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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第三章 桜野学園編
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第七話 前説 お義父さんがいじけたお知らせ

 今日のバイト先は久しぶりのラッシュ。

 商品のここからここまでをやるお客さんが来たのだ。

 会計後、お客さんの車に搬送を手伝う。


「今日は……疲れたね」

「うむ、久しぶりのラッシュ」

「よし、ちょっと休憩しよう、台所借りて何か飲み物作ってくる」

「荒野原さん、ありがとう」

「うむ」


 ささっとコーヒーを作って持って来た荒野原。


「そうそう長谷川君」

「どうした?」

「私のお父さんが少し拗ねて」

「え、何で?」

「お母さんや弟とは、何回かゲーム内で遊んでるでしょ?」

「弟君とはよく遊んでるな」

「それでお父さんが、私も娘の彼氏と遊びたいと」

「ん? あれ? お兄さんも居たよね?」

「兄さんもガチ勢で長谷川君の事知ってる、けど今は奥さんと一緒に産まれた赤ちゃんのお世話」

「おお、会ったこと無いけど今度お祝いを」

「んじゃその話は後にして」


 荒野原は箱を移すジェスチャーをする。


「話を戻すとお父さんが、母と妻と息子で楽しそうでずるいとか言ってた」

「あー……申し訳ないから、今度菓子折り持って挨拶に行こう」

「いやいや、あくまでもゲーム一緒に遊べないのを拗ねてるの」

「うーむ」

「お母さんも言ってたでしょ? 親に挨拶した後だど、一緒に会うの重さが変わるから、しばらくはイチャイチャしなさいって」


 親に挨拶した後の2人で生活するのと、挨拶せずの生活は違う。

 荒野原のお母さんの案で、もう少しだけ彼氏彼女を楽しみなさい。

 そう言われたのだ、両親に挨拶しただけで結婚とはならない。

 だが、気持ちは少なからず、彼氏彼女から夫婦変わってしまうだろう。


「よし、善は急げだ、お父さんの今日の予定は?」

「聞いてみよう」


 荒野原はスマホを操作した。


「あ、長谷川君が一緒に遊びませんか? って言ってると言ったら、速攻で返って来た」

「おう」

「あー……ゲームの後ご飯奢る気満々なんだけど」

「ご厚意は受けよう」

「わかった、とりあえずゲーム内の待ち合わせ場所……っと」


 それから2人はバイトを終わらせて何時ものゲートへ。

 受付を済ませてログインをして、待ち合わせ場所へと向かう。

 

 オールバックに、長い白髪混じりの黒髪を三つ編み。

 顔は歴戦の猛者を感じさせ、鼻と口の間に『ハ』の字様な白混じりのヒゲ。

 服装は風月と同じ中華風の服装、緑色をベースに赤い色の炎の龍が描かれている。

 その人物は縁達を見つけると手を振っていた。


「おお! 初めまして」

「初めまして、ゲーム内では縁です」

「縁さん、お義父様と呼んでくれて構わないよ!」


 どうやらお父さんはお母さん同様にお茶目な性格の様だ。

 スファーリアはハリセンで素早く叩いた。


「あいた!」

「お父さん、挨拶」


 無論本当に痛くないし、ゲームのエフェクトでタンコブを作るお茶目さ。


「うむむむ、娘が手厳しい……あ、ゲーム内では仙人としては炎龍(えんりゅう)、本名は名字が火炎祠(かえんほこら)名前が宝物(ほうもつ)です」


 今度はキリッとした顔した、タンコブのエフェクトを止め、全身にキラキラさせている。


「という事は、炎の龍に認められたとか?」

「おお、界牙流の仙人としての名付け方は娘から聞いたのかい?」

「はい」

「炎の龍というより、洞窟の溶岩から噴き出す炎が龍の姿に見えた……って、初対面なのに設定語っていいだろうか」

「ええ、どうぞどうぞ」


 縁の言葉に気分を良くしたのか、楽しそうに語り出した。


「簡単に言えば炎が龍の姿に見えたってだけだよ」

「ほうほう」

「本名の方は、炎が噴き出す祠に、たからものがあるって意味にしました」

「おお、ロマンティック!」


 ちょっと大げさに縁はノリノリで答える。


「あ、後お父さんの界牙流はちょっと違うのよ」

「違う?」

「文字が違うの、流派の流じゃなく、ドラゴンとかの龍」

「おおーこれまたカッコイイ」

「おお、縁さんはわかってくれるか!」

「……ん? って事は炎龍さんの技は『龍』の文字が付いたのが多いとか?」

「その通りだよ縁さん!」


 機嫌をさらに良くした炎龍は、縁と熱い握手をした。

 それを見ていたスファーリアは軽くため息をする。


「じゃあ今回はお父さん紹介回だね」

「それは嬉しいが、シナリオむはどうするんだ?」

「うーむ……お、これはいけるかも」

「縁君、何か名案?」


 縁を恨む悪い奴らが居て、2人でデートしていた時に襲撃された。

 それを炎龍に相談するという流れ。


「お~なるほどね、そうつなげるか」

「なるほど、任せなさい」

「じゃあちょっと知り合いに連絡しますね」


 縁はメニューを操作して、シナリオの流れを簡単に書く。

 それを掲示板にはっつけて参加者を募った。

 しばらく雑談しつつ、シナリオ参加者達とチャットで軽い打ち合わせをする。


「よし、段取り取れました」

「んじゃ、開始しようか」

「いやーお父さんワクワクだよ」


 3人は光に包まれてロビーから消えた。

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