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つれづれグサッ  作者: 犬物語
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めいそう!!

本日は『マインドフルネス』に関する話しです。けっこうな大作になってしまったので数日に分けてお読みください。

 『トム・ジャクソン』氏の著作『図鑑心理学 ~歴史を変えた100の話~』を題材にしてモノを書いている途中で『ジョン・カバット・ジン』氏の『マインドフルネス瞑想』に関する記事に出くわしました。確かに瞑想は精神安定にとても有効な手段でして、以前にもこれに関して私が他のWeb小説投稿サイトに『犬物語』として『つれづれグサッ』に紹介していたような気がしましたが、今一度ここでも整理して書いてみようと思い立ってみた次第です。本日は彼が提唱した『マインドフルネス瞑想法』に関して書いていこうと思います。




 『ジョン・カバット・ジン』氏はアメリカの医者であり、1944年にアメリカのニューヨークで誕生しました。現在はマサチューセッツ工科大学の医学部名誉教授となっています。現在もご存命であり、おそらく多くの人にこれらの理論を教えつつさらに発展させていくのでしょう。


 彼はヘイバ―フォード大学を卒業し、最終的にマサチューセッツ工科大学で分子生物学の博士号を取得しました。学生時代に禅の宣教師と出会い、そこで瞑想を学びました。幼いころから『科学と芸術の融合』を考えていた彼は禅や瞑想を実践するなかで、やがて人に教えられるほどに詳しくなっていったようです。間違いなくこの経験が彼のキャリアに生かされているでしょう。しかし彼はあくまで『科学者』だと言います。禅や瞑想は仏教にある大きな要素の一つではありつつも、彼は仏教徒になることもなく、ただ禅の概要と瞑想の心理的、身体的効果を科学的に追求していきました。それが彼の生み出した『マインドフルネス、ストレス低減法(MBSR)』に生かされています。これらの研究は幅広く支持され、彼は多くの出版物と受賞歴を誇っています。


 彼の活躍をいくつか上げるだけでもキリがありません。例えばマサチューセッツ工科大学医学部のストレス軽減クリニックやヘルスケア、マインドフルネスセンターの創立者ですし、禅仏教の門下生、ケンブリッジ禅センターの創立メンバーでもあります。他にも様々な活動をしているので詳しく知りたい方はぜひググってみてください。ちなみにYoutubeでもGoogleさんが彼の研究についての動画を投稿しています。少し古いですがそれでも真新しい知識が得られますよ。


 そう、彼は1970年代にはすでにこれらの理論を実践しはじめていたので感覚的には古い時代の産物と思われてしまうかも知れません。ただし彼の研究から得られたストレス低減法は現代においてもわりと最先端の『技術』であり、ヨガを取り入れた『マインドフル・ヨガ』などは世界中に実践者がいらっしゃいます。


 後に彼はこれらの理論を1冊の本にまとめました。それが日本でも発売されている『マインドフルネス ストレス低減法(英題Full Catastorophe Living)』です。これは1990年出版のもので、日本には2007年に上陸しました。私も購入して読み、実践してみましたがこれはなかなか『落ち着ける』効果があります。このマインドフルネスストレス軽減法(MBSR)は8週間の実践コースがあり、これは現代も数多くの医療センターや団体にて利用され大好評を博しています。瞑想や禅の『心理的影響』を強く意識して、難病や苦痛に苛まれる人たちの心を癒やすためのトレーニングとしてお医者さんが患者に提案するほどです。個人的に著書のなかで驚いたエピソードがありまして、あるマインドフルネス実践者が瞑想法による痛みの軽減で『|目玉に針を指す手術を麻酔なしでやった《・・・・・・・・・・・・・・・・・・》』とかいう、これもう「波紋かな?」レベルの信じられないお話がありまして、ええ……。


 まあそんな彼の研究の今後の発展を祈りつつ、今回はこの『マインドフルネス』について書いてみましょう。




 まず、マインドフルネスとは『今、この瞬間』に集中する、ということから始まります。現代の世の中はとても情報にあふれていて、いちち取捨選択をして判断をして、じっとしている間にも頭の中は(アレどうしようかなコレあったっけなそういえばアノことは……)なんて考え事ばかりの毎日です。これでは脳が休まることを知らずに満足な『おちつき』を与えることができません。そこで、マインドフルネスを実践する前にかならず『今、この瞬間にだけ(・・)意識を集中するという考え方を深く理解してください。様々な情報から自らの脳の思考を遮断し、自分が置かれている今、この瞬間だけをただ見続ける。意外と難しいですよ?


 本当に難しいのです。たとえば瞑想。これは大雑把に表現してしまえば『座って黙って背筋を伸ばして目を閉じて深呼吸』みたいなものです。しかしこれを実践していると頭の中に様々な考えが自然と(・・・)浮かび上がってきます。本当に自然と、とめどない流れで、自分ではどうしようもないほどに。初めてやる人はだいたいそれ(・・)に耐えきれず目を開いてしまうとか姿勢を崩してしまったりします。それは仕方ありません。とうか私は瞑想を実践して半年ほど経ちますが未だに頭の中に煩悩がたくさん出てきます。これはある意味では仕方ないと割り切ることが重要です。問題なのは『|それを客観的に俯瞰してスルーする・・・・・・・・・・・・・・・・・』を養うことです。いろんな思いが頭のなかを巡っていくなぁ、けど瞑想しよう。のように、とりあえず頭を流れていく景色はしゃーないとして、まあとりあえず瞑想しよう、というふうに煩悩に流されず瞑想し続けることが重要になります。これ、なれるまでに時間がかかります。それはもう、半年やった私でもたまに引っかかりますわよ。


 そして『集中する』とあります。これは自分を俯瞰的に見つめて自分のなにかに気づく、ということです。仏教的な言い回しだと『悟る』に近いかもしれません。たとえば『歩く瞑想』という、とにかく『歩くことに集中する』瞑想があります。歩きながら瞑想するなんて考えられないと思われますが実際に存在します。手法としては、まず自分が歩いている『体の動き(・・・・)』に意識を傾けてください。右足が上がっていき地面から離れる感覚、左足に体重がのりつつ前に重心が移動して足が着地する感覚、腕を振り前に進んでいく感覚……歩くという行為全てに意識を集中させるのです。普段何気なく歩いている動作のむずかしさがよく分かるし、こうして歩いてみることで、自分のあるきかたが実はおかしかったと『気づく』ことがあるかもしれません。もっと面白いのは『食べる瞑想』です。目の前にブルーベリーでも持ってきてください。それを食べる前にやることがあります。まずブルーベリーを眺めてみてください。じっと観察するのです。形、大きさ、どのような色か、細部に渡りやるとより良いでしょう。それから口に乗せます。まだ食べません。その感触をしっかり感じてください。その感触に意識を集中させてください。口の中に唾液が溜まっていくことに『気づく』でしょう。しっかりブルーベリーに集中できたなら、こんどは口に含んでみましょう。しっかりと噛み締めて味や感触を確かめます。深くブルーベリーを味わってください。これを実践した方のなかにはそれだけでお腹いっぱいになったという方さえいます。行為に疲れたのではなく、実際にお腹が満足した、という意味です。食欲というのは生物の本能的欲求であり制御が難しい『機能』でもあります。しかしブルーベリーという食べ物をしっかりと観察して、口に乗せ自分の意識を確かめたことで、身体は食欲を客観的に意識することができたのだと考えられます。ただ食べ物に意識を集中した、というだけなのにこの効果はすばらしいと思いませんか?




 延々と効果の素晴らしさを謳ったところで「じゃあどうすりゃええんだ?」といった疑問に答えられないと思うので、ここでは瞑想の実践方法をご紹介したいと思います。


 その前にやっておくことが『呼吸』です。いきなり意識を今、この瞬間に集中させましょうと言ったところで「はい、できた」なんてショートカットは不可能です。だいたいはすぐに頭に浮かぶ様々な煩悩にやられてしまいすぐに音を上げてしまうでしょう。そうならないよう、まずは『呼吸に集中』することを学んでいきましょう。チャートを箇条書きで説明します。



 ・仰向けに寝る、もしくはイスに座る ――楽なほうを選ぼう。座る場合は背筋を伸ばし肩の力を抜こう


 ・目を閉じる


 ・腹式呼吸で腹部の膨らみとへこみを実感する ――仰向けになりふつうに呼吸した時の感覚です


 ・ゆっくりと呼吸をくりかえし、波にのるような感覚になりつつ呼吸に意識を集中させる


 ・もし頭に意識を乱すようなモノが生まれたら、注意をそらしたモノが何なのかを確認してから静かに腹部に意識を戻し呼吸に集中する ――あくまで『確認』です。それを『評価』してはいけません。アナタがやるべきことは『呼吸に集中する』ことです。


 ・これを15分間。とりあえず(・・・・・)1週間くりかえす



 これは瞑想前のウォーミングアップだと思って実践してみましょう。スムーズにできたと思うのでしたらそのまま『鎮座瞑想法』へと発展していっても構いません。では本番となる鎮座瞑想法の説明です。



 地面にあぐらをかく瞑想法ですが、その姿勢がキツい場合は元も子もありませんので、その場合はイスに座ってください。それでも地面に座りたい場合はクッションを足の間に挟むなど、キツくならない工夫をしてください。


 あぐらの場合、片足を自身の身体につけ一方の足をその手前に置く形が最も良いでしょう。あぐらにはバリエーションが豊富なので、自分なりのあぐらをググって探してみてください。イスに座る場合は、子供の頃から教わった『正しい姿勢』を思い出してください。背もたれによりかからず、あぐらの方もイスの方も背筋を伸ばして、骨盤で体全体を支えている、という意識をもちましょう。背骨がきれいなS字を描き、アゴを引いて血流がスムーズに脳に行くようにしてください。顔は真正面からやや下方向が望ましいようですが、意識して下にせずとも自然なままで大丈夫です。


 では、その姿勢にて目を閉じ、さきほど実践した呼吸法を試しましょう。はじめは普通の呼吸でかまいません。とにかくその姿勢に慣れる、瞑想をやる、という生活に慣れることから初めましょう。時間もはじめは5分ほどで良いです。とにかくムリせず背筋をのばして5分間、ただひたすら呼吸するという状態を保つのです。


 さあ、ここからが本番ですよ? ゼッタイ(と言い切れます)に心がザワつきはじめます。もういいんじゃないか? ちょっとつかれた なんでこんなこと 機能のあの番組は そういえばアレやってっけ ――――様々な考えが頭を襲ってきます。これをまず受け入れて(・・・・・)ください。そして、自分がどういう思いにかられたかを『観察』して、そっと呼吸に意識を戻してください。こういった衝動は心だけでなく身体にも現れます。数分ほどしたら自然と姿勢が崩れ始めます。まずは崩れないよう姿勢を保ってください。決して背筋を曲げず、足を動かさず、身体に感じる違和感にも|決して身体は動かさない《・・・・・・・・・・・》ことです。体を動かしたいという衝動に抵抗してください。ただし、その衝動を無視してはいけません。しっかりと『観察』し、すっと呼吸に意識を戻してください。これは逆にチャンスなのです。身体が不快感を覚えているという『今、この瞬間』の気持ちを知るきっかけになるからです。自分がどのような自動的反応をしているかを観察し、それをくりかえすと自身のより深い部分にある『心』を理解できるようになります。マインドフルネスはこういった違和感や煩悩と戦うのではなく『受け入れ、付き合う(・・・・ ・・・・)』のだということをしっかり肝に銘じておいてください。


 慣れてきたら、呼吸の感覚をゆっくりにしていきましょう。とはいえ別に30秒吸って30秒で吐け、なんて無理難題は要求されません。ただ心理学的には往復で10~12秒ほどから(・・)良さげな効果があるらしいです。人間の神経的に、吸う呼吸のときは興奮する神経が作用しますので、できれば『吸う時間 < 吐く時間』にしていただければ良いのではないでしょうか? 個人的には『5秒・6秒』を基準にして、吸った、もしくは吐いたごとに呼吸を2秒ほど止めています。総合して15秒くらいですかね。まああくまで参考意見です。




 瞑想は一朝一夕で完成するものではありません。著者であるカバットジン氏も、これは生涯通しての習慣にしてもらうと良いと話しています。これはあくまで生活の一部、いえ自らの心と身体の状態を確かめる手法だと思い、常日頃から『今、この瞬間』の自分と向き合える人生を歩んでいきたいものです。


 アナタは今何に悩んでいますか? それは頭の煩悩的な考えに苛まれているだけではありませんか? それを確かめるためにも、瞑想せずとも今、この瞬間に対して意識を傾けてみませんか? 長い人生を考えれば、アナタのこの瞬間は取るに足らないものかもしれませんが、アナタのいる『今、この瞬間』こそかけがえのないアナタの時間なのです。

長くなってしまった……イロイロ調べるとけっこう楽しくなっちゃってね。

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