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傍観者

理央の協力を得られることになって数日。

まだこれといった手掛かりを得られずにいる。


「探すといっても闇雲に探していたらいくら時間があっても足りないよ」


理央は呆れ顔だ。


「でも手掛かりが女で占い師、しかも顔は確認できていないんだがら仕方ないだろ」


俺は言い訳した。


理央の言うことは確かに正しいが俺にはどこから手を付けたらいいのかさっぱりだ。


まず俺は占い師を探した。足で闇雲に。人通りの多いところ、路地裏、インターネット、その他。

大した情報がなかったのですぐにこの方法はあきらめた。


そして俺は早々に誰かに頼ることにした。こういうのは俺が人探しをしているという話が広まれば自然と情報が集まるものなのさ。学校の連中やご近所さん、とにかくたくさんの人に話しかけた。学校の奴らには怪訝な顔をされたが。


数日後、ある噂が学校に広がった。どこで情報が間違ったのか、俺が占い師を探しているが正しいのだが、俺が夜な夜な黒魔術で女をものにしようとしているという誤情報が伝えられていた。お前らそんなに俺が嫌いか。


---


「はー、もう八方ふさがりだ」


学校の敷地内にある外のテラスで俺は次の行動を考えていた。


「おー松前、こんなところにいても女はものにならないぞ」


このうざさは真島か。

この男は親しいわけではないが何かとそばにいることが多い。事件のにおいをすぐにかぎつけてくる。


「真島、俺は黒魔術なんか使えないし、女が欲しいわけではない」


「でも噂ではそういうことになってるぜ」


「お前わかってて言ってるだろ。お前はどこからか正しい情報をいつも持ってくる。これはただ面白がって誰かが情報をゆがめたんだろう」


「さすが松前。噂の標的になるのはお手の物だな」


「そんなことはどうでもいい。とにかく俺のところに来たってことは何か話があるんだろう」


「察しがいいねー。モテる男はできる男でもあるってことか」


「モテる男ならもっと別の噂が立つだろうけどな。で、何が分かってるんだ?」


「とりあえず噂がゆがめられたことには気づいているみたいだな。じゃあそこは問題ないな。確かに今回の噂は意図的にゆがめられている」


「意図的にか。大方、俺に恨みのあるやつがあることないこと言いだしたんだろう。いつものことさ」


俺がそう言うと真島はチッチッチとうざい仕草で外れているな、お前はダメな奴だと嘲る。


「お前は感情的になるからいけない」


「そうですか、じゃあどうしたらいいんですか」


「まあ、そう急ぐな。お前に占いサークルの知り合いはいるか?」


「占いサークル?そんなもんあったか?」


「つまりはそういうことだ」


「は?意味わからん」


こいつは楽しそうだな。俺はちっとも楽しくないし、真島が何を言いたいのか全く見当もつかない。


「今回の件には占いサークルの奴らがかかわっている」


「なぜそんなことがわかる」


「それは言えない。まあとりあえずそのサークルについて調べてみたらどうだ?」


奴は詳しいことは言うつもりがないようでそのままどこかへ行ってしまった。

言いたいことだけ言いやがって。俺にもわかるように言え。


「仕方ない。占いサークルとやらについて調べるしかないか」


真島の思い通りになっているようで癪だがとりあえずやることが決まったので良しとしよう。


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