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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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【化学】トリチウムってなに?【処理? or 汚染?】

さいしょからフツーに『三重水素』って知っとけばワケわかめな物質感がなくなってた可能性。

 昨今なにかと話題になってるキーワードがありますね。処理水とか汚染水とか言われてますが、この差はいったいなんなんだぜ? って話です。


 汚染水に関する科学的定義があるわけじゃないですが、とりあえず『こやつがなんで汚染水と呼ばれるようになったのか?』を知っとかないとアカンよね。


 って冒頭から書いてるように、今回はわたし個人が気になった『汚染水・処理水』に関するあれこれを紹介していきます。わたし個人の感想なんてどーでもいーって方はとりあえず信頼できるサイトをチェックしてみるといいよ。


東京電力、原子炉に関する情報トップページ

ttps://www.tepco.co.jp/decommission/towards_decommissioning/Things_you_should_know_more_about_decommissioning/index-j.html

東京電力、処理水ポータルサイト

ttps://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/

経済産業省、トップページ

ttps://www.meti.go.jp/

復興庁、トップページ

ttps://www.reconstruction.go.jp/

資源エネルギー庁、トップページ

ttps://www.enecho.meti.go.jp/

福島県、トップページ

ttps://www.pref.fukushima.lg.jp/




 まず「汚染水ってなんだよ?」という話からしとこうか。言うて厳格な定義があるワケじゃなく、とりあえず『福島第一原発事故によって生まれた水』とイメージしとけばおk。原子炉を冷やすために注入してる水、破損したことで雨水が入っちゃったりしても汚染水になります。


 水に『セシウム』とか『ストロンチウム』などの放射性物質が溶け込むことで汚染水となります。こやつらをどうにかしないといけないので、とりあえず放射性物質がたっぷり溶け込んだ水を溜めておいて、放射性物質を取り除くしくみを使ってきちんと処理(・・)せなアカンでしょ? ――ってことでやられてるのが『ALPS』と呼ばれる処理です。


 Advanced Liquid Processing System.


 直訳すると『高度な液体処理システム』 ――これだけだと何やってんのかサッパリだね。んじゃあ書いてきましょう。


 いちおう日本語では『多種除去設備』とされています。いっぱいある核種、つまりセシウムさんやトリチウムさんを除去する設備だよってイメージ。どうやって除去してるのかってと、活性炭やそのほか吸着剤などを使って放射性物質を吸着、薬液などで沈殿させたりします。


 民間学術組織で、イギリスじゃ非営利団体として公認されてる『国際放射線防護委員会(ICRP)』っていう組織があるんだけど、ここで「放射線から人間を守るためにこのくらいの線量にしとこーね」っていう基準値が設けられてるんです。日本はこれを参考に基準線量を決めてるのですが……わたしの調査力不足によりそれら一覧が情報提供されてるページを発見できず。たぶん上記サイトとか関連機関のどこかにあるはずなんだけどなぁ……。とりあえずそれっぽいのをシェア。


環境省

ttps://www.env.go.jp/chemi/rhm/r3kisoshiryo/r3kiso-06-03-07.html


 ALPS処理ってのは上記基準を満たすまで対象物質を吸着させたり沈殿させたりしてって、トリチウムを除く62種類+炭素14を国の基準値以下までしましょうってことでがんばっております。


 経済産業省によると、ALPS処理水とは『トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水』ということになっています。ちなみに、わたし自身の調査力不足で『すべての核種が基準値以下になったことを示すデータ』は見つかりませんでした。そういやニュースでもALPS処理水じゃなくて『処理水』としか言ってないなぁ……なんでだろうね。


経済産業省、ALPS処理水の定義

ttps://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210413001/20210413001.html




 なんでトリチウム処理できへんの? ――後で詳しく書くけど、こいつって結局『水素』なんです。自然界にもたくさんいる物質だからALPS処理装置でも希釈することは難しいんだって。じゃあ打つ手なしじゃん! ってなるのはまだ速いです。ってことでこういった策を用意しました。


 大量の海水をタンクにぶっこんでトリチウムを薄める――つまり力技です。1リットルでトリちん50%の水でもそこに1リットル継ぎ足せば25%のトリちん水になるでしょ? ってこと。


 ……なんかイロイロな意見がありそうですが、つまりこういうことです。大量の海水で希釈して薄めて、それを海洋放出する。これが現在やってることです。トリチウムの絶対量は変わらんけど、それをめっちゃ薄めてながーい時間かけて放出すればへーきへーき理論です。これに関しては賛否両論巻き起こりそうってか実際起きてるのですが――実は放出に反対する国もけっこーあるんですよね。


 テレビでは毎日のように中国が反対してるニュースが流れてますが、たとえば香港も10都県から水産物輸入を禁止する言いましたし、実際9月に入ってどんどん制限されていってます。ほかにもマカオ、台湾など反対してる国もあれば、太平洋に隣接してる国の多くは「なんでおれらと協議しねーまま放出しやがったんだよ」と遺憾の意を表明しております。


 放出されてる水が『汚染水』なのか『処理水』なのか? って話よ。世界的に見ると、たとえばトリチウムの放出量だけ見るとフランスの『取替スタン原発』では年間35兆Bq。ラ・アーグ再処理施設だと年間11,400兆Bqなんてデータがありました。日本は年間22兆Bqを下回ると、事故前の管理目標では記しているようです。


 年間11,400兆は見間違いかと思って何度も確認しちゃったよ。これらはググればいくらでも出てくるので、とりあえず『トリチウム年間量』とかで調べてみるといいですよ。


 ここまでザックリ処理水やら汚染水やらに関連することを書いてきました。じゃあ次は個人的に気になった『トリチウムってなんだ?』について書いていきます。




 トリチウムは『三重水素』です。水素は『陽子1つ』で構成された原子量約1の元素ですね。これは中学高校で教わったと思います。実際の暮らしでは電子ひとつとくっついてたり、水素同士がくっついて分子になってたりします。


 わたしたちを構成する物質を細かく見てみると、そこには『陽子・電子・中性子』なるものがありますね。元素ってのは陽子の数で名前が決まるけど、中性子の数がいくら足されても名前は変わらんのです……が、水素だけはわりと多種多様な名前が用意されています。


 中性子をもたない水素が『水素』です。たまに『軽水素』なんて呼ばれることもあります。中性子をひとつ持つと『重水素』もしくは『デューテリウム』と呼ぶようです。さらに、中性子が2つくっついてると『三重水素』。別名で『トリチウム』と呼ばれるようになるのです。


 これがなんで問題視されてるのか? ――それは、トリチウムが弱いながら放射能を持っているからです。


 放射能とは『放射線を出す力』です。身の回りの物質はいつまでも安定した存在であるとは限りません。放射性物質は不安定なため、たまに自分の身体を安定させることができずぶっ壊れることがあるのです。その際、自身を構成した物質や光などがビュン!! と飛び出して凄まじいエネルギーを放射します。それがわたしたちのDNAへ体当たりすることで、わたしたちの身体に悪影響を及ぼすのです。


 放射線はとても小さいので、わたしたちの皮膚やらなにやらをすり抜けてDNAという『身体を作る設計図』自体を直接攻撃します。だからこそ放射線を浴びると危険なのですね。




 トリチウムが放射線をぶっ放す仕組みについても深掘りしましょう。トリチウムは自分の身体を保つことができず、ある時突然ぶっ壊れてしまいます。その過程はこんな感じ。


トリチウム → ヘリウム3


トリ = 陽子1:電子1:中性子2

ヘリ3 = 陽子2:電子0:中性子1


 中性子の性質が変化して陽子へ。ってことは水素じゃなくヘリウムになります。その際電子をひとつぶっ放す。いわゆるベータ崩壊が起こるわけですね。まあ実際はもっと複雑でしょうがそこはわたしのアタマがフットーしそうなので割愛しました。


 放射性物質と書きましたが、ここで放たれるβ線はそこまで威力がなく人間の皮膚を突破することはできないようです。なので、というつもりはありませんが、トリチウムって実は夜光塗料やら年代測定やら核兵器やらで活用されてたりするんですよね。詳しい活用例については各自でググッてください。


 「トリチウムは危険じゃない」なんて言うつもりはないけど、実際こやつはどんな感じなんだろうねぇ……自然界に存在することは稀らしいけど。ちなみに、トリチウムがベータ崩壊によって半減(・・)するまでだいたい12年ちょいかかります。




 科学的根拠がある ≠ 真実。ってのはしっかり知っとかなきゃアカンですね。ただ、なんの根拠もなく文句言ったり騒いだりするのは避けたほうが良いと思います。


 日々いろいろな情報が錯綜する世の中ですから、どれが正しい情報だ、なんてかんたんに決めるものではありません。自分自身で判断したい場合、個人的におすすめするのは複数の情報源を参照する、それも『賛成派:反対派:中立派』それぞれの意見を取り入れることです。


 人間理性的に見えて偏見というか無意識なバイアスがかかってるのでね。わたしだって中立を意識してるけど無意識にどっちかへ偏ってるかもしれないし、ちゃんと中立的意見にまとめられてるかもしれない。そのへんはアナタが判断し、決めることです。


 人間は考える葦です。が、その考えはいとも簡単に『脳自身のクセ』によって左右されてしまいます。どうか冷静な心でもって、アナタなりの答えを探してください。


 アナタの人生に幸多からんことを。

勘違いや誤りがあったらコメントしれくてると助かる。

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