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その心臓に宿るもの  作者: ゼオ
二章 大会と陰謀
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7話


闘技場に到着するとまたも思い思いの場所にいる生徒さん達。

搬送されてる人もいる。多分気絶したとか、さっきの雷を受けた人だろう。…御愁傷様です。


予選開始前と同じところにいるシルビーさんが口を開き、生徒は注目する。


『はいはいみんな集まったわね~。何人かはルール破って伸びてるみたいだけど。次からもルール守らない人はさっきのみたいのが降ってくるよ~。それじゃ次の試合の説明をするわ。よろしくサリア』


そう言ってシルビーさんは隣の金髪の女性に立ち位置を譲る。朝、司会とか説明をしてた人だ。


『第一回戦は明日行われます。形式は今日と殆ど同じですが、バッジは用いません。およそ15人で戦ってもらい、全体から8人のみがトーナメントに出られます。組み合わせは明日に伝えられます。以上で明日の戦闘の説明を終わります。なお、負けた人は魔闘大会が終わるまでの期間は自由にしてもらっても構いません。あくまで学園内でですが。では解散して下さい』


ぞろぞろと闘技場から生徒達が立ち去っていく。


これからどうしよう?


そんなことを思った時にソフィーの姿を視界に認めた。



カイルが口を開く。


「じゃあな」


一言残すと人が流れる闘技場の入り口に歩き去って行った。



「ソフィーあそこにいるけど行くか?」


「そだね合流しよ~。お~いソフィー」


アイラが声を張り上げるとソフィーはそれに気づき近付いて来た。


「どうだったの?」


そう聞くソフィーのバッジは色が変化していた。無事予選は通過したみたいだ。


「これを見るのさ~」


アイラは自慢げに親指でバッジを指す。


「楽だったよ~。闘ったのは全部ジルっちだし。私は回収しただけ~」


「他力本願?」


「そのとーり」


「まあ俺としては逃げる時はバッジのことなんか忘れてたから嬉しい誤算だけどね」


「フッ。感謝するがいいさ」


「はいはい。カンシャシテマス」


「どうして棒読みなのかな」


「気のせいだろ?」


「短時間でよくそんなに仲良くなれたわね。正直びっくりよ」


「それはね~。嫌がる私をジルっちが無理矢理…「思いっきり地面に向けて投げたな、確か」ぶ~。先に言われた」


変なことを言われる前に口を挟んだ。


アイラは台詞を被せられて口をすぼめている。


「それで仲良くなるってどういうことよ」


「「絡みやすかったから?」」


何故かハモる俺とアイラ。


「ほんと仲良しね。合って1日とは思えないわ」


「それはそうと腹減ったな」


俺は強引に話題の転換を図る。なんかこの流れは危険な気がする。


「…そうね、食事にする?」


「わ~い。ご飯だ~」


俺達は食堂に足を進めた。


─…フッ


不穏な気配が俺の警戒心を掠める。


立ち止まり振り返った。

が、見渡す限り生徒に埋め尽くされていて今の気配の原因が誰、もしくは何なのかは皆目見当もつかない。


昨日のコトに関係するのか思考する。


「どうしたの急に?」


「…何でもない」


「そう?変なジルエス」


不思議そうに此方を見やるソフィー


「早く早くー」


アイラは先で呑気に手なんぞ振ってやがる。


「はぁ。分かった分かった」


今度こそ食堂に足を進めた。


この大会で何か起こらなければいいがと思いながらも、それが裏切られることを心の奥で密かに確信して。

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