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その心臓に宿るもの  作者: ゼオ
二章 大会と陰謀
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1話

「知らない天井だ」


いや、ここは学園だったか。何ボケてんだか


段々意識が覚醒してくるにつれて自分がどんな状況なのかを把握する

起きた時刻は早朝の日が昇る頃。いつもの癖でこんな時間帯に起きてしまった。


大会か~。昨日は頑張るって意気込んでたけど…、よく考えると面倒極まりなっ!!くっ、ご褒美の言葉につられてしまった~。でもスイにはあんなコト言った手前ザコに負けたらシャレになんねーし


「だるっ!あ~あ、何で頑張るなんて言ったかな、昨日の俺のアホ」

と身を起こしながらも自らを卑下


こんなことをしていても何かが良くなる訳でもない


気を取り直し、日課をこなすため上着を羽織ってから部屋を出た







向かったのは寮館のすぐ近くにある林

昨日散歩してソフィーの"自称"親衛隊とかを撒いたところだ


俺はその中に直立で集中する


そして身体中を流れる魔力を普通の数倍の速度で循環するよう『意識』する

これは即座に魔術を発動させる為の準備みたいなものだ


そしてそのまま近接戦闘の型を繰り返し、速度を速めていく


「…チュンチュン……」


林には鳥の囀りだけが響き渡る


本来激しい動きをすると息が上がるというが、その乱れた息すら聞こえない

ジルエスはまるで軽い運動をするような涼しい表情をしている


一連の動きをし終え、息を落ち着かせて地面に座禅を組む

さっきまでは囀りだけが聞こえていたが、どこに居たのかとゆうほど鳥やリスのような小動物がわいてきた。中には肩に乗るものも


と、五感が鋭敏になったことで今まで気付かなかったが一本の木に違和感を覚える


「誰だ」


「あ~あ、ばれちった♪」


弾むようなそんな声と共に木の蔭から人が出てきた。同時に俺の周りにいた小動物が散る


出てきたのは綺麗と言うよりカッコイイなどのたぐいの言葉がよく似合う女性。ナイフのように鋭い目に短く肩まで切りそろえられた茶髪、背は俺の目線ぐらい。姐さんとか呼ばれてそうな雰囲気だ。発育は…なんか鉄拳が飛んできそうなので止めとこう


「今失礼なコト考えなかった?」


「べつに~」


なんという勘!!やっぱり考えなくてよかった~。考え続けてたら「なんとなく?」って理由で殴られてただろうし


「それにしても此処にいるなんて偶然ですね『瞬天』殿。任務ですか?」


ん?ああ、この人は知り合いだ。それもギルドの。名は沙耶・タムルス。親が片方、東の方から来た人だとか。アクセントとかが特殊なのはそのせいだ。『瞬天』は二つ名。由来は割愛する


「懐かしい魔力の気配感じたから来ちゃった。そっちこそなんでこの学園に居るのかな~?『道化』君」


『道化』は俺の二つ名。何でも、本気マジで戦うときに普通の時と全く変わるらしい。その時二つ名を付けられた。どうでもいいが


あっ、それと二つ名はある程度の強さがないとつけられないっぽい


「学生生活を楽しんで来いって言われたんで。それと此処に来るためだけに"アレ"使って無いですよね?理由が『俺を驚かす』とかだったとしたら怒りますよ?」


「ギクッ!?ふ、ふ~ん。お姉さんはさっき君が言った通りよ。内容は秘密♪」


誤魔化しやがったよ…。実戦でもなかなか使わないのに何やってんだか

少し呆れた。訂正、大いに呆れた


「蔑んであげましょうか?」


「冗談言っちゃって~♪」


「…」


「な、なによ…」

ちょっぴり涙目


年長者としての自覚はあるんだろうか…

先輩の行く末が危ぶまれる今日この頃


「何でも無いです。それと何かしら被害を被るようだったら潰しますから。だりーんでやりたくないですけど」


「最近の若いもんは恐いね~」


「みんなこんなもんですよ」


「君だけだよ。自分の害になるようなのを簡単に潰そうと息巻くのは。「めんどくさ」とか言いながらキッチリ仕事はこなすし」


「まあ、依頼放棄はした覚えはないですけど」


「でしょ~。まあこんな話は置いといて、今日から大会頑張ってね~。上の方で待ってるよ~」


「最初っからそれを知らせたかっただけなんじゃ…」


「ふふっ。それと先輩への敬意が足りないんじゃない?じゃ、お姉さんはこれで~」

と俺の言葉から逃げるように沙耶さんは立ち去った


「です」とか「ます」は付けてたんだけど…

敬意が足りないってどういうことなのかな~と思いながら部屋に帰った


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