第四話 後説 久しぶりにファーストフードのお知らせ
縁、結び、一本槍はゲーム内ロビーへと戻ってきた。
この三人は今日はこれでゲームを終えるようだ。
「お疲れ様です」
「お疲れ様~」
「お疲れ様でした」
「いや~やっぱり大事になって来たね~」
「うむ、まあそろそろ決着付けれるんじゃないか?」
「そう?」
「うむ、縁が本気でやるって言ったしな」
「にゃるほど? 本気の縁君が見れる?」
「普段はなーなーだからな、神の許しを見せてやる」
「ふぅ~言うね~……許し?」
「お楽しみって事で」
「かっこいいね~」
このまま2人の世界へ……とは行かず、弟に話しかける結び。
「あ、弟よ、お前はもうログインするのかえ?」
「はい、あの、縁さんよろしければファーストフードに行きませんか?」
「おお? 縁君を誘うなんてどうしたのさ」
「僕だってお兄さんとなる人とは仲良くしておきたいですよ」
「なるほど? てかファーストフードでいいの? お姉ちゃんが奢るよ?」
「いえ、縁先生が何時も言ってるじゃないですか、身の丈の選択肢をしろと」
「なるほどねぇ」
「そいや結びさんとは……ファーストフード行ったっけ?」
「いや……2人では無いね、弟とはこの間行ったよね?」
「ああ」
「んじゃログアウトして集合だね、弟よ、お前は何処でプレイしとるんじゃ?」
「姉さん達と同じ所です」
「ログアウトして集合で~」
「ああ」
「はい」
長谷川はログアウトをしてロビーで待っていた。
終の弟の明がロビーへとやってきて、長谷川に対して頭を下げる。
「リアルではお久しぶりです、長谷川さん」
「明君久しぶり、本当にファーストフードでいいの?」
「はい、ゲームでも言いましたが身の丈の選択肢です」
「たまに甘えてもいいんじゃないかな?」
「では誕生日に甘えさせてもらいます」
「おお、誕生日はいつ?」
「11月8日ですね」
「お、まだ先で良かった」
そんな話をしていると荒野原がやって来た。
「ほい、全員集まったね、場所どうする?」
「……姉さん、くっそ安いファーストフード行きません?」
「ああ……あそこか」
「どこ?」
「ハンバーガーが100円」
「は? このご時世で? 200円くらいしないか? 安くても」
「国産の安肉を使ってるんだって」
「ほー……ああ、安いイタリアンレストランみたいな?」
「それに近いかもね、まあ百聞は一見に如かず」
「確かに、早速行こうか」
そんなことで安いと噂のファーストフード店へ。
長谷川達は各々メニューを見て注目をした。
その時の値段を見た長谷川は本当に安いんだなと確信する。
ハンバーガーはもちろん、サイドメニューも安かった。
長谷川達は商品を受け取って空いてる席に座った。
「……本当に安いな、1000円で満腹になるぞこれ」
「その代わりに味は相場だね」
「ほほう」
「まあそれなりに美味いよ?」
長谷川は『味は照り焼きチキンバーガー』という商品を食べた。
……ああ、歯ごたえや舌触りは照り焼きバーガーだけども……
まあ、安いしな……そう思う長谷川だった。
「明は最近ゲーム内でどうなの?」
「テストが近いので最近はあまりログインしてませんね」
「あら~私と違って優秀~」
「姉さんの方が凄いでしょ」
「そうなのか? 明君」
「はい、昔の姉さんは『勉強なんて授業と宿題だけで覚えられる』って言った人ですよ」
「ああ……言いそう」
もはや長谷川と荒野原は類は友を呼ぶであろう。
いや、類は愛を呼んだというべきか。
お互いにちょっとおかしい学生時代をすごしていた様だ。
「失礼な、もう少し可愛げがあったわ」
「……昔の姉さん、マジで冷たい目をしてたからな」
「酷い、長谷川君はどうおもう?」
「過去を聞いた所で今の俺の気持ちが変わる事は無い、聞くけど警察に捕まる様な事をした?」
「んな事するわけないでしょ、やるならあらゆる合法的な手段を使う」
「うんうん、荒野原さんはそうだよね」
「ほっほっほ、私を理解してくれて頼もしいよ」
「長谷川さん、姉さんをよろしくお願いいたします」
「もちろんだ」
再び2人の世界になりそうな感じだが、荒野原が弟に質問した。
「てか明、一本槍は普段何してるんの?」
「山籠もり設定とか放浪の旅をしている」
「明君は旅で面白い事あった?」
「ああ……レアスナタのゲーム内ってマジで広いんですね」
「どうしたの?」
「メタい話、町とかダンジョンって区切られてるじゃないですか」
「まあね」
「で、 国が三つ存在するマップがありまして」
「ほうほう」
「ワープとかせずに歩いたら……」
「歩いたら?」
「隣町まで2時間とかかかりました」
「まあワープありだよね」
「すれ違った人と魂で会話したんですが」
「ほう」
「意気投合しまして」
「へー」
「時間がある時にこの大陸歩きで制覇するかってノリになりました」
「いいぞー! 一見すると無駄に見えるけど、青春や」
「だよね~まさに一期一会、その出会った人とは歩く時間とか決めてるん?」
「まだ決めて無いですね」
「そっか~長谷川君、私らも近い事する?」
「いいかもな」
3人の反省会はまだまだ始まったばかりだ。