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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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心理学が挑戦するナゾ

科学者は様々なナゾを解明するべく日々奮闘しております。今回は、心理学に関するちょっとしたナゾを個人的見解を交えながら書いてみようと思います。

 心理学は100年ほどの歴史をもちます。それまでは哲学の一部として存在し、一部の人々が曖昧な知識から独自の考えを発案し、それが周囲の常識へとなっていくような流れでした。それから心理的な要素が物理的な要素と結び付けられることが判明し、人間の心の仕組みに対するアプローチがはじまり、時を経て科学として確立していき脳や神経との関連性を交えた研究も多数生まれてきました。現在ではただ一言で心理学と言い表すことはできず、その『深さ』は巨大な樹木の根のように数多に張り巡らされています。


 しかし、100年の時をしても未だに残されたナゾは多くあります。今回は、そんな心の世界に残された『課題』を取り上げてみましょう。




 人間が超常的な力をもつ、ということは古くから信仰されてきました。それは『超能力』という言葉で言い表され、心理学の世界ではこれもまた研究対象であります。そのジャンルの一つとして『超心理学』というのもありますが、いかんせん超能力を扱った学問(?)ですので、なかなか科学に対応したデータがとれず、ここまで進められてきた超能力研究のほとんどは科学的根拠のないデータとなっております。


 いわゆる『ESP』――超感覚的知覚は日本でもわりと有名だと思います。いわゆる『第六感』みたいなものだという理解で宜しいでしょう。時空間を超えて情報にアクセスできるような能力のことを指します。例えば『今、まさにこの時間にペテルギウスが超新星爆発を起こした』とわかったのならそれはESPです。本来地球に爆発した当時の光情報が飛び込み、それらを科学者が逆算して爆発した時間を割り出すのに、その人は『爆発した瞬間に知覚した』ということになりますからね。ほかにも『まだ起きていない現象を知覚する』ということもESPにあたります。未来にどのような事が起こるのか『予想』はできても『知覚』はできないですよね? このように、実際にはありえないとされる感覚を表すのがESPという超能力です。ちなみに、現在大人気のスマブラの登場人物のひとりである『ネス』が利用する力は『PSI』と呼ばれていますが、これはESPと『念力』を併せ持った力、という理解でおおむね良いでしょう。まあ炎を手から出せるかどうかは別ですが……。


 心理学は物理的に示された事実に基づいて研究します。なんといっても『科学』ですからね。適当に考えを巡らせて私はこう考えた、とか私はこう考えているのでこうだ、なんて主張は認められるはずもありません。以前にも紹介しましたが、ちゃんと仮説をたてて、シンプルな条件のみを指定し他の要素を排除した実験を繰り返し、それらのデータをまとめあげ統計化し法則性を見出したあと、それを論文としてまとめ他者の追試に成功してはじめて認められる世界です。以前紹介した『超心理学』にも述べましたが、これらを肯定する証拠の多くが、なんの科学的根拠もない状況から導き出されたものです。ゆえに超心理学は科学であるかどうかという問題が常につきまといますが、はたしてこれらのナゾが科学的に解明される日は訪れるのでしょうか?


 個人的な考えをここに書くとすれば、例えば人間の心は『脳のあれこれ』であり、脳はわりと自分の都合に合わせて物事を知覚しますので、それらの要素が関係しているのかもしれません。例えば『錯覚』などがそうです。テレビの映像はすべて平面の世界であり、そこに奥行きはありません。しかし人間の目には、ちゃんとその奥に空間があることを『認識』しています。アニメは絵を何枚もパラパラめくって動いているように見せかける作品です。そして、人間にはちゃんと『動いている』ように見えます。ほかにも、そういった現象を『信じたい!』という心理が働く場面もあります。例えば「カミナリよ落ちろ!」 と心のなかで念じた瞬間にカミナリが落ちた! とか、スポーツなどで、あいつエラーするぞ! と感じた瞬間にエラーをした! なんて経験が皆さんにもあるかと存じます。そうです、こういう経験ってだれにでもあるんです。まあ私も完全否定をするわけではありませんし、それらを主張することを止めるわけではありませんが、とりあえず人は信じたいことに対しての情報にだけ目を向けるバイアスがあり、否定されるとよりその意見に対する信念をもちたがるリアクタンス的心理が生まれることくらいは念頭に置いておいたほうが良いかと思います。そういった現象を信じたいがために、例えば「みんなそういう能力を持っているんだ。だからみんな同じ経験をして当たり前」という方向に生きがちなので、それも注意してください。じゃあとりあえず、いっちょこの瞬間にカミナリを落としてみましょうか。




 別に超能力だけが心理学のナゾというわけではありません。そもそも心とは『脳のあれこれ』であり、その脳こそがナゾに包まれている機関であるためにやはり心理学のナゾは多いのです。


 人間はなぜ『夢』を見るのでしょう? これは心理学誕生時からのナゾであり、フロイトなんかはそれを『夢判断』として利用しようとしました。彼は夢を人間の心の無意識に通じた窓であると考え、夢こそが無意識に抑圧された感情などを発露させると主張したのです。科学的に見ると、睡眠状態とは、生物の覚醒レベルがとても低い状態を表します。しかし、実はこの時こそ脳がフルアイドリングしている状態でして、通常時よりはるかに高いパフォーマンスで働いている時間こそが睡眠中だったりするのです。このときに、起きていた時の記憶や情報を整理するのですが、夢は眠りが浅い段階で見ることができ、しかし身体は眠っている状態なので夢によって身体が暴れるということはありません。脳科学的には、このくらい夢という現象については解明されています。ですが『なぜ?』という部分に対してはまだ研究途上のようです。


 個人的な考えをここに書くと、おそらく生物により違うのではないかと考えています。私は犬を飼っています(黒ラブ! かわいい!)が、こいつ寝てるときものすごく『夢見てる感』があります。おそらく犬を飼っていらっしゃるご家庭はめちゃくちゃ同意してもらえると思いますが、しかし犬は眠っている時けっこう動きます。ものすごく動きます。とくに後ろ足がピョンピョンします。これを見ている時にふと考えたのですが、もしかしたら、脳が情報を整理しているということに関係があるのかもしれません。犬はものすごく足を使います。脳の中で専有する範囲もおそらく大したものでしょう。とくに後ろ足は犬などの動物が前方に蹴り出すのに必須であり、運動におけるもっとも基本的な機関になります。『それと同じように』人間もよく目を使います。情報取得のおよそ8割を締めるとも言われる人間の目は言うまでもなく重要な機関であり、ものすごく酷使します。当然、1日の終わりには疲れ果てた目を閉じてぐっすり眠ることでしょう。そこで得た情報を取捨選択するに際し、脳は視覚取得を司る範囲に頻繁にアクセスするはずです。犬も同じように、足の運動に関する脳の分野へ頻繁にアクセスすることでしょう。その過程で、酷使した神経細胞の修復やメンテナンスをすることも考えられます。1日のおさらいやら情報の整理やらとなると、あるいは『グリア細胞』が一枚噛んでるかもしれませんね。グリア細胞はだいたい『神経細胞のメンテナンス担当』というイメージでよろしいかと思います。


 その生物が酷使する分野ほど、睡眠中のアクセスが増えていき頻繁にそこに電気が走るわけです。そうしたら、その分野に走った電気がたまに視覚として認知されたり、足の動きを促進する命令を送ったとして不思議じゃないかなと思います――たまたま、視覚情報をたっぷり頼りにする『人間』という生き物に現れたのが『夢』という産物なのでしょう。そして犬は『足の動き』や『鳴き声』という形で現れた。うん、なんかキレイな仮説がたてられた感じで個人的に満足です。にちなみに気絶は単なる意識障害なので別物ですよ。




 そもそもがナゾだらけのこの世界。全てのナゾを人類が解き明かす時代がいつか訪れるのでしょうか? それとも、一つのナゾが解明された時、新たなナゾがその数倍は現れるのでしょうか? ――そもそもESPは『ナゾ』にあたるものなのでしょうか? 我々がとんでもない勘違いをしているだけなのではないでしょうか?


 これだから知識的探求はおもしろい。みなさんも、様々なナゾに挑戦してみてください。

そもそも『心』自体がナゾにつつまれ過ぎてますねぇ……これ無理ゲーじゃね?

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