私の代わりに別の“私を用意します。”
私の名前は、『澤上 リンナ』39歳独身、事務の仕事をしている。
私と同じ歳の周り女の子達は、素敵な“彼氏から旦那さま”に変身
していくというのに、、、。
___私ときたら?
今まで、ちゃんと付き合った男性が1人もいないの!
・・・適当に、なんとなく付き合った男性はいたのだけど?
知らないうちに、自然消滅していたわ。
___私は、男性に愛情を持てないというか?
【好き】という気持ちが分からないのよ!
___どうやったら?
男性を本気で好きになれるのかな、、、?
・・・そんな事ばかり、私は考えるのよ!
___正直、この歳になって?
誰かに聞く事もできないし! 話せる人もいないし!
___私の仲がいい女友達の、新菜や亜貴は高校生の時から普通に男の子と
楽しそうに話、そのまま仲良くなって一緒に遊びにも行っていたと言うのに。
・・・私だけ、男子とまともに話も出来ず一人でいる事も多々あったわ!
新菜と亜貴は、私が高校に入ってからの友達で今でも時々連絡を取り合っ
ている唯一の親友二人なのよ。
___二人は?
もう、結婚して専業主婦や旦那さんと共働きをしてバリバリ働いて
家の事もしているのよ!
子供も、二人共いるから!
私が遊びに行くと、必ず子供の世話をさせられるのよ。
___しかも?
二人は別々に、私に同じ事を言ってくる事があるわ!
『ねえねえ、リンナ! いい加減、“いい人”いないの? もうさ~いい歳
になってきたんだから~ アンタもそういう人、見つけなさいよ~!』
『・・・ううん、分かってるって!』
『それならいいんだけど? わたしたちの中でリンナだけだから心配なのよ!
亜貴だって! 結婚出来たんだから、リンナができない訳ないじゃない!』
『・・・ううん、そうだね、』
『本当! そうなんだって! リンナなら出来るよ!』
『・・・・・・ううん、』
*
『あのさ~リンナ? 好きな男性ぐらい、いないの?』
『・・・えぇ!?』
『リンナが、ワタシ達の中で一番性格いいのに! なんでかな~男性を
選びすぎじゃないの?』
『___そんな事ないけど、、、。』
『結婚っていいよ! リンナも、ねえ! 早く、結婚した方がいいって!』
『・・・ううん、』
▽
___二人と会えば、いつも同じ事を言われるのよ。
・・・うんざりしているけど、それが“現実”なのかもしれないわね!
___そんな時に。
私が、仕事帰りにいつも通る道に“いたんだ!”
【もう一人の私が、、、!?】
『・・・えぇ!? 私!?』
『そうよ! 私とあなたは同じ私。』
『・・・・・・』
『悩んでいるんでしょ? 男性を好きになれない事...。』
『・・・なんで、そんな事を知ってるんですか?』
『___だから! あなたは私だからよ!』
『___もう、どうなってんのよ! 訳が分からないわ!』
『期間限定で私と入れ替わらない?』
『・・・えぇ!?』
『あなたが戻って来る時には、大好きな旦那様がいるわよ! どう?』
『・・・でも? 私はその男性を好きになれるのかな?』
『勿論よ! だって、あなたは私だもの!』
『・・・・・・』
『いいアイデアだと思うけどね!』
『・・・ううん、でもその間、私は何処に居ればいいの?』
『楽しいところよ! 私がそこにずっと居たところなの! でもね?
あなたが男性を好きなれないと知って! 居ても立ってもいら
れなくなって! それで、あなたに会いに来たのよ!』
『・・・えぇ!? そうなの?』
『私に“あなたの協力をさせて!”』
『・・・・・・それなら、お、お願いしてもいい?』
『___えぇ! 喜んで!』
*
___こうして、私ともう一人の私が入れ替わったわ!
あれから半年経つのだけど、、、?
もう一人の私から1か月以上も連絡が来なくなったわ。
___その頃、もう一人の私は?
『ねえねえ、今から何処に行く? 私、君のお家に行きたいな~』
『___えぇ!? いいの? じゃあ、行こうか~!』
『うん!』
___もう一人の私は、毎日男遊びをしているらしいわ!
私は、何処だかわからない空間に閉じ込められたみたいで、、、。
このまま、私はずっとココにいるのかと思うと、、、?
毎日、泣いてばかりいるのよ!
『もう! 私を! 元の世界へ返して!!!』
最後までお読みいただきありがとうございます。