第七話 前説 襲撃されたお知らせ
今日は珍しくまばらにお客さんがゲームを買いに来た。
「あ、そうだ長谷川君、私気付いた事があったの」
「お? 何?」
「風月が衣通姫さんと初めて会った時の会話」
「ああ、斬銀さんがTシャツ着た時か」
風月と衣通姫達が、初めてプレイヤーとして接点があったあの時。
山賊に村を襲われたから助けてくれ、とのシナリオをプレイした時だ。
「そう、その時に衣通姫さん……いや、正確にはフォルクさんと話した時に、知り合いだって聞いたけどさ、凄い濃い知り合いだったね」
「あー……たしか軽くだけど知り合ってその時いってたな、って事はずっと青桜さんは霞さんの傍に居たのか?」
「四六時中じゃなくとも、そうかもね、あ、設定的に衣通姫さんとはどんな知り合いなの? 今更だけど」
「縁が戦争していた時に手助けしてくれた、理由は悪人を斬れるなら手を貸そうだったかな」
「シンプルな理由だね~」
「正直、プレイヤーさんとはロビーでは交流とかしたけど、ロールプレイ的に言ったら回数少ないかも」
「おおう」
そんな話をしていると、長谷川のスマホが震えた。
画面を確認すると、いずみからの連絡だった。
「ん? いずみからだ」
「これはレアスナタのお誘いの予感」
「……おっと、これは縁がブチギレ案件だせこりゃ」
「何々、どったのさ」
「簡単に言うと、色鳥といずみが七星了司関連で厄介事に巻き込まれたようだ」
「ほうほう、んでさ、どんな内容?」
「いずみと色鳥の能力が奪われた」
「おお!? 色鳥君はワンチャンわかるけど、いずみちゃんが回避出来ないとは」
「ふむ、いずみは自分が危機に陥っても、運命をおいそれとは変えない」
「なるほど、知っている結果に任せてると」
「ああ」
「んじゃ、縁君の親友を助けにいこうじゃないか」
「おう、妹が案内してくれるらしい、ゲーム内ロビーで待ち合わせだ」
「む? そういえば、あゆさちゃんとゲームするの久しぶりだね」
「ああ……そういやそうだな」
こうして何時も通り、お昼頃ご飯を道中で済ませ、ゲートへと向かうのであった。