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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第五章 幸せに向かって
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第二話 前説 新年度のお知らせ

 今日も今日とて長谷川と荒野原は、閑古鳥が鳴く個人経営のゲーム屋の店番をしていた。

 だがごくたまに、店長の知り合い、もしくは自分達のファンがコッソリと店にやって来る。

 そして、創作物にありそうな、棚の物を一つずつ売ってくれと言ってくるのだ。


 金持ちの道楽なのか、マニアなのか、それは些細な事。

 おかげで店が普段閑古鳥が鳴いていても、問題ないのだ。


「ふぁーあ、今日は暇だな」

「助かる、この間まさか布教用、保存用、使用用、それを限定版なものは限定ってやられたからね」

「……正直ネット通販で頼んでくれ、現地に来られると在庫確認だけで時間がな」

「まあまあそう言わず、マナーのいいお客様しかいないんだから」

「だったらネット通販にしてくれ」


 長谷川の言う事はもっともだ。

 しかし、レアスナタで一つの噂が流れた。

 リアルの縁さんが働いている店でゲーム買うといい事がある。

 誰が噂したのかわからないが、効果抜群だった。

 前よりもお客様が増えたのだ、無論、常識的に買う人がほとんどだ。


 そして、マナーが超いいのだ、いや、実際にしている事は普通だ。

 物を買ったら黙って帰る、店なら普通の行動だ。

 長谷川と荒野原は、ゲーム内でご利益があると一時期有名になった。

 その根も葉もないご利益にあやかろうとしている。


 だが不思議な事に、何故かご利益があるのだ。

 無論ただの偶然だ、リアルの長谷川は神でもなんでもない。


「ネットで盛り上がってるからね~参拝方法書いてあったよ?」

「は? え? 何の?」

「このゲーム屋さんでご利益を得る方法」

「えぇ……なんでやねん……ちなみに作法は?」

「まず、清潔な服装と身体にして向かいましょう」

「身を清めろと」

「自動ドアを通過する時、心の中で手を合わせましょう、普通にやると痛い人です」

「うん……まあ、自動ドアに手を合わせてたら怖いよな」

「店に入ったら、目的の物を探しましょう、無かったら店員さんに確認しましょう」

「うん、まあ普通だよな」

「この時の注意、店員さんは貴方の友達ではありません、長話はしないでください、サインを頼むなんてもってのほかです、仮に友達でも節度を持ってください」

「うん、まあその通りだよな」

「商品を購入して、袋等に包んでもらう、手渡ししてもらう時にお礼を言いましょう、合法的に会話が出来るチャンスです」

「チャンスて、いやまあ、ありがとうございますとか言われたら、嬉しいけども」

「商品を家に持って帰ったら、喜びにひたりましょう、近所迷惑にならない範囲で」

「……無茶苦茶だな」


 長谷川はため息をする、今の所厄介な客や実害が無い。

 呆れはしたが、そのままでもいいかと思った。


「そして、一番大事な事は、縁起身丈白兎神縁えんぎみのたけしろうさぎのかみえにしも常々言っておられます」

「ほう」

「神に頼らず努力しろ、努力もしない奴に神は手を貸さない」

「オチそれかい」

「らしいね~」

「んじゃ、神様業をしにいくかね」

「お? そろそろあがりだね~」

「ああ」

「まあ神様業てか今日は先生業だね~」

「それが終わったら、結婚式の準備行動だな」

「へっへっへ~……したらまずはご飯だね」

「おう」


 仕事を終えて、2人は何時も通り昼食をとる。

 そして何時も通りゲートへと向かうのだった。

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