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短編小説

あの頃譲ってくれた君に捧げる

作者: ZGOsKT
掲載日:2025/11/14

「なぁ、覚えているか?」

――俺は、あの日あの時、君が隣に引っ越してまで来てくれた驚きと喜びを、今も忘れられないでいる。

同級生で、社会人になってから再会したスン。たくさんの新しい世界を俺に見せてくれたよね。本当に、心の底からありがとう。

今、この手で、スンとの友情の扉を再び開けて、あの道を辿ろうとしている。

同じ高校からそれぞれの道へ進み、就職して数カ月が経った頃。帰りの電車を待っていると、見慣れた顔が見えた。高校時代は同じクラスで同じ班だったが、互いのグループは明らかに違っていて、深く関わることはなかった僕が、まさかスンと差しで酒を交わす仲になるとは、あの頃の僕には想像もできなかった。

帰り道、久しぶりだったのもあり、意気投合して居酒屋へ行った。それから、数週間に一度くらい、お互いのタイミングが合えば飲みに行ったり、時には遊びに行ったり。カラオケも嫌な顔一つせず付き合ってくれたっけ?本当に楽しかったなぁ〜。

若かったこともあり、実家を早く出たくて部屋を借りて住みだした矢先、驚くことにスンが俺の隣に越してきた。最初は戸惑いながらも言葉にできないほど嬉しくて、時間の許す限り、夜通し飲み明かしたり、花火やバーベキュー、夜のレジャーを楽しんだ。

キャバクラの夜の蝶々に恋心を抱いた俺に、優しく諭したり、二人で無駄にUFOキャッチャーにハマってみたりした。

ある晩、僕はわがままにスンから離れて、姿を消し「わぁ~っ」と叫んだ。事故に遭ったのかと血相を変えて必死に駆け寄るスンに悪ふざけをする俺。その時本当に心配したスンの純粋な心を踏みにじった。

あれから、しばらくスンは変わらずに俺に付き合ってくれた。たまに女の子と二人きりになれない俺の背中を押すように、気を使って女の子を連れ出してくれ、グループ4人で花火大会。そして二人になる時間をつくり出してくれたりしたね。

勇気を出して告白したけど…結果は言うまでもない。

その直後だった。スンが忽然と姿を消した。まるで、潮が引くように。

楽しかった日々、スンに甘え過ぎてた。今も忘れられないで、あの時間を時々巻き戻しているよ。

今は、お互いにそれぞれ家庭があるだろうから、昔のように過程を辿ることはしないけど…。本当に良くしてくれたスンに心から謝りたい。

いつか会って、またあの時間を笑って語り合おう。

スンとの友情エピソードはまた、時間のある時に改めて文字にしよう。今日はページを綴じて眠ろう。

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