っかったままでいると思ってください。
沈み込んでいくプレートは海水を多く含んでいます。それが下に沈み込んでいくとやがてマントルにたどり着いたり、めりこんでいく摩擦などによりマントルをマグマに変え、地球内部からマグマを上昇させていきます。それが『マグマ溜まり』という中継点にたくさんのマグマを溜め込ませる構造をつくりだし、ある時点でそれが地表に噴出します。それが長い年月繰り返されたのが『火山』です。マグマの噴火とは、いわば地球の『ニキビ』ですね。
で、このマグマに達する臨界点というか特異点というか、そういった瞬間がおおよそ日本の山脈を形作るちょうどよい場所にあるので、日本は火山大国になっています。東北の山脈はだいたいマグマのおかげでできた地形と言っても良いでしょう。
プレートはとても比率が高いので『上部マントル(地殻より2800Km)』と『下部マントル(下部よりさらに2000Km以上)』に分けられています。どちらの世界も高温による熱放射により、刀を作る時高熱になった鉄が光るのと同じように光っていることでしょう。内部構造はほとんどが『かんらん石』や『ガーネット』。あるいは『ダイヤモンド』などがたっぷり詰まっている『緑や青色の光を放つ』宝石マニアにとっては垂涎の世界となっております。行ったら死ぬけどね。
下部マントルは対流の終着駅と始発駅を兼ねた世界です。プレートがマントル内部に沈み込んでいくと、やが『スラブ』という塊となってこの下部マントルへと沈んでいき、最下層に着地するとそこで温められて『プルーム』という塊となって上昇を初めます。中心の核に温められた熱を地表に持ち出す天然の温度調節器ですね。
さて、核にも『外核』と『内核』にわかれています。外核は非常に強い圧力を受けた『液体』の金属です。主成分は鉄で、多少のニッケルと、おまけとして硫黄、酸素、炭素、水素などもついてきます。ここは中心の熱をマントルへ逃がすような役割を担っており、それと同時にこの液体が対流をつくることで『地球の地場』を創り出します。ちなみに、この鉄の液体はマントルの影響や核の影響やらで流動的に動いているだけなので、たまに地磁気が反転したり消えたりすることもあります。まあ、ありえないことを想像すると、例えばある特定のスポットだけにスラブが流れ続けたらそこだけ冷やされるわけで、そうすると外角の対流も変化して地磁気が急激に変貌することもありえなくもない、といった感じでしょうか……地磁気がなくなったら太陽風浴びまくりですねぇ。
冗談はこれくらいにして、こんどは内核の話。ここは月の3分の2ほどの大きさの個体です。高温ではありますが高圧によってムリヤリ個体の状態を強いられています。鉄がひとかたまりになった世界であり、実は徐々に大きくなっていったりしてます。地球誕生時は隕石衝突などの熱があり非常に熱く、圧力より熱の影響のほうが高かったために中心核も液体であったのですが、時代を経るごとに地球内部の温度が冷えていき、熱が下がることで相対的に圧力の影響が強くなって個体の核ができはじめたと考えられます。
ちなみに、という話ですが、内核が徐々に大きくなっているということは外核が徐々に小さくなっているということ。地磁気を生み出す外核が小さくなっていくということはすなわち……2000年後には地磁気がなくなるんじゃないか、なんて話もあるそうですよ?
最後になんか物騒な話がありましたが、ひとまず地球の内部はこういった構造となっております。地球は地表から内核まで密接に関わり合っています。プールの中で生まれた時計のような奇跡の星で日々平和に生きられることを、たまには地面に向かって感謝しておきましょうね。
つまり地球は代謝してるってことだよ(暴論)




