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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第三章 桜野学園編
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第一話 幕切れ 何も起きないのが日常

 縁達がスロット台が並ぶ場所に行くと、一本槍がスロットしていた、その近くには野次馬が沢山居る。

 一本槍の近くに、絵に描いた様なタキシードに蝶ネクタイで、マイクを持って実況をしている人物が居た。


「どうやら一本槍君がスロットをしているようだ」

「凄い人だかりだけど、何か特別なスロットなの?」

「あれは実力が全てのスロットだ」

「実力? 目押しとか?」

「それでもいいし、音で判別してもいい」

「壊してもいいの?」

「無理だな、誤作動させるとかは出来る」

「それはいいんだ」

「遊びは技術のやり取りだ、親友が言っていた」

「なるほど」


 2人はスロットをしている一本槍の方を見た。


「さあ挑戦者、倍率はついに50倍だ! 先程も説明したが、ダブルアップチャンスは、スリーセブン以外ハズレだ!」

「……いえ、ここで止めます」

「おおっと、どうした挑戦者! ここで終りか!? 理由を聞いてもいいか!?」

「これ以上は僕の集中力が持ちません、そして観戦者が居ると気持ちが前向き過ぎてしまいます、これ以上の挑戦は無謀と判断しました」

「自分の実力をしっかりと把握している挑戦者に拍手!」


 拍手喝采を受け居てる一本槍。

 そんな彼を見ている2人に、絆が話しかけてきた。


「お兄様」

「おう、絆どうした?」

「あの一本槍さん、なかなかいい素質を持っていますわ」

「俺に傷を付けるくらいだ、強いぞ」

「私も手合わせしましたけど、負けてしまいましたわ」

「本気でか?」

「いえ、付け焼き刃ですが、お姉様に教えて頂いた演奏術で」

「お前が演奏術を?」

「お兄様? 神と音楽は深い関係にありますわ」

「いや、確かにそうだが」

「絆ちゃんはいいセンスをしている」

「お姉様に頂いたマラカスとの相性抜群ですわ」


 絆はマラカスを召喚して、それを手に持った。


「いいのか?」

「構わない、入学祝いだから、それに楽器は人を選ぶ」

「今更だが、凄い楽器達だよな?」

「何時か縁君にも製作者を紹介する」

「お、それは楽しみだな」

「所でお兄様、私の制服姿はいかがでしょうか?」


 マラカスをしまい、その場で1回転する絆。


「よかったな絆、やっと……人並みの幸せを」


 縁は泣き真似をしている。


「お兄様、その言葉そのままお返しいたしますわ」

「ん?」

「お兄様も幸せではなくて?」

「ああ」

「で、久城さんでしたっけ? 何故お兄様方を見ながら、メモ帳を開いてるのですか?」

「私生活の密着取材です」

「なるほど」

「いやいや久城さん、記者みたいなムーブだな」

「はい、趣味爆発中です」


 それだけ言うと、久城はメモ帳に何かを書いている。


「絆、桜野学園でやっていけそうか?」

「まあ、親子の会話が無くなって、久しぶりの会話をしたお父さんの様ですわ!」

「俺達の父さんそんな感じじゃないだろ」

「あ、居た居た絆っち」


 そんなやり取りをしていると、天津姉妹がやって来た。


「あっちにバリバリでウキウキなボードゲームあった」

「ウチらと他に誰か誘ってやろうや~」

「ええ、いいですわよ」

「えに先生達もする?」

「……えに先生」


 愛称に少々困惑する縁。


「あ、ごめんなさい、なれなれしかった」

「ああいや、愛称で呼ばれるとは思わなかっただけさ、そろそろ俺は帰る時間なんだ、長くなるゲームは出来ないな」

「そっか~……って、えに先生、帰る時はどうしたらいいのさ?」

「ああ、そのチップカードを本登録すればいい」

「本登録?」

「個人情報の登録だな、それすればドア開けた瞬間に自宅前か付近だ」

「おお、それは凄いな~」

「縁君、そろそろ」

「もう時間か……店長」

「お呼びでしょうかオーナー」


 縁の背後に突然現れる店長。


「俺の生徒達の本登録と、オススメのアナログゲームを出してやってくれ」

「承知いたしました」

「俺はこれで帰るから」

「お兄様、私が最後までご学友をお見送りしますわ」

「頼んだ、絆」

「先生が帰るなら、私も皆と遊びましょう」


 生徒達は縁達に挨拶した後、店長と共にアナログゲームが置いてある方へと向かった。


「嬉しそうね、えに先生」

「それで呼ぶのか」

「嬉しそうだったから」

「呼ばれた事が無かったからな」

「じゃあ愛称で呼ぶ?」

「君で呼ばれる方が嬉しいよ」

「それじゃ、帰りましょうか、縁君」

「ああ」


 2人はカジノから出るのだった。

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