野球のルール 守備と打者のいろいろ
野球のルールシリーズ。試合開始までの流れを軽く解説して、守備と打撃に関するちょっと深堀りしたルールを書いてみようかなと思います。
連日ではありますが、続けて野球のルール的な話をしていきましょうか。他者からの質問などがあればどんどん答えていけるのでしょうが、私はまだどこのWeb小説投稿サイトでも無名ちゃんなので、ひとまず好き勝手にやっていこうとおもいます。
本日は野球の準備から試合開始、そのほか守備やバッターについて書ければ良いかと。
まずは試合の準備に関してですが、実は裏で『審判』たちが必死に取組んでいたりします。これはルール上にも明記されており、例えば競技場が野球をする規格をクリアしているか、両チームの登録に誤りはないか、監督から試合開始30分前にメンバー表などの各種確認を済ましておく、などなど数えるのに暇がないほどです。もちろん両チームの用具が適切かどうかも判断しますし、ボールは規定によりホームチーム側が用意しますが、それらが適切かどうかも試合前に全球行います。審判の各種シフト(状況により審判もいろいろ走り回るのです)の確認だったり責任審判を定めたりと、なにかと土俵裏での苦労が多い審判です。まあ、潤滑な試合進行は審判の責任なので仕方ないね。
様々な準備が終了し、選手たちが舞台袖で待ち構えいよいよ試合開始です。各選手が紹介動画とともに守備位置へ散っていき、ちょっとした始球式を終わらせたらさあバッターは打席に立ちましょう。ピッチャーが投球準備を済ませると、いよいよ審判の『プレイ』がかかります。選手が守備位置に付いてからの流れは、始球式以外はルール上明記されている手続きです。そこからピッチャーが投球し、バッターはそれを打つか打たないかを選択することでゲームは進行していくのです。
ちなみに、守備位置に関する規定はピッチャーとキャッチャーを別として『フェアゾーンならどこでもいいよ』という決まりがあります。なので、いわゆる『〇〇シフト』みたいなのが横行したとして、それはルール上問題ないので縛ることはできません。まあ仕掛けられたら逆にだれもいない守備位置を狙えばいいですし、グラウンドって広いからだれかが動いたらすっげーでかい"穴"ができるからね。
このルールに対するペナルティというわけではないですが、例えばプレイ中にファール地域にいた選手を見つけた場合、その選手を審判はフェアゾーンに戻るよう警告を与えます。競技自体は続行中ですので、このままピッチャーが投げてしまってもプレイは続けられます。内野ゴロでもヒットでもなんでも関係ありません。ただし、ファールゾーンで守備していたことが『そのプレーで有利に働いた場合』に限り、そのプレーは無効となります。たとえばファールゾーンを守備していた選手の地点にちょうどフライが飛んできた、なんてこともありえますからね。そうしたばあいはそのプレーが無効になります。バッターはホッと胸をなでおろすでしょうね。
野球ってばね、わりと『ピッチャーとキャッチャー(つまりバッテリー)とバッターの戦い』みたいなところがあって、守備は付属品というか、外野なんてほぼオマケみたいな扱いされてるし、まあいいけどね(現役時代外野手でした)。なのでバッテリーに対する守備の規定は細かくありまして、キャッチャーはホームプレートの"直後"に位置しなきゃいけないのです。まあ外角低めを狙う、とかであればすこし離れても良いのですが、たとえば『故意四球』を狙う場合は『キャッチャースボックス』の中に位置する必要があります。キャッチャー"ス"ボックスってルールブックいあったのでこの文字、発音で間違いないと思います。ええ、キャッチャー用のボックスなんてあるんでんすよ。そこに『両足』を入れて置かなければ"ボーク"が宣言されます。高校野球ではこれが原因でサヨナラになったという悲しい話がありますね。
守備に関することばかりというのもアレなので、ちょっと攻撃側のことも書いてみましょう。たとえばベースコーチ。野球中継を見ているとたまにあることですが、例えばランナー2塁にあって外野へのヒットが飛んだとき、サードのランナーコーチって平気でコーチボックスを飛び出していますよね? あれ、実はルール違反ではないのです。通常時のベースコーチはもちろん、あのコーチスボックス内部にいる必要がありますが、ランナーに指示を出すためならば、自分がもち受ける(ファーストないしサード)ベース付近であれば、守備側のプレイを妨げない限り許されています。まあ、ざっくり言うと『そのヘンだったら邪魔しないようにやっていいよ!』みたいな感じですね。ベースコーチはランナーに触れることはできません。これをやると『走者の援助行為』となってそのランナーにアウトが宣告されます。ただし例外的にランナーに対しての用具交換では近づいても良いとされます。例えばバッティングで利用したエルボーガードとかを外してコーチに渡す、とかですね。ちなみにベースコーチになる人は監督が指定し審判に進言する必要があります。ついでにいうと、どこぞの代打俺じゃないけど、『ベースコーチ、俺』みたいな采配をすることもできます。
ここでひとつトリビア。ホームランのときは、ランナーに4つの安全進塁権が与えられているので、走る途中でランナーコーチとハイタッチしても『援助行為』にはあたらないと判断されます。よって、ランナーコーチはホームランを放った打者に惜しみないハグをしてあげましょう。まあ、やりすぎ注意。
バッターに関しては、なんとも厳しいんだか緩いんだかわからない縛りがあります。まず打順に関してですが『間違っても守備側がスルーすれば問題なくプレーが続く』ことになります。例によって野球のメンドクサイところである『アピールの權利』というヤツです。ルール上、打順を間違えた時審判がすぐにやるペナルティが表記されておらず、守備側からアピールがあった場合のみどうこう処理しますという文面が連なる感じです。審判は気づいたとしても何も言わない(中立的立場のため)ので、守備側は相手の打順をめざとく見つけてアピールする必要があります。
アピールのタイミングは『違反があった後、次のプレイを始める前』ですね。じゃないと審判から『アピールはなかった』という解釈をされてしまいます。この場合、違反があったタイミングは『違う打者が打撃結果を残した時』です。サードゴロでもレフト前ヒットでもなんでも、結果を残したことを確認してから、守備側はしてやったりとニンマリした顔で「ちょっと審判さぁ~ん、アッチの打順まちがってますよぉ?」とアピールしてあげてください。審判も待ってましたと言わんばかりに『正しい打順の打者』に対してアウトを宣告し『打撃結果により起こった全ての変化を無効』にするでしょう。ちょっとややこしいルールですね。こんなんだったらはじめからアウトにしろよとゲフンゲフン。打撃結果による変化なので、例えばワイルドピッチで1点失った場合はそのまま1失点です。残念だったね。このルールに関してはルール裁定者もややこしさを自覚しているようで、ルールブック内にわざわざ例題を載せているほどです。興味があれば購入して確認してみてください。
さて、バッターは『どのような状況にあっても打撃を行う覚悟』を持たなければなりません。球審に対しタイムを要求することはできますが、自由にバッターボックスから離れることはできないので、一度打撃の姿勢を見せたあとバッターボックスを離れても、投球された球がストライクだった場合はふつうに審判から『ストライク』宣言されるでしょう。ただちょっとした例外があります。それは雨天時、球審が「雨で手が滑るやろなぁ……スプレーしたいやろなぁ」という理解をしていれば、打撃の途中でもボックスを抜け出してスプレーしたりロジンをふっかけたりすることができます。これは審判とツーカーの仲になる必要があるかもしれませんね。
バッターの苦しみはここからです。一度ピッチャーが投球体勢に動きだしたら、バッターはいかなる場合でもバッティングを行う義務をもちます。ルールブックにも、ちゃんと『目にごみが入った、眼鏡がくもった、サインが見えなかった』などの理由があってもダメと明記されています。なのでキャッチャーはピッチャーが投球体勢にはいったらバッターの目に対して砂をかけッ――なんでもないです。
これだとあまりにバッターがかわいそうということだからか、一応救済策として、ピッチャーがなかなか投げてこない場合は打席を離れても仕方ないというスタンスです。しかし例外とてバッターは打席から離れるという『違反』をしているので、それにつられてピッチャーがボークをしたとしても守備側の責任にはならないようです。あくまでも『両者の違反』として、審判は『タイムをかけ仕切り直しをさせる』という形をとっています。まあ、苦肉の策ってヤツですわね。
ちなみに、バッターがなかなか打撃姿勢をとらなかった場合のペナルティとして、球審は稀ですが『ストライク』を宣告することがあるのでご注意ください。
ちょっと深堀りすればこんなにもルールがあるという分かりやすい例でしょう。ほかのスポーツにだってこのような複雑なルールがあります。ルールを知って正しくプレーするというのはそれだけで大きなアドバンテージを得られるでしょう。見る人によってはわざと転んで痛がっているサッカーのあのプレーだってちゃんとした『審判へのアピール』なのです。野球だってやるよ? 当たってないのに自打球アピールで足をおさえるとか、態度は大きいのにナニは小さいとか……。
まあ、ルールを熟知して、ルールの範囲内で勝利を目指すのは競技人としての選択肢のひとつでしょう。それを卑怯ととるかアッパレととるかは人それぞれ。みなさんが思い思いのプレーを楽しんでください。ルールとは本来、その競技をやる人たちが全力で戦いつつも満足を得られるよう定められるものなのですから。
スポーツマンはちょいと畜生なくらいが活躍できる。




