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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第一章 いざゆかん!レアスナタの世界へ!
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第六話 幕切れ 殲滅しておきました

「強烈なキャラクターでしたね」

「お前なら知ってたんじゃないか?」


 いずみは顔色を悪くしながらメガネを装着してため息をした、その姿に縁は苦笑いをする。


「加護の力があっても、知りたくないモノもありますよ」

「そりゃ難儀なこって」

「さてと、余興も終わりましたしこれで失礼しますね」

「結局お前は何しに来たんだ?」

「報告ですよ報告、隷属の神のね」

「ああ、ルルさんのインパクトのせいでぶっ飛んでたぜ」

「平然としてたように見えましたが?」

「ああいうのは下手に反応するから相手は面白がる」

「なるほど」

「で、お前はこれからどうするんだ?」

「資料作りをします、皆さんの出来事をまとめようかと」

「そうか」

「ではそろそろ失礼いたしますね」

「はいよ、またな」


 縁は手を上げて挨拶をする、いずみを映し出していた手紙は燃えて無くなった。


「ん? 雪? いやこれはホワイトアウトだ、外に出てみるか」


 ふと窓に目をやった外は白い雪で何も見えなくなっていた、指を鳴らして縁はその場から消えた。


「縁様、お疲れ様です」


 砦の入り口に現れた縁を出迎えたのは、見渡す限りの雪原と人型の氷像に囲まれた麗華が優雅にお辞儀をしている。


「色鳥様が連れて来た兵士は我が国で保護し、色鳥様はやる事が有ると何処かへ行きました、そして残りの幻影は全て始末しました、安心してください」 

「この雪景色を見る限りさ、麗華さんだけで今回の事件解決出来たのでは?」

「この白眩身麗華、恥ずかしながら気分が高まると、模擬戦等で無い限り手加減が出来なくなってしまうのです」

「それで俺達に頼んだと」

「はい、ちなみにですが兵と呼べるのは私しかおりません」

「へ?」

「戦える国民も居ますが民に戦わせる国がありましょうか?」

「って事は今まで一人で防衛とかを?」

「はい、人が自然の脅威に勝てますでしょうか、もちろん知恵や技術があればお話は違いますが」

「この雪景色みれば一目瞭然、グリオードも凄い人を味方……いや、この表現は失礼だな、いい人と心を通わせたようだ」

「……縁様は縁結びの神様でしたね、隠し事はできませぬか」

「申し訳ない、この姿だと勝手に人の縁が見えてしまうんだ」


 縁は嫌そうに自分の姿を確認している。


「いいえ構いません、恥ずべき事ではありませんからむしろ見て下さい」

「は!? いや失礼、見ろと言われたのはあまりなくて」

「そう! グリオード様に『麗華、君の雪景色に僕も居ていいだろうか?』そう言われた時に麗華は心でアイススケートを踊ってしまいました!」

「麗華さん?」

「この麗華も悪魔の端くれ、悪魔の掟やしがらみもありました、が! そんなの凍らせました」

「おーい、麗華さん?」

「……失礼しました、少々熱くなってしまいまして」

「いや、グリオードも愛されるなと思うよ」

「ふふふ、では惚気話もここまでにして後片付けをしましょうか」


 麗華は近くにあった氷像に近寄り氷像を裏拳でぶっ壊した、粉々になった氷像を楽しそうに見ている。

 そして別の氷像へと歩くきデコピンで氷像を壊した。


「グリオード様の幸せ、目標を妨害するならば死の覚悟をしてくださいまし」


 右手の人差し指を立てながら右手の親指と中指でパチンと音を鳴らした。


「少々自分語りをしてしまいました、申し訳ございません」


 縁に対して優雅にお辞儀をすると同時に、ホワイトアウトも無くなり周りの風景は徐々に戻っていく。


「ああ……高揚して忘れていましたがグリオード様から伝言があります」

「報酬は『今度来た時に支払う』と、今立て込んでおりまして」

「ああ了解、報酬は神社への奉納で」

「承知しました、縁様の雪像か氷像を奉納いたしますわ」


 お互いに冗談と分かっている様に笑う。


「それじゃあな、麗華さん」

「お疲れ様でした、縁さん」


 麗華は雪に、縁は白い光に包まれてその場から消えた。

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