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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第三章 桜野学園編
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第六話 後説 今後のお知らせ

 ロールが終わり、ロビーに帰って来た縁達。

 今回の参加者達はさっそく反省会等をしているようだ。

 見物客は見物客同士、参加者は参加者達で話し合っている。


「お疲れ様でした」


 縁がそう頭を下げると、風月達も頭を下げてお疲れ様と言う。

 

「縁ちゃん達は今日何か予定あるかしら?」

「特に無いですけど、ルルさん、何かありました」

「実は虚言坂さんの店で飲むのよ」

「おお、飲み屋ですか?」

「いや、回らない寿司屋さんよ」

「お寿司! 大将、マグロ!」

「店に来てから注文してくれ」

「お父さーん」


 メーナが虚言坂が近寄って来た。


「私達は私達で打ち上げするから」

「おう、多分お前が年長だからしっかりするんだぞ?」

「ああ、わかっている」


 それだけ言うとメーナは一本槍達の所へ戻っていった。


「んじゃ、ログアウトして大将の店に集合だ~」

「縁ちゃん達は私がタクシーで迎えに行くわ」


 長谷川達はログアウトをしてルルの到着を待つ。

 ルルと合流した後はタクシーで隣町へ。

 着いたのは隠れ家的なお寿司屋さん『夢魚(ゆめさかな)』だった。

 扉には貸し切りの札がかかっている。


「おお貸切」

「おじゃましまーす」


 荒野原が先陣を切って扉を開けた。

 店内は落ち着いた雰囲気で、カウンターには大将とメガネをかけた店員。

 席にはオシャレなおじ様と斬摩が座っていて、飲み始めている様だ。 


「おう、いらっしゃい!」

「いらっしゃいませ」

「テキトーに座ってくれい」


 長谷川達は席に座った、直ぐに荒野原が手を上げた。


「大将、五千円で握って下さい」

「今日は私のおごりだ、好きに食って飲んで下さい」

 

 荒野原はイケてるおじ様の方を見る。


「おお、もしかしなくても、その声は輝夜様」

「はい、竹山奥輝夜ですよ」

「お~オフ会ぽくていですね」

「お、ならゲーム内の名前で呼び合うか?」

「よし、斬斬それ採用」

「ちゃんと斬銀とよんでくれ」

「あら、今考えたらゲームでも現実でもルルって名乗ってるわね、私」

「確かに」


 お互いにゲーム内キャラで呼び合うと決め。

 虚言坂もとい大将が、寿司をメガネの店員と共に握る。

 縁はふと店内のお酒のポスターが目に入った。

 高い日本酒のポスターだ。


「大将、あの日本酒もらえるかい? 輝夜さんこれは俺が払います」

「わかりました」

「あら縁ちゃん、いいお酒を頼むねぇ」

「この出会いに乾杯しよう、大将も一杯お願いできますか?」

「おう、仕事中だから一杯だけな?」


 大将は目で店員に合図した。

 店員はささっと長谷川が頼んだお酒を持って来た。

 大将が全員分のおちょこにお酒を入れる。 


「んじゃ、ここは縁の神様のお言葉をいいだこうぜ」


 大将がそういうと全員の視線が長谷川に注目した。


「んーシンプルに……良き縁に乾杯」


 長谷川の言葉と共に、皆はお酒を軽く掲げて乾杯と言った。

 お酒と食べ物が進むと徐々に皆酔いが回ってくる。

 大将と荒野原が特に盛り上がっていた。


「え? お2人はまだ結婚してなかったのか?」

「うむ、まだ両親に正式に挨拶もしていないけど、公認みたいなもん」

「んじゃ、結婚式の二次会にうちを使ってくれ」

「おお~大将のお寿司は美味いから有力候補だね~」


 今回はお上品に食べ飲みしていね荒野原。

 何かに気付いた様にハッとした。


「はっ! 縁さんよ、あたしゃとんでもない事を思いついたよ!」

「本当にとんでもない事なんだろうな」

「2人の結婚式はちゃんとしたのはもちろん、ゲーム内でもする」


 本当に突拍子も無く、手が止まった長谷川を気にせずに、一番の爆弾を投下するのだった。


「そして! どっかの会場貸し切って縁と結びのリアル結婚式をしよう!」

「んな誰も来なさそうな催し物を」

「いや……以外と可能かもな」

「うそやん斬銀さん」


 凄く疑いの目で斬摩を見る長谷川だが、勝算があるような笑い方をしていた。


「お金の事は一旦置いとくぞ? 実は社内にお前達の告白に感化された人達が多くてな」

「なんですと?」

「しかもそれが役職のある人達だ、昔を思い出して愛を語ったりデートをしたりしたらしい」

「なるほど、へっへっへ……うちの未来の旦那さんは知らない所で縁を強くしてるんだね~」

「ま、とはいえプレーヤーに社員が何かするってのは良くないだろ? だが『仕事のお客様』なら話は別かもな」

「例えば、公式オフ会で使ってる会場を貸してほしいとか? 確かあの場所って森山ボックス本社の敷地内にあったよね?」

「ああ、そういう事だな」


 荒野原はこれはやれると思っている顔、長谷川は頭痛がしてそうな顔をした。


「私も力を貸せるぞ」

「輝夜様が?」

「小さいけどモデル事務所の社長をしています、我社に恩恵を受けた人達が居ます」

「メイクさんだったり、衣装さんだったり?」

「ええ」

「面白れぇじゃねーか、俺も近場の飲食店に駆け寄ってみるか?」

「なら私は飲み屋に掛け合ってみようかしら」

「大将、マグロ解体ショーなんてどう?」

「おいおい、大きくでたな? 面白そうじゃねーか」


 長谷川を置いてきぼりで、どんどん話が決まっていく。


「えぇ……なんか本当に実現しそうなんだけど」

「はは、本当だな」

「……斬銀さんが発端ですよね?」

「ま、嫁さんが楽しそうでいいじゃねーか」

「ついに俺の宝くじが火を噴く時が」

「……お前もやる気満々じゃねーか」

「もちろんです、金は天下の回り物」

「お前珍しく悪酔いしてるか?」

「何を言います斬銀さん、良い酒もといいい縁に酔っているんですよ」

「よー口がまわる事で」


 何だかんだ長谷川もノリノリだった。

 後日、真面目にどうするか話し合ったのは言うまでもない。

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