【犬】共に過ごす時間・共に歩む時間【アニマルセラピー】
人間と犬の切っても切れぬ絆、おみせしましょう。
人間と犬は別の生き物です。
ヒト。霊長目ヒト科ヒト属。
イヌ。食肉目イヌ科イヌ属。
種族も生物的特徴もこれだけ異なる生物が共同生活をしている。それは野生に見られる共生とは異なり、同じ屋根の下で互いが互いの心情を察し合い、四苦八苦しながらもコミュニケーションをとり、家畜とはまた違ったポジションを確立しています。
おそらく、多くの人間は、犬が人間と暮らす環境のなかで自然に学び、適切な行動ができるようになっていくと考えているでしょう。実際、その考えは的のど真ん中付近を射抜いています。
なぜ犬は、これほど人間の暮らしに適応できるのか? そしてなぜ人間はこれほど犬の扱いがうまく、訓練方法が確立しているのか? なかなか興味深いですね。
一方で、人間は日々技術的進化を遂げ目まぐるしい変化の中生きています。ちょっと時代を遡れば、遠くの相手と通信する手段といえばもっぱら『紙に書いた文章を仲介者に渡し、それと意中の相手に送ってもらう』ことでしたが、今では特定の電波をやりとりすることでタイムロス無しに相手にメッセージを送ることができますね。
知りたい情報だって、今からほんの数年前まで苦労していたというのに、今ではちょっと動画投稿サイトで調べてみればすぐ『〇〇のやり方!』的な動画がヒットしますし、知りたい知識も専門家がサイトを開設して情報提供していたり、なだったら世界各所の論文をまとめたサイトだってあったりします。
激しい変化は人間の暮らしも大きく変化させています。それはすなわち、人間といっしょに暮らす犬にも大きな影響を与えるということ。そういった変化に対応させるためには、人間が犬に必要なことを学ばせる必要があります。それらを総称して『しつけ』なんて呼びますね。
人間は犬に日々の食事、安心安全な環境、運動不足解消手段などを提供していますが、では犬は人間にどのようなモノを提供しているのでしょうか? ――ただ家でうずくまってる毛むくじゃらなのか? それとも犬が人間に大きな影響を与えているのだろうか? 本日はそんな話をしていきましょう。
人間に愛されるために作出された犬種は『コンパニオン・ドッグ』と呼ばれています。小型犬はだいたいこれに該当しますね。個人的に浮かぶのは『パピヨン』や『シー・ズー』、あと『プードル』などでしょうか。こういった犬種は驚くほど人間になつき、驚くほど多種多様な影響を人間に与えています。
そのひとつが『心身の健康』への影響です。アニマルセラピーっていう言葉を知ってる方からすれば"こころ方面"への効果は納得できそうなものですが、それだけじゃなく身体的な健康にも一役かっているのでございます。
動物にこころを癒してもらおうって発想は古代ギリシャからあったりします。戦闘負傷によって障害が残った方と馬とを触れ合わせ、乗馬させてみる的な手法がとられていました。
セラピー犬というくくりが生まれたのは20世紀半ば。それ以前にもフロイトさんが患者のそばに犬を侍らせ鎮静作用を狙うとか色々あったらしいですが、本格的に着目され活用されだしたのは1960年代ごろからです。
よく言われるのは幸せホルモンとされる『オキシトシン』ドバドバ現象ですね。犬と触れ合うことで双方にオキシトシンの増加があるってのは多くの検証で明らかになっているところ。だからこそセラピー犬はあっちこっちで大活躍中なのです――ちなみに、そんなわんちゃんたちの心をケアする『ドッグセラピスト』っていう人間もいたりします。
セラピー犬はそこにいるだけで老人ホームのじっちゃんばっちゃんを饒舌にさせたり、孤独や憂鬱感を和らげたり、患者同士の交流をスムーズにすることができます。また、事情があって動くことのできない子どもや障害者が抱える苦悩を和らげる一助にもなってくれます。
とりあえず、さんざんっぱら言われてるセラピー犬の心理的効果についてまとめてみましょうか。
・パートナーである人間を活動的にする
→ 定期的に身体的運動に参加する傾向がある
・人間の心を落ち着ける
→ ストレス反応低減、心拍などのバイタル安定
・人間の免疫系を改善する
→ 免疫グロブリン濃度が安定する
・人間が病気にかかりにくくなる
→ 心血管疾患の予防効果、心筋梗塞後の生存率上昇
・子どもの成長を促す
→ よき理解者となり、パートナーとなる
・人間の社会参加を促す
→ 対人関係の触媒として機能し、前向きな気持ちを促す
犬と触れ合うことで『コルチゾール』も血中濃度が増加します。コルチゾルくんは別名ストレスホルモンとか言われなにかと忌避されガチですが、生物はムダというか害悪にしかならない物質をわざわざ生み出さないんですよ。コルチゾールくんだってちゃんと代謝や免疫の制御などなどお役立ちなんだからね? ――ちなみに、コルチゾールは心理的『共感』で増加します。犬と触れ合いコルちんが増えるってのはつまりそういうことなのよ。
このヘンのエビデンスはあって余りまくるものなのでテキトーにググりゃすぐそれらしい記事が見つかります。あ、ちゃんと動物病院とかそういうサイトの情報を見ときましょうね。論文はグーグルスカラー先生に聞けばいくらでも見つかるので、どうぞ。
こころの影響は生体反応ですから、先に紹介したように身体の健康にも繋がっていきます。ストレス低減ってことはそこからくる心身症、つまり『ストレスから来る身体疾患』を低減してくれますし、オキシトシンで頭がお花畑になると前向きな気持ちになる機会も増えますし、身体がながいことそういう状態であれば循環器への負担も長期的に軽いですからね。なにより、犬を飼うってことは『さんぽ』という一大イベントがあるってことなのです。
まあ、コンパニオン・ドッグと呼ばれるタイプは室内犬なので長時間のさんぽを必要とはしませんが、それでも1日30分くらいは用意してあげたいですね。これを1日の間に数回分けてやって、お家のなかでもエンジョイタイムを設けりゃわんちゃんだって毎日しっぽ振って喜びますわ。
小型犬で『ジャック・ラッセル・テリア』などはバリバリ体育会系です。ってか『〇〇テリア』は総じて運動量が多いのでどうぞお楽しみください。ちなみに『チワワ』もテリアの血が色濃くあります。
わたしがいっしょに暮らしてるまっくろくろすけ『ラブラドール・レトリーバー』の運動量はそりゃあもうアレよ。わたしも毎日ヒィヒィ言いながら引っ張られてるんだけど、これはつまり人間にとっても大きなメリットになるのはアナタもおわかりですよね?
毎日の運動は身体の健康維持にとっても大事。犬に引かれて1時間歩き通せば否が応でもイイ感じの身体になっていきます。毎日みどりに包まれ歩いてりゃ目の保養にもなるってもんよ。え、なに? ビルに囲まれた環境で暮らしてるヤツらはどうすりゃいいんだって? ――都会の景色だって悪くないですよおくさま。
そういう習慣になると、飼い主さんも自然とアクティブな性格になっていくんですね。だからこそ身体を動かすようなイベントにも活発的に参加する確率が上がり、犬のために何かしようという気持ちにもなり、心身ともに好循環になりやすくなる。もちろん、犬といっしょに暮らす方全員がそうだとは言いませんが、それでも犬といっしょに暮らすメリットは指折り数えてまだ足りぬほどです。
アナタのご家庭にも4本足の毛むくじゃら、いかがですか? ――もし興味あるのでしたら近くの保護施設に赴きわんわんの様子を見に行ってみましょう。
わたしたちは犬に多くの部分を助けられています。事実、コロナ禍にてペット飼育増加率が上昇したのもうなずけるでしょう。が、コロナ禍が過ぎた(と受け止められた)後、残念ながらペットを手放す方が増えているというのも事実です。そんな子たちが今大ピンチを迎えてるという話、耳にしたことはありませんか?
犬の保護施設は全国各地にあります。人間側の知識不足によるしつけ困難、飼育者のアレルギー、ライフスタイルの変化など事情は様々ですが、できることならこういった子たちが増えない世の中になってほしいものです。
保護犬は定期的に譲渡会を開いているので、アナタが興味あるのでしたらぜひ地元の保護施設情報を調べてみてください。アナタにとってかけがえのない縁が生まれるかもしれません。
犬は人間にかけがえのない多くのモノを与えてくれます。だからこそ、わたしたちも犬にとって良い暮らしを提供してあげたいですね。アナタと、アナタのとなりに寄り添う"家族"に幸多からんことを。
気がつけば
こたつで寝てる
毛むくじゃら
どかそうとして
唸られ嘆く




