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生産スキルを求めて

記念すべきリメイク2本目!(゜∀゜ノノ"☆パチパチパチ★

この辺から変わってくと思うけど許してね

 次の日の学校では、当然のようにAnother Lifeの話題で学校中が持ち切りになっていた。

 少し耳を傾ければ聞こえてくるモンスターに苦戦したやら簡単だった等の話や、街中の探索だけで何時間も遊んでしまった等話題は様々だ。


 そんな中楓花が求めるのはギルド、それらは街中にある各職業ごとに所属が存在する組織である。

 とは言っても、大体が冒険者か生産系の2択で、他のギルドはロールプレイしたい人用の専用ギルドだったりする。

 変り種だと建築系ギルドとか、誰が所属するんだってギルドだと闇ギルドも場所は不明だがホームページでは存在の匂わせがあったとか。


 それはさておき、現状楓花達5人の内、誰かしら生産をする気はまず無いだろうと言うことで、1人頑張ってコツコツと頑張ろうとしている楓花であるが、ここで問題があるのだが。


「場所が分からないんだよね」


 学校が終わって今日も早速ログインしている訳だが、残念ながら楓花にはこの街に対する土地勘は備わっておらず現在途方に暮れていた。


(ビルドはお使いで買ったものそのままに部屋行っちゃったし、多分今頃は一人でミンチ肉作ってるだろうから行きたくない、そうなると)


 楓花はつい昨日知り合ったリズを頼って連絡を取ると、直ぐ近くにいるようで、こちらへ向かってくれるとの事で暫く待つことに。


「ライムちゃん!?大変な事態ってどうしたの?」

「忙しいのにすみません。ギルドの場所が分からなくて」

「へ?それだけ?」

「はい。マップも街中なのに虫食い状態で使えなくて」

「あぁ...それはこのゲームの仕様ね」


 ここで軽く説明を受けた楓花であるが、コンセプトや売り文句にしている通り、このAnother Lifeの運営はリアリティ、それもかなり現実に沿った設定を採用しており、その1つがこのマップの虫食いである。

 リアリティの追求について、ある時1人の開発者が言った言葉が事の発端だ『中世の世界観なのにマップ検索できるって、ちょっと世界観に合わなくない?』と言った世迷言から、このゲームでは地図も自分の足で歩き、その目で見て初めて更新されるのだ。

 もちろん制作会社やスポンサー皆様からは相当な反対があったのは言うまでもないが、結果として悪い評価も出ては来たが、街中でも探索する楽しみがあると一部では好評価を得ているというデータも上がっている。


「かなり極端な設定ですね」

「そうだけど、私みたいな戦闘が苦手なプレイヤーも楽しめるいいアイディアだと思ってるわ」

「確かにそう言った捉え方もできますね」


 何事にも賛否が別れるのを知った楓花は、改めてリズからギルドの場所を聞くことに。


「それでマップだけど、こんな風に情報を交換したら、自分のマップも更新されるのよ」

「なるほど、便利ですね」

「これはあくまでも情報の交換ってことで、運営も流石にこれ位はできるようにしてるらしいわ」

「確かに口頭説明だけでマップが使えなかったら流石に不便すぎます。と言うか良かったのですか?外のマップなんて持っているのでは?」

「そうだけど、まだ夜の情報は持ってなかったのよ」

「なるほど!時間毎の情報も自分で手に入れる必要があるんですね」

「そうよ。これも1つの商売の種よ」


 興味本位で聞いた質問だが、リズ曰くこのゲームには商人としてロールプレイするプレイヤーがかなりの数いるそうだが、こう言ったちょっとした情報でも商売になる事から、初心者でも始められる事が多く、意外と商人ギルドの人口は多いらしい。


 それからリズのちょっとしたお節介で、おまけの情報を教えてもらった事だか、食事によるバフの効果は、ベータ版で確認できた魔法よりも効果は小さかったり大きかったりと差があるが、どれも魔法よりも長持ちしていたと言う。

 そう言った検証から、実は料理スキルの重要度はかなり高かったりする。

 ベータ版からの大きな団体、ギルドなどと言ったプレイヤーが集まって結成されていた物が、製品版でも早くも結成前まで進められているらしいが、掲示板等での料理人の募集はひっきりなしらしい。

 補足だがギルド等の結成は現状まだできない、運営側でも今はまだそれらの追加要素やイベントについては伏せられているのだ。


 「ありがとうございました。今からギルドに行ってみます。何かあったらまたよろしくお願いします」

「こちらこそ、何かお願いするかもだし、今後ともよろしくね」


 そうして訪れた()()()()()、そうなのである。実はこの始まりの街、できてまだ新しい町であり、規模としても小さい事から、料理ギルドは無い!しかしそこはリアリティを求める運営(狂人集団)。NPCも生活する街に飲食店のひとつも無いのは如何なものか!そこで誕生したのが料理含めた家事全般を勉強できる奥様方の頼れる味方、家事ギルドなのである!


「何か今変なナレーション入った気がしたけど、気にしない方が良さそう」


 ギルドの建物の外見は隣にカフェが併設された兼用住宅の様なこじんまりとしたものだった。

 そして扉を開けて入ると、部屋の照明も付いているにも関わらずやたら煙っぽい、薄気味悪いと言った印象の室内だった。


(いや、何故?)

「ようこそ家事ギルドへ、要件は登録でしょうか?」

「はい。あとは料理の他に掃除や裁縫、それ以外に生活魔法とかも勉強できるって聞いてきました」

「ほう...貴方は我々家事ギルドの深淵にご興味が」

「いえ、普通にスキルを」

「しかし簡単ではありませんよ」

「いえ、あの...」


(どうしよう全然話聞いてくれない、それに掛けてる眼鏡の光り方が相手をいたぶりながら追い込んでる時の美音と一緒でなんか怖いです)


 眼鏡を怪しく輝かせた受付嬢に、実はオカルトギルドとか全く別のギルドに来てしまったのかと思った楓花であるが、こんなのはまだ序の口であった。

 奥の扉からヌッと言う効果音が聞こえてきそうな巨漢が、肩に料理人らしき人を1人、タオルを掛けるかのようにぶら下げて出てきた。


(は?)

「ギルマス、彼女が」

「みなまで言わなくていいわ!貴方ね。今回うちに弟子入りしたいかわいこちゃんは」

「え、あ、え、はい」

(やばいどうしよ。最初のインパクト強すぎて何も頭に入ってこないんですけど、と言うか肩の人は大丈夫なの?)


 かなりインパクトのあるギルマスの登場に、惚けた返事をしてしまったが、等の本人は顔面凶器を体現したような恐ろしいほど口角の吊り上がった笑顔を称えながらも楓花に歩み寄り、まるで社交場でダンスを誘うようにその手を差し出しながら宣言した。


「驚かせちゃったわね。けどいいわ!これから私が直々に家事の極意を叩き込んであげるわ」(ニヒィ)

(凄い形相ですが、その挑戦受けて立ちましょう。ママに教わった事がどれだけ活かせるか勝負です)


 ここに!よく分からないが闘志を燃やす両者による戦い?のゴングを告げる様にクエスト開始の通知が届く!


『特殊クエスト「家事ギルドマスターからの試練」が発生しました。』


(え?特殊クエスト?初めて受けるクエストがまともじゃないとかありですか)


«特殊クエスト»家事ギルドマスターからの試練

内容・家事ギルドで修得可能な全てのスキルを身につけること。

報酬・家事ギルドで修得可能なスキル全般

  ・内容により豪華報酬有り

家事ギルドマスターに見込まれたそこの貴方!このクエストを見事クリアし、家事の極意をその手に掴め!


(かなり主張の強い字面ですけど、一体どんな試練が...)


 そして移動した厨房、そこで楓花が目にしたものとは...


きゅうり レア度2 品質A-

畑で育てられた普通のきゅうり、酢漬けに塩漬け、その他にも色んな食べ方がある。暑い時期によく食べられる野菜。


ペタペタ(感触は普通のきゅうりです。説明を見ても普通のきゅうりそのもの...え?つまりどうしろと)


 楓花は混乱していた!


「ウフン、それじゃあ先ずはそのきゅうりを薄く切って貰うわよ。30秒測るから、60枚切れたら合格よん。どう?少し難易度が高かったりかしら?」

(これって家庭科とかでやるやつでは?)


 楓花は混乱していた!!


 本当にこれでいいのか。そんな不安はあったが、楽々試練を突破して次の関門へと進んでいく。

 全く試験には関係の無い話だが、楓花がきゅうりを切り始めたところでギルマスは『ライムちゃん!お手手はこう!にゃんこの手よ!ほら一緒に!にゃんにゃん』といいながらやたらとお尻を突き出して強調する姿に、全く集中出来なかったのは言うまでもない。


 そして次の試練、ギルマスが手を叩くと同時に先程の受付嬢がワゴンにいくつかの材料を乗せて現れた。


(ジャガイモ、ニンジン、ハムと卵に胡椒、それからマヨネーズ!?え、世界観的にこれはありなの?)


 今後予定している事ではあるが、運営はゲームのリアルさを売りに、各会社とのスポンサー契約を結ぼうとしており、その一環が目の前のよく見知ったマヨネーズである。


「それじゃあ、今からライムちゃんにはポテトサラダを作ってもらうわ。初めてのお料理、お姉さんが確り審査するから頑張ってね」

(作るものはわかったけど、味付けどうしよう。とりあえず何時もより味は薄くしないと)


 余談だが楓花が家で料理をするようになってから、色々と改良や変化があった、その1つが家族の味の好みだ。

 父親の味覚がおかしいのか、普通に作ると薄いらしく、その結果料理の味付けが異常なほど濃かった時期があり、それを一緒に食べていた蓮花もどちらかと言えば父寄りな味覚らしく、調味料の異常な減りの速さで母に叱られるまで気にしなかったのはちょっとした苦い思い出だろう。


「ん〜、確り味も着いてるし、食材も食べやすい大きさになっていていいわぁ。合格よ!次に進みましょう! 」


『家事ギルドマスターからの合格を確認。』

『スキル獲得に必要な経験値が付与されます。』

『料理スキルを取得しました。』


(なんだろ、スキル取れたのに、あっさりし過ぎて実感がないのは)


 試験内容に沿ったものを作る事が出来たようで、ギルマスからも合格を貰うことができたらしく、2人は次なる試練へと使って移動する。



「次はこの布でライムちゃんに似合う可愛いエプロンを作るのよ〜!」


 次は裁縫の試練の様で用意された布や糸で自分専用のエプロンを作るようだ。

 ギルマス曰く、自分だけの勝負服を身に纏うことで料理が美味しくなるらしい、らしいと言うのはあくまで個人差であり、装備の効果もあるのだろうと楓花は納得した。


「んん〜!可愛いわぁ!これがライムちゃんの作った自分だけの勝負服なのね!素敵よ」


 数十分後、楓花が作ったのはありふれた普通のエプロンだ、ただ装飾に猫耳のような物がついてる以外は特に拘っては居ない。


「お裁縫も問題なさそうね!もうバッチリよ」


『家事ギルドマスターからの合格を確認。』

『スキル獲得に必要な経験値が付与されます。』

『裁縫スキルを取得しました。』


 次はいよいよ掃除の試練、そして場所は外に建ち並ぶ建物の中からギルマスが選ぶ、正確には家事ギルドに来た清掃依頼を受験者に受けさせるのだ。

 その評価次第で、合否が決まるというのが掃除の試練の内容だ。


「それじゃあ、ライムちゃんは優秀だから、ここなんてどうかしら」

「ま、マスター!?その以来は」

「みなまで言わなくていいわ!そう、この依頼はとぉ〜ても、難しいわ。場所はこの街の富裕層の家が建ち並ぶ地区の一軒家、今は空き家なんだけど、何時からあるのか、この国のお偉いさんも壊そうとしないから、皆怖がっちゃって、けどねライムちゃん。このお屋敷出るのよ」

「出るとは?」


 突然変わったギルマスの様子に、息を飲む受付嬢、それを見て身構える楓花に告げられたのは。


「誰もいないはずのお屋敷に、1人高笑いする男の姿が!」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!」

「...つまりはお化け屋敷と?」

「あらライムちゃん、そういうの平気?」

「平気と言うか実感が無いだけです」

「ま、そう言うのことなら、この依頼はライムちゃんに任せようかしら」


 こうして始まった掃除依頼、楓花は無事にこの依頼を達成できるのか。

【後書き劇場】本音

作者「あーー!!やってらんないよ!資料消えちゃってて中身わからんよ」

(へへ、どうせまだ1本しか出てないんだから打ち切っちまえよ)ダミ声

(ダメよ!お友達も楽しみにしてるのよ!今投げ出したらダメ!)裏声

作者「俺何やってんだろ...」

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