野球のルール 勝利を目指す敗退行為
本日はすこしややこしいルールについてのご紹介。みんな! 野球は楽しくやって勝利を目指そう!
前回は用具に関するお話をしました。今回もそれにならって用具とか大まかなルールについて書いていこうと思ったのですが、それだとなんかアレかなとおもったので、今回は、個人的に野球についてちょっとややこしいかなと思うルールなどを書いていこうと思います。
まずは根本的な部分から入りましょうか。いちおう、野球の主たる目的、という項目がはじめにありまして、そこには野球をする上での基本的ルールが記されています。
例えば9人対9人の競技であったり、攻撃側は各ベースを1塁、2塁、3塁の順番にたどってホームを目指し、守備側はこれを防ぐことを目的とし、これを9回行った最終的にホームに到達した数が多いチームが勝利する。という感じですね。この項目の中には『勝利を目指す』という記述がハッキリとありますので世の野球チームはちゃんと勝利を目指しましょう。楽しめればいいやなんて甘ったれたことを考えてはいけません。だってルールブックにそう書いてあるんですもの。
まあ冗談は別として、この『勝利を目指す』というのは大きいことです。つまりは敗退行為を禁ずる(まあ普通は考えもしないでしょうけど)ということですからね。たとえば『わざと2塁から1塁へ走る』といった行為はアウトになります。ただし『敗北を意図しない』のであればアウトにはならず、例えば盗塁を仕掛けて、タッチアウトかと思いファースト側のベンチに帰ろうとしたが、実はセーフだった。しかし守備がボールを所持しセカンドベース付近にいたので、ファーストに戻らざるを得なかった、という場合は有効になります。これまで度々そういうことがありましたので、ぜひ動画で検索してみてください。
そのルールの盲点をついた試合というのもいくつか存在します。例えば雨天時、ゲームが開始されたとして、その後雨が激しくなりコールドゲームになったとしても、ルール上5回の攻防が終了すれば正式な記録として有効になります。なので、5回表の時点で大量リードをしていたのなら、表側のチームは『あえて』3アウトになることを急ぐのも手段です。逆に裏側のチームは是が非でもゲームを長引かせたいので『コールド待ち』にくる戦術があるかも知れません。観客としては面白くないかもしれませんが、まあ珍しいものが見れたという記念にはなると思われます。というか私はわりとこのゲームを観戦してみたいですね。
加えて説明しますと、野球には『裏の攻撃が必要ない』場合があります。例えば1対2で裏のチームがリードしている時、わざわざ9回裏の攻撃をする必要はありませんよね? なので、この場合はスコアボードに×印が付きます。表のチームとしても、もう負けが確定しているゲームを続けようなんて意気込みは生まれませんわ。この規定はコールドゲームにもあり、5回表が終了し、裏の攻撃中にコールドが宣言されても、その時点で裏のチームがリードしていた場合はゲームが有効となり、裏のチームが勝利となります。
自らアウトになるのは『敗退行為』とも言えますが、しかし5回の裏になることで『勝利を得られる』可能性があるのならば良い手段ですよね? まああからさまにアウトになりにいくのはアレですが、たとえばボール球をムリに引っ掛けて凡田になることは充分にあり得ることです。これも歴史上けっこうあることなので動画検索してみましょう。特に西武対楽天の試合が有名なようですね。
ルールブックの盲点という言葉で、古い野球マンガ『ドカベン』を思い出す方はよほどの野球ファンか古参の方とお見受けします。これは『ルールブックの盲点』で検索すると出るのですが、そのなかでも代表的な例をもとに、状況を少し説明するとこうなります。
1アウトランナー1、3塁。エンドランのサインがでてランナーが走るも打者はライナーを放ちショートに捕球されアウト。エンドランであり走者は戻ることができず、3塁ランナーはそのままホームイン。しかし1塁ランナーがセカンドベース付近におり、そのままショートからのタッチを受けてアウト。これで3アウトチェンジとなりました。
しかし得点板には「1」の文字が。これはそれ以前に得点していたとかそういう話じゃありません。ちゃんと、さっきのエンドランでホームインしたランナーが得点として認められたのです。
実はこれ、タネを明かすとカンタンなのです。ランナーはノーバウンドで捕球された場合、かならず自分のいた塁に戻らなくてはならないのですが、この規則を破った場合にアウトのペナルティーはなく、守備側の人が「あのランナーが塁に戻らなかった」という『アピール』をすることで初めて『アウト』になるんです。ようは単なる『アピールプレイ』ですね。先に守備側がするべきだった答えを書くと、3つめのアウトをとった後、さらにサードに送球し、3塁に触れて審判に対し『アピール』した後「3つめのアウトをこちらに置き換えます」といった旨を伝えればアピールアウトが成功し、相手の得点にはならなくなります。
よく分からない人は、このようなプレーを考えてください。1アウトランナー3塁で大きな外野フライが飛びました。はい、タッチアップのお手本のような状況です。3塁ランナーはノーバウンドで捕球されたら自分がいた塁に戻る(リタッチ)義務がありますから、ならあらかじめその場所にいて、捕球された後にスタートすればいいじゃないか、というプレーです。この時、守備側はナニに気をつけてますか?
フライがちゃんと捕れるか心配?
大きな打球だなぁと関心する?
そんなことよりはやく帰ってゲームしたい?
そんなわけないですよね? 少なくとも、サードの守備位置についている方は、サードランナーが早くベースを離れないか監視しているはずです。3塁の審判だって同じです。しかし、3塁ランナーが早くベースから離れたとして、その時点で審判は「アウト」を宣言するでしょうか? いいえ、しません。ノーバウンドで捕球されて、ランナーはリタッチの義務を怠ったのです。しかしこれは守備側が「あいつルール破ったよ!」とアピールして初めてアウトにできる『アピールプレイ』ですので、審判は見て見ぬ振りをします。審判は『公平性』を尊重する生き物ですので、彼らは片方に対し
「あ、リタッチの義務を果たしてないから言ってちょうだい」
「あ! 速めにベース離れちゃったよ! はやく踏み直して!」
なんて助言を与えることはゼッタイにしません。プレイヤーが自ら相手のルール上の過失を問いただす必要があるのです。メンドウとはいえ、これはプレイヤーに与えられた審判に対して意見できる少ない機会です。
さて、この例をお見せしたらばなんとなくわかってくるかなと思います。はじめにお話したランナー1、3塁のエンドランは、単純にリタッチの義務を果たしていない、というだけなので、これはアピールプレイとして処理するべき問題なのです。しなかった場合どうなるかはもうみなさんわかりますよね?
ほかにも面白いゲームはけっこうあるんですよ。歴史上野球のプレイ時間に縛りがあったことはちょくちょくあるのですが、たとえばプレイ時間が3時間30分を超えた時点で延長線には入らない、というルールを利用して時間稼ぎをしつつ、同点のまま試合終了に持ち込んだとか、まあこれも西武対楽天なんですけどね。
世の中の野球少年少女よ、野球の練習に一生懸命なのは良いけど、ルールのこともちょっとは勉強したほうがええで?
ぶっちゃけ盲点ってわけでもないんやけどね。




