音を知る、音階を知る
今回も例によって音楽の話。あと、そもそも『音』とはなんだ? という話題も少し交えています。
本日も例によって『フランソワ・デュボワ』氏著作の『作曲の科学』から抜粋した話をしようと思います。あとは個人的な既知の知識を織り交ぜて独自の解釈をしてみようとも考えております。本日は『そもそも音ってなんだ?』という話と、『音階』についてちょっと踏み込んだ説明をします。
音とはつまり『空気の振動』です。それが耳に入り込み鼓膜へと伝わり、鼓膜の振動が内側にある3つの骨を振動させ、伝わり、浸透し、そのおくにある『蝸牛』へとつたわります。ここが聴覚の肝となる部位で、カタツムリのような形状をしたこの機関の内部にあるリンパ液に振動が伝わりその奥にある聴覚神経へと伝達されていくのです。
そうです。実は人間の聴覚って最終的に液体の振動に変わっているんですよ。ついでに言うとこの蝸牛には『三半規管』と呼ばれる機関があり、そこで人間は身体的なバランス調整、つまり倒れないよう姿勢に気をつけたりする能力があるわけですがここは割愛。ただ聴覚神経の話を続けると、音の情報は与えられた振動の強さとして神経回路を伝わります。それが脳幹を通り『側頭葉』の聴覚野にて音を識別、評価したあとに大脳皮質各位へ送られたり必要な処理がされるわけです。まあその間に辺縁系で快不快的な評価もあったりどんな音か記憶を手繰り寄せたりイロイロな処理があるのでしょうが、ひとまず脳が音をどう感じるか、というのはだいたいこのような理解で良いでしょう。
人間の脳は様々な空気の振動を耳に入れて『聴く』ことができます。とはいえ情報として感知できる振動には範囲があり、これらは『ヘルツ(Hz)』という単位がありますが、ひとまずはどのくらい振動の『波の大きさ・幅の狭さ・形』のふたつを総合していると思ってください。波が大きければデカい音、幅が狭ければ高い音、という認識です。そして音をハッキリと識別できる大きな要素は『形』にあります。『楽器』はこの『形』が一定に保たれているものを指す、といった考え方はなかなか的を射ているような気がします。
『形』が一定に保たれればそれは同じ音ですね。あとは波の幅や大きさが変化すれば高さと大きさが変化します。音楽上ではこれが『ドレミ』の形をもたなければなりませんので楽器はそのように調整されています。では『どの振れ幅と大きさにすれば良いでしょうか?』――そこでヘルツの出番です。
ヘルツは周波数を表す単位です。周波数は『半分、または倍の大きさになると同じ音に聞こえる』という特徴があります。適当に例を出すと、「あ」という周波数100と50の音があります。同じ音ですね。ただエネルギーは50のほうが小さいですから、つまり50は100の音よりも『1まわり低い音「あ」』になるわけです。つまり『ド』と、そこから1オクターブ高い『ド』の間の周波数は「1~2」までの間、ということがわかります。音の要素数は『12』こありますので、じゃあ『1~2までの間に12個の要素を均等に分けよう』というわけでできたのが音階です。
文字で説明すると難しいですね。では具体的な数を表記しましょう。
1度を『ド』とすると……
1度:1.000000:ド
短2度:1.059463:ド#・レ♭
長2度:1.122462:レ
短3度:1.189207:レ#・ミ♭
長3度:1.259921:ミ
完全4度:1.334840:ファ
増4度:1.414214:ファ#・ソ♭
完全5度:1.498307:ソ
短6度:1.587401:ソ#・ラ♭
長6度:1.681793:ラ
短7度:1.781797:ラ#・シ♭
長7度:1.887749:シ
8度:2.000000:ド
まあ、マメ知識と思っていただいて、細かい数字は別として『1オクターブまでの周波数を均等に12で割った周波数が各音の大きさ』とでも思えばよろしいかと存じます。
和音を知るために、この『度』というものを説明しようと思います。度は『基準の音からどれくらい上がったか』を指します。『1度=同じ音』から始まり、『2~7度』でそれぞれ『レ~シ』を表します。しかし、そうすると『#とかの音はどうするんだ?』という話になりますので、用語として『完全・短・長』を追加することで区別します。大雑把な前段階の理解として、『短をつけると半音下になる』と、まあぼんやり覚えていてください。
『完全』という言葉に惹かれていそうなので、まずは『完全4度』を例にとってみましょう。例として『ド』からの完全4度上の音は『ファ』です。ドからファの差は{ド→ド#→レ→レ#→ミ→ファ}と、『2全音と1半音』あります。例外として『ド~ファ』のみ『3全音』の開きがありますが、これを『増4度』と表現します。1半音だけ増えている、という意味合いでしょう。例外があるのになにが完全なのかというツッコミはこれを作出した音楽家に聞いてください。ただ長い音楽の歴史上、4度と5度の音が『音の開きとしてパーフェクト』なんだという解釈を著者はしていらっしゃいました。完全8度というのもありますが、これはつまり『ド→ド』とか『ファ→ファ』みたいな不毛なことをする感じなので割愛します。
続けて『短・長』系です。2、3、6、7といくつかありまあうが、ひとまず2度を例として見ると、ドは『ド→ド#→レ』ということで『全音』の開きがあります。しかしミを基準にすると、ファに対して『半音』だけの上昇になります。ですのでここは『短2度』と表現します。つまり『ミからファは短2度の開きがある』ということです。これは後々『コード理論』など様々な音楽の分野で役に立つ知識ですので覚えておいて損はないでしょう。私個人としては『「長」より"半音短い"ので「短」になる』という理解をしています。
度の考え方を覚えておくと、音符と音符の差をカンタンに分かるようになります。楽譜を見て『これはドとミだ』と理解するよりも、『ドを根音として長3度の音を和音にしているな』と考えたほうが、なんかプロっぽくないですか?
これらは文字で起こすよりもまず『自分で確かめてみる』のがイチバンだと思います。PCでご覧になっている方がいらっしゃるのでしたら、ぜひとも『ブラウザ ピアノ』で検索してみてください。いくらでもブラウザ上でピアノを演奏できるサイトはあります。実際に楽器を所持している方がいらっしゃるのでしたらぜひ私にくだs――いや、その楽器で試してみることをおすすめします。
グランドピアノが部屋にあるご家庭、うらやましいです。




