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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
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第九話 演目 神はそんなに偉くない

 3人は教室へと戻って来て、縁達は教壇へ、サンディは教室の後ろに移動する。

 

「みんな、そろそろ授業始めるよ」

「あの、縁先生」

「どうした?」

「カミホンをタダで頂いて、よろしいのでしょうか?」

「ああ、使い方はバッチリか?」

「はい、本体に触った瞬間理解しました」

「よしよし、んでカミホンはタダでいいよ」

「本当にいいんですか?」

「自分を大事にしてくれるならな」

「はい!」


 一本槍の言葉に続いて他の生徒達が頷いた。


「では神と加護について話をするか……んじゃバッサリというとな? 姿を現す神様なんて位が低いから? 敬う必要は無い」

「え゛!?」


 開幕縁の言葉に生徒達が驚いた、縁も姿を現す神様だ。

 実力を知っている生徒達からみれば、自分自身が位の低い神と言ってる縁の言葉に驚くのも当然。


「この言い方は語弊があったな、姿を見せる神様は神としての位が低いんだ、ただある程度のマナーや常識を持って接してくれ、礼がなってない神は無視していい」

「縁先生も低いんですか?」

「高位の神になればなるほど、姿も見せれないし、名も名乗れない」

「どうしてですか?」

「色々な理由がある、天変地異を起こしてしまったり、いらぬ争いを起こしたり、早い話が面倒くさい事が起こるんだ」

「でも縁先生で位が低いってどういう事っすか? 凄まじい力を持っているのに」

「神の位は認知度、信仰心、簡単に言うと……商品だな」

「商品ですか?」

「どれだけ素晴らしい商品でも、よくわからない会社だったり、知っている人の人数が極端に少なかったらって話だな」

「確かに、何か怪しさを感じますね」

「有名だったりすると安心するだろ?」

「ブランド力ってやつですね」

「そ、で品質を一定に保つために、有名になった神は人前にあまりでなくなる」


 水晶玉を頭に載せた未来が手を上げた。 


「わかった縁先生、それは『神に失望させない』ためだ、あんだのこんだの好き勝手言って、信者が減り結果信仰心が減る」

「正解だ未来さん、人は好き勝手だからな……本当に」


 縁は全てを恨む様な目をした。

 スファーリアはそんな縁をジッと見る。 


「縁君は居なくならない?」

「姿を隠さなきならないなんて相当上位の神だな、俺はそこまで上りつめたくない、てかならん」

「俺半端な死神っすけど、わかるっすよ? 縁先生って力だけなら上位の神に相当するんじゃ?」

「それは大切な人達が俺を信用しているからだ、信仰心は自分の力ではないし、威張り散らす歳でもないからな」

「へっ、スファーリア先生に嫌われたくないからだろ、お前昔は威張り散らしてたのに」


 サンディがニヤニヤしながら小声でそう言った。

 聞こえていたのか縁は微妙な顔をサンディに一瞬向ける。


「……だからまあ、威張り散らしてる神なんざ、底が知れてるのさ」

「縁先生、例外もありますよね?」

「ああ、それこそ大雑把に言うと、人間を始めて作った神とか、火を教えた神とかな、その位の神なら調子に乗っていいんじゃーね?」

「でもふんぞり返る神に私は清き一票はいれたくない、占いでもそう出ている」

「だから、神なんて全然偉くもねーんだ、みんなも変な神に声をかけられたら、俺に相談するように」

「はーい、と、言ったものの何でですか? 縁先生? 神とか信者が勧誘してくるんですか?」

「ああ、そうだ、じゃあ次は加護について話そうか」

「縁先生、加護はもしかして布教活動の一環なんですか?」

「大体がそうだな」

「縁先生は加護を授けたりするんですか?」


 一本槍の質問に縁はウサミミカチューシャを外した。

 何時もの神様モードになり、高位の神の立ち振る舞いを感じさせる。


「努力しない種に幸運は訪れない、真っ当な対価を払い、身の丈にあった自分の力で幸せになるがいい」


 生徒達は普段出さない高位な雰囲気に圧倒されていた。

 縁はそれだけ言うとウサミミカチューシャを付けて、普段の姿になる。


「うわ~あの縁がすげーまともな神様やってるよ」

「……何度も言ってるかもしれないが、何でもかんでも神様がやってくれるなんざ、裏があるに決まってるから気を付けろよ?」


 また茶々をいれるサンディを無視して、縁は話を進める。


「今の感じだと縁先生加護は与えない方向性なんですね?」

「ああ、人の技で十分だ、人知を超えた力なんて必要ない、ただ、敵が神の力だとか禁止された物や術を使ってくるなら……話は別になる」

「はい、殺し合いで四の五の言ってられません」

「人の手に溢れた力が欲しければ、それ相応の心技体が必要だ、覚悟もな」

「覚悟ですか?」

「例えば名も無き一般人が世界を破滅させる力を持って、私はこの力を使用しませんっても賛否両論だろ、否の方が多いかもな」

「確かにそうですね」

「面倒くさいのは、地位があってもグチグチ言われる事だ」

「どういう事ですか?」

「ハッ! 勇者が魔王を倒した後に、勇者が世界の脅威になるから消そうって奴らも居るって話さ」


 吐き捨てる様に大声でそう言ったサンディ。

 目や雰囲気から殺意が溢れている。


「どうしたんだサンディ? えらくブチギレてるが」

「シーナ先生のクラスを卒業して、英雄になった生徒がそういう扱いを受けたの」

「どこも同じか」

「まあ、私が全て黙らせたが」

「先生が荒事していいのか?」

「てかスファーリア先生、戦闘科の先生ってほぼ現役が多いよな?」

「そうね、私も絶滅演奏者として色々と活動してるし」

「……この学校大丈夫かよ」


 縁は呆れていると、スッと真面目な顔になりカミホンを鞄から取り出した。

 簡単な会話をした後、カミホンを鞄へとししまう。


「絆ちゃんから?」

「ああ、神社で待っててくれとさ」

「それじゃ行きましょう」

「サンディ、後は頼んだ」

「はいよ」


 縁とスファーリアはその場から消え、後ろに居たサンディが教壇にたった。


「んじゃ、続きは私が色々と話してやろう」


 サンディはニコニコしながらチョークを持った。


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