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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【心理学】人間は基本ナルシスト【ネーム・レター効果】

自己中心的であり、自分と関わる存在を贔屓するってのが人間の本質よ。

 心理学。このワードだけを見ると『人のこころを科学する学問』と思いますね。わたし自身「心理学ってなんだ?」と問われたらそう答えるでしょう。


 ただ実際、心理学の研究は多岐にわたりすぎて「これだ!」と端的に答えられる言葉がありません。それでも、あえて、強いて心理学のすべてをひっくるめて答えろと言われたら『人に関するすべて(・・・・・・・・)を科学する学問』と答えざるを得ません。


 こころは人の行動を司る。だからこそ、人の活動すべてに関わってしまうのです。


 アナタが想像する以上にアナタに関わっています。もし、アナタがこの文章を自分の部屋で読んでるならちょっと部屋全体を見渡してみてください。自分が好きで買ったもの、フィーリングで手にとったもの、あるいは「なんでこんなの買っちまったんだ?」と自分を疑ってしまうようなものまであるでしょう。


 それらはすべて心理学で説明できます。今回は人が無意識にチョイスしてしまう好みについて書いていきましょう。




 わたしたちは自分にとって馴染み深い存在に敏感です。たとえば『自分の名前』なんかはわかりやすいですね。たとえ喧騒のなかにあっても、アナタは自分の名前を呼ばれたらすぐに気づくはずです。これを『カクテルパーティー効果』と呼びます。


 カクテルパーティー効果は名前だけでなく自分自身が強く関心をもつ事象、たとえばプロ野球選手の話題や好きな芸能人の名前、近頃興味をもったニュースなどが喧騒のなかに紛れていたら、アナタの耳はするどく聞き分けて「あ、隣のテーブルの人〇〇の話してる!」と気づくでしょう。


 もし、アナタ自身このカクテルパーティー効果を強く感じたいなら『自分が興味関心をもつことをさらに強く意識する』的なことを実践してみてください。わたしは本屋で出会い(・・・)を求めてるとき、本棚をすらぁ~っと見渡しつつ心のなかで(犬かわいい犬かわいい犬かわいい犬かわいい犬かわいい――)と呪詛のように唱え続けています。いや呪詛じゃないけど。そうすっと脳がなんかセンサーを鋭くして犬という単語やそれに関するワードを敏感に察知してくれるようになります。


 まあ、その結果見つけたのが『警察は国家の犬だ』的なソッチ系の本だったんですけどね。


 このように、人間は自分と関わるモノには敏感です。なかでも自分の名前はそりゃあもうビクンビクンしちゃいまして、ことさら自分の名前だけに焦点を当てた専門用語に『ネーム・レター効果』というのがあるんですね。どんな心理なのでしょうか?




 もしかしたら「自分の名前がキライだ」という方もいるかもしれませんが、基本人間は自分の名前が最も馴染みあるということで(無意識下で)好意的です。上記でちょろっと名前を出した『ネーム・レター効果』だけを考慮すれば、アナタの名前が『たろう』くんだった場合『たかのり』くんや『たかし』くんと友達になりやすい、と言えます。


 ちょっとおもしろいタイトルの論文があります。アメリカ、ミシガン大工科大学の『ヘザー・ニュートソン(Heather Knewtson)』氏は、2009年に[ Why Susie owns Starbucks: The name letter effect in security selection. ]というタイトルで論文を発表しました。それっぽく訳すと『なぜスージーはスターバックスに投資するのか? ~銘柄選択におけるネーム・レター効果~』的な感じ。


 スージーってだれ? なぜスタバ? とまあツッコミどころ満載なんですがちょっとこの論文の内容を紹介しましょう。


 言うて研究内容はごくシンプルです。単純に『投資家の名前と投資家が投資してる会社名を比較してみたら頭文字に相互関係があったよ』という内容。海外では『M』ではじまる名前が多いです。日本でも某配管工や某夢の国のマスコットキャラが有名ですね。


 対してあまり一般的でない頭文字として『X』ってのがあります。つい最近どこぞの某つぶやきSNSが名前を変更しましたね。


 この論文では大学の寄付基金を管理する学生も調査したようです。そうすっと、やっぱり自分の頭文字と同じ証券を選択する可能性が高まった、とありました。なかなか興味深い論文です。


 これは海外の論文ですから日本であてはめることはできません。日本で同様の研究がされてるわけでもないので「日本じゃなんとも言えない」ってのが現状ですが、これを上記の論文をもとに考察というか妄想するなら「ソニーとかスズキって、実は佐藤さんや斉藤さん的な株主が多く投資してたりしね?」みたいな感じになります。某音速アクションゲームが大好きなわたしとしては『セガ』にもひとつ投資していただきたいのですが……あと『ソニックチーム』もぜひよろしくおねがいします(なにが


 閑話休題。まあ、なにはともあれ『自分にとって馴染み深いもの』に愛着を示すってのは心理学でなくても納得できる話よね。これについて他にもいくつかあるので紹介しましょう。




 株だとわたしたちの暮らしに馴染みがないので『商品価格』についても書いていきます。例によって英語圏の論文なので戸惑うかもしれませんがお付き合いください。


 アメリカ、クラーク大学の『キース・コールター(Keith Coulter)』はネーム・レター効果を応用し「

誕生日の日にちと値段も関係あるんじゃね?」と仮説を打ち立てました。つまり『商品の値段が自身の誕生日と関連あるなら、その商品を好み買っちゃうのでは?』と考えたわけです。


 たとえば『エドワード』さんや『エリック』さんは頭文字が『E』つまり『88(Eighty eight)』的なお値段に魅力を感じ『トッド』さんや『トム』さんは『T』つまり『(Twenty two)』的なお値段に魅力を感じるはず。ってことで彼はこういう論文を書き上げました。


 Name-Letters and Birthday-Numbers: Implicit Egotism Effects in Pricing

 → ネーム・レターと誕生日の数字 ~価格設定における暗黙のエゴイズムの影響~


 とはいえ名前とその人が購入したデータをえっちらおっちら集めるってのはタイヘンです。ってことで彼はこんな実験をしました。


・架空の自転車広告を2通り用意する

  → 価格はそれぞれ『622・688』ドル

・名前が『E』と『T』ではじまる人を集める

・全員に広告を見せ「この自転車について評価してほしい」と説明する

・評価結果を分析する


 ふつうにというか、だいたい同じ自転車ならより安い622ドルのほうに好印象を抱くはずですよね? が、なんと頭文字が『E』の人は688ドルの自転車に好印象を抱き、ぜひ購入したいという気持ちも見せていました。


 これ参照してる本に細かいデータがあるんですが、アナタがイメージするより好印象を抱いてます。名前と誕生日ってここまで無意識領域に乗り込んでくるのかと……もし気になるのでしたら書店にて『内藤誼人著:~世界最先端の研究が教える新事実~ 心理学 BEST 100』って本を探してみてください。おもしろい研究がけっこー紹介されてますわよ。




 心理学は一言で表せないフクザツさをもっています。ここで紹介した論文は科学的な手続きを経て発表されたものですが、だからといって人類全体がこうだとか、アナタ自身もそうだとは言えません。


 人は可能性に満ち溢れているのです。


 この論文に示された事実がアナタに当てはまるかもしれないし当てはまらないかもしれない。重要なのは『アナタ自身の手で確かめること』です。アナタのまわりにあるモノの名前と自分の頭文字を見返してみたり、自分がこれまで買った商品の値段と自分の誕生日を比較してみたり……世の中多くの論文が発表されており、そのどれがアナタとマッチするかは確かめてみるまでわかりません。


 科学的に実証された勉強法などは積極的に試してみましょう。試して「これイケるやん!」と思ったものはどんどん活用しましょう。逆に「うーん、なんか違うなぁ」と思ったものを切り捨てる勇気も必要です。


 アナタはアナタの人生がある。これまでの心理学研究で実証されたアレコレを活かし、ぜひアナタ自身の生活を豊かにしていってください。


 アナタの人生に幸あれ。

基礎を習ったら次は応用だよね。

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