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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
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第九話 演目 意識の集合体

「さあ、絶滅しあいましょ」


 スファーリアはビーダーでトライアングルを叩いた。


「……」

「お前から『言葉』を絶滅させた」


 隷属の神は喋っている様だが、声は出て無く物凄い怒っている。


「これはかなりの痛手だ」

「隷属の神ならば、言葉は一番の武器ですわね、何かを従わせるなら言葉が一番です、金品等の物はそれの補助にすぎませんし」

「あれはじわじわと絶滅させられるな」

「それはそうですわ、神社を壊した元凶なんですから、一撃で済むなんてただの慈悲です」

「どうした? 私の愛する人は、神は人知を超えた存在と教えてくれた、この程度造作もないだろ? 『人の手によって作られた技術』だからな」

「……!」


 隷属の神は反論出来ない子供の様に、駄々をこねてる様に暴れている。


「縁君、この神弱いんだけど、風月の記憶と合わせると……かなり威張り散らしてたよね?」

「だな、今ならわかる、そいつは神じゃない」

「は!? 神じゃない!?」


 叢雲は縁の言葉を疑い、目を見開いた。


「例外は有るが、神って生まれたら自分の位ってのが感覚でわかるんだよ、神の常識とかな? だって神だぜ?」

「私達は例外ですわね、半分人間ですし」

「え、じゃあコイツ何?」

「ジャスティスジャッジメントの汚れた思念から生まれた、神の紛い物だな」

「偽物の方が本物に見えると、聞いたことが有りますわ」

「なるほど、で、偽物の神様? 反撃は?」

「!?」

「全力をさっさと出したら? 出せる様にしましょうか?」


 何も出来ない思念体に、またスファーリアはトライアングルの音を聴かせた。


「小娘が! ワシに散々言いやがって! 覚悟しろ!」


 自分を神と思っていた思念体は、スファーリアに殺意をむき出しにしている。

 力を溜めて巨大な黒い塊を作り、それをスファーリアに投げた!

 難なく右手で虫でも払うかの様に、思念体の全力の攻撃を弾く。

 だがその行動で、右肩から手まで消滅してしまった。

 傷口から血の代わりに、音楽で使う記号が流れている。


「実力以上の力を出せる様にしたのに……片手だけか?」

「くっ! ぐぬぬぬぬぬ!」


 思念体は相変わらず、目の前の現実を受け入れないようで、納得はしていない顔をしている。 


「お姉様、自分の身体は大事にしてくださいまし」

「大丈夫、縁君、私の事は好き?」

「愛してる」


 あからさまに嬉しそうな顔をするスファーリア。

 その言葉を聞いた瞬間に腕が再生した。


「ほら、元通り」

「そうではなくて!」

「ごめんなさい」

「……戯れがすぎますわ」


 本気で起こる絆にスファーリアは一瞬だけ、申し訳なさそうにした。


「妹に怒られたからこれで終わりにする、私から最後のプレゼント」


 再びビーダーでトライアングルを叩く。

 徐々に思念体の顔がこわばっていく、それは全てを理解した様な顔だった。

 自分がどんな存在を相手にして、実力の差を消える前に理解した。


「……な! ああ! ああぁ! やめろ! やめろぉ!」


 怯える思念体にスファーリアはゆっくりと近付く。


「絶滅!」


 その言葉と共にビーダーで思念体の身体を突いた。

 叫び声も無く、思念体はその場から消える。

 スファーリアは最後に鼻で笑った。 

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