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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第六章 歩みを始めた2人を
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第四話 演目 俗に言うチルタイム

 縁はおだいじんをした結果、お店に居た神々に囲まれていた。

 相手の名前は知らずとも、関わり合いがある神が沢山居る。


「いやー縁も大きくなったな」

「ああ、人間界で暴れてた頃とは見違えるいい神になったじゃないか?」

「はい、私を見捨てずに手を差し伸べてくれた方々のおかげです」

「本当にお前さん変わったな? 覚えてるか? 昔ここに来た時は――」

「お疲れ絆」

「お疲れ様です、心闇様」


 縁に頼まれた挨拶回りを終えた絆は、お店のカウンターに座っていた。


「お前さんの挨拶回りは終わったのかい?」

「ええ、私はお兄様と比べたら親しい人はあまり居ませんので」

「神様には少ないのかい?」

「はい、お兄様は私を守った時に色々な方と知り合ったらしいです」

「ああ、私もそれで知り合った……懐かしいね、あの時の心が貧しい奴が今は満たされている」

「お兄様って、そんなに心が貧しかったのですか?」

「ああ、母親は偉い神の癖に自分の娘の為に動けない、父親は頑張っているのはわかるが所詮は人間、妹は俺が守るしかないとね」

「お兄様は私には優しかったです」

「だろうね、普段般若の顔の奴がいい笑顔をしていた、本気で絆を守ろう……いや、守ったんだろうね」


 絆と天女は神様達に囲まれている縁の方を見る、やんややんやと皆で楽しそうに笑っている。

 絆はあの兄が笑える日が来たのは、やはりお姉様と出会った事と考えていた。


「はい、今はお兄様を支えてくれる人も居ますし、妹としては安心しました」

「ああ……ここの店でも話題になるんだよな、縁が結婚すると」

「……気持ちはわかります、女性の気配が全く無かったでしたし」

「あれ? でも奥さんとは……アンタを守っている最中に知り合ったと聞いたけど?」

「お互いにお友達……というよりは戦友に近かったと聞いております」

「ああ、私も詳しくは知らないんだが……どうやって恋人になったんだ?」

「私も詳しくは知りません、こう……何時の間にか付き合っていたみたいな?」

「ほっほっほ、私も縁君も何時の間にかお互いを好きになっていたのだよ」

「う゛ぇ!? お姉様!?」


 何時の間にか結びが絆の隣にいた、天女は特に驚きもせずにコースターを目の前に置いた。


「いらっしゃい、飲み物何にする?」

「心闇さんのオススメ」

「高い酒……って、今縁がおだいじんだったわ」

「あらあら? 随分と羽振りがいいことで」

「あ、お姉様? お兄様のお金はクリーンですわよ? 人の世で違法とされている物も持っていますが、国や地域によって法律もちがいますので」

「ほっほっほ、縁君が悪い事してても気にしないよ? 私悪人だし」

「あら? そうですの?」

「そりゃそうでしょ、伴侶の為にどんな事もしますが界牙流だし?」

「あ、お姉様? 聞いた話だと殴り込みに行ったとか」

「ああ、縁君に謝らないと」

「何をでしょうか?」

「簡単に言えば実行犯潰しに行ったら、逆恨みされてさ~」

「仕返しするぞと言われました?」

「そうそう、縁君を結果的に傷付けるとね」

「大丈夫ですわ、お姉様を攻める様な事はいたしません」

「そう?」

「はい」


 今回の事で言えば相手が仕掛けて、それの報復をしたまでの事。

 縁はそれに対しては怒らないだろう、むしろ結びさんの行動に賛成する。

 これは恋人だからとは置いといて、遠回しに警告していたからこそだ。


「全ては相手側が悪いでしょう、今回の元凶は名前はなんでしたっけ? とりあえず犬の神が地獄谷さんの一族が気に食わなかったってお話ですし」

「過去の終わった事を掘り起こして何がしたいんだが」

「こういう時は……本当にたいした理由はありません」

「絆が言うならそうなんだろうねぇ」

「ええ、お兄様が起こした戦争、あれは『学校でお前は不幸の神だから』が始まりですし」


 縁が起こした人の世者達との闘い、今更語るまでもないが学校でのいじめが発端だ。

 それが色々な人達を巻き込んで、戦争まで発展しただけの話だ。

 今回も結局はそれだろう、相手も自分達も止まらなかったから武力行使をしているのだ。


 そんな話をしていると恵庭市がカウンターへとやって来た。


「やあ結びさん」

「あ、縁君」

「結びさん、よくここに来れたね」

「ん? 普通に来れたけど?」

「一応神様しか来れない領域なんだけども」

「そうなの? 神聖な場所ってやつ?」

「そこまでじゃないけども」

「ほっほっほ、縁君の妻ですが? これで解決しそうだけども?」

「まだ結婚してないでしょ」

「秒読み~」


 いつものイチャイチャタイムかと思いきや、結びはハッとした顔をする。


「あ、縁君に謝らないと」

「何を?」

「いや~勝手に地獄谷ちゃんに手紙を送った実行犯を滅ぼした事にさ」

「滅ぼしたの?」

「命はとらなかったけども? けちょんけちょんにした」

「実行犯だれだったの? 手紙送った奴」

「犬の神に仕えている末端組織? とりあえずわかる所までぶっ潰した」

「結びさんは怪我しなかったかい?」


 縁はそっと結びの手に触れた、2人は自分達の世界に入りつつある。


「後先考えずに行動したのに怒らないの?」

「他の神が俺を下に見てるからこんな事が起こるんだなと、容赦しないと決めた……でも喧嘩って同じレベルじゃないと起きないし」

「喧嘩じゃないっしょ? 絶滅させなきゃ、縁君本気で怒ったでしょ?」

「ああ、まあ結びさんにボコられてまだ相手が仕掛けてくるなら……相当のアホだ」

「だねぇ、まあ私は手加減の練習が出来て嬉しいよ」

「神に対して手加減とは凄いな」

「君の奥さんだよ? 隣に立つ力はあると思うけど?」

「有る無し関係無く隣には立ってもらうさ」

「げっへっへっへ……」


 さあこれから2人の世界という時に、縁のカミホンが鳴った。


「ん? 一本槍君?」

『縁先生、なんかよくわからない襲撃者と会ったのですが』

「どんなのだ?」

『縁が私達に手を出した、関係者は許さないと』

「わかった、今一本槍君の所に行く」

「お? 何か事件?」

「早速一本槍君にちょっかいがかかったらしい」

「確認しに行こう」

「よっしゃ」

「お兄様、私はここでゆっくりしています」

「わかった、ああ天女さん、後で請求してくれ」

「ああ、今後ともごひいきに」


 縁と結びは一本槍の元へと向かった。

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