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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
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第九話 後説 まだ始まったばかりのお知らせ

「お疲れ様兄貴、姉貴」

「お疲れ」

「お疲れ様、縁君、絆ちゃん」


プレイを終えて縁達はロビーへと戻って来た。


「いや~予想外の結果になりましたな」

「何が?」

「いや、2人の事だから叢雲を絶滅すると思ってた」

「おいおい、縁はちゃんと話を聞けるキャラクターだぞ? てか縁は絶滅キャラではない」

「スファーリアもそう、絶滅力が高い様に見えるけど、話を聞いて理解する力は強者への一歩」

「私の絆も言えたガラじやないけどさ、イベント始まってからの2人は殺意マシマシだったよ?」


 絆にそう言われた2人は、考え始めて、納得したように頷いている。


「ふーむ、多少心当たりがあるな」

「敵は全て絶滅しないと、平和に暮らせないでしょ」

「姉貴、ってかスファーリアはぶれないねぇ」


 スファーリアの言葉に絆は苦笑いをした。


「ああそうだ、今日も2人で打ち上げするんでしょ?」

「だな」

「うん」

「んじゃ、私も参加する、兄貴達が常連の居酒屋に行きたい、斬銀さんから聞いたけどさ、美味しいらしいじゃん?」

「お、じゃあ帰り支度して向かおうぜ」

「そうしましょ」


 3人は帰り支度をして、タクシーで長谷川達が常連の居酒屋に行った。

 何時もの席に案内され、何時もの様に料理を頼む。

 しばらくした、頼んだ品物が来て、長谷川は乾杯の音頭をとった。


「イベント終了に乾杯」

「ウェーイ! 乾杯!」

「姉貴、まだ飲んでないよ? 早くない?」

「はっはーん! 未来の旦那と妹とこれから飲む酒に、酔いしれねぇ妻が居るかってんだ!」

「ふーむ、確かに」

「兄貴冷静だね、恥ずかしがると思ったんだけど」

「自分より惚気てる人を見るとさ、そりゃ冷静になるだろ?」

「ってか兄貴、姉貴ってこんな感じなの? クールなイメージがあったんだけど」


 あゆさはジト目で、将来義理の姉になる人を見ている。


「あゆさちゃん、大丈夫よ? お姉ちゃんはテンション高いだけだから」

「いや、スファーリアの声色で言われても」

「酒飲む時はこんな感じだ」

「最近姉貴が通い妻し始めたとか、大丈夫なんか?」

「何が?」

「兄貴が取って食われないか心配だわ」

「そこは大丈夫、安易な行動はしない」


 一瞬だけキリッとした表情であゆさに言った。

 が、次の瞬間にはのんべぇフェイスになっている。


「で、イベント終わったよ、どうだったよ」

「縁は戦ってばかりだったな、癒しイベントが欲しかった」

「そりゃ絆も同じ」

「お、そんな2人に朗報です」

「何?」

「学園ものでよくある、対校戦が始まります!」


 勢い良く拍手する荒野原に合わせて、長谷川兄妹も遅れて拍手をする。


「おお、戦闘科らしいな」

「うむ、血生臭い雰囲気は無いから大丈夫、んでついでに学校行事のイベントもやろうかなと」

「というと?」

「体育祭に文化祭、修学旅行とかとか」

「うむ、学園モノだな」

「で、絆ちゃんも生徒になるから、ついでにクラスのデザインを変えようかと」

「デザイン? ああ、確か今はトライアングルの紋章だったよな」

「そそ、一本槍が未来の姿になった時があったじゃん?」

「ああ、あの時のデザインにするのか?」

「うんうん、我が弟ながらいいデザインだよね~」

「あれ弟さんが作ったのか」

「話の流れで未来の姿になる流れになったやん?」

「だな」

「その時に、ここで使えると思い付いたとか」

「適応力すげーな、チャンスを逃さないというか」

「兄貴に言われると太鼓判だね、その弟さん」

「長谷川君に会いたいって言ってたわ」

「そうなの?」

「未来のお兄さんにちゃんと挨拶したいとさ」

「これは俺も挨拶しに行かないとな」


 少し照れながら長谷川は頭をかいている。


「てか兄貴、姉貴のご両親に挨拶したの?」

「してない」

「いやいや、しなさいよ」

「へいへい」

「結婚報告でもいいんですよ? 長谷川君」

「それは早いかな、お互いまだ知らない事もあるだろう」

「姉貴の方がグイグイくるのね」

「いやいや、普段は長谷川君が甘いセリフを言ってくれますよ? ぐへへへ」


 セクハラおやじの様な、絡み方をしてくる荒野原。


「あ」


 っと声を上げて、あゆさはマジトーンで話し始めた。


「どうした? あゆさちゃん?」

「兄貴、姉貴とちゃんとデートしてる?」

「どゆこと?」

「レアスナタ以外でコミュニケーションとってるかって事」

「もちろんだ、最近は土日がレアスナタを一緒にしている時間だな」

「平日は?」

「カラオケやショッピング、多少の外食や自宅で筋トレとか」

「姉貴、本当?」

「うん、どうしたのあゆさちゃん?」


 安心したようにため息をするあゆさ。


「いや、兄貴を昔から知ってるから、レアスナタ三昧になってないかなと」

「あのな、俺を何だと思ってるんだ?」

「心配にもなるよ、人生初の恋人なんだから」

「あゆさちゃん、私も人生初」

「え? 姉貴モテそうなのに」

「ああ、それそれ! 男達からは可愛いだのなんだの、女達からは調子に乗ってるだのなんだの、絶滅させるぞゴミムシ共め!」


 荒野原は豪快にピッチャーを口のみしだした!

 グラスに注いだら一杯分位を残して、勢い良くテーブルに叩きつける!


「おおう、姉貴の地雷だった、ごめんなさい」

「いやいや、大きな声を出してごめんあそばせ、オホホホ」

「まあ兄貴が、しっかり恋人との時間を過ごしていて安心したよ」

「あ!」


 今度は荒野原が何かに気付いて声を上げた。


「今思ったらゲーム内でデートしてなくね? 私達」

「あ、そうだな……縁も結びさんも戦ってばかりだ」

「こりゃゲーム内でデートするしかないねぇ!」

「じゃあ姉貴、アレのプランにしたら?」

「アレ?」

「設置されてる店舗がまだ少ないけど、最近設置されたアミューズメントルームってあるじゃん」

「長谷川君、説明してくんろ~?」

「アミューズメントルームは、ゲーム内の遊園地を遊ぶのに特化した部屋だな、かなり高性能な座席に座って遊ぶんだ」

「流石兄貴」

「で、この部屋は凄いのよ」

「何が?」

「料金プランも色々とあるんだが、一番いい部屋が凄い」

「どんな風に?」

「なんと! リアルの飲食をゲーム内に反映出来るんだ!」

「……は?」

「……ん?」


 あゆさと荒野原は、長谷川の言葉を理解出来なかった様だ。


「部屋に設置されている専用のテーブルで、プレイヤーが飲食するとゲーム内で反映されるんだよ」

「え? 何それ凄くね?」

「ただ料金も凄い、三食ついて3万する」

「うえぇぇ!? 何で!?」

「清掃や万が一の故障、まあ保険料って奴だ」

「なるほど、それ一日中?」

「いや、朝6時から夜中の深夜0時まで」

「ああ、それで三食」

「ちょっと奮発して行ってみようか?」

「いいね~たまには贅沢するもんだ」

「兄貴、私達もまぜろー! 旦那に車出させるから」

「よっしゃ、ダブルデートだな! 長谷川君、ゲームもリアルもまだまだ忙しくなるぞ!」

「ああ」

「テンション上がる! これは飲むしかねぇ! へい大将! じゃなかった女将さん! ノンアルピッチャー追加よろしく!」

「姉貴、落ち着いて飲んでくれ」


 長谷川は、いい意味で騒がしい毎日が始まったばかりで、この幸せを続けていける様にと考えるのだった。


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