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VRゲームでも運と愛し合おう!  作者: 藤島白兎
第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
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第八話 幕切れ・後説 心配と同居の話し合いのお知らせ

 縁達はアフロ先生の病院前までやって来た。

 受付で生徒達の居る病室を聞き、そこへ向かう。

 病室にはベットで横になっている一本槍と、椅子に座っているツレとファリレント。


「一本槍君、身体は大丈夫か?」

「はい縁先生、身体を動かすと痛いですが」

「ああ、神の加護を使ってその程度で済んだのはいい事だ」

「……みんなすまない、お前達が死ぬ間際まで私は気付かなかった、普段なら気付いたが……色恋沙汰にかまけていた」

「俺も副担任としての自覚が無かった、申し訳ない」


 風月が頭を下げると、縁も深々と頭を下げた。


「僕達は未来さんから、今日の出来事はある程度は聞いていたんです」

「未来から?」

「はい、『今日私の発表会に来ない方がいい、来ると大変な事になる、もし来るならどんな事が起きても先生方をずっと信じて』と」

「未来ちゃんから警告されていたのに、行く選択肢をしたのは私達、お姉ちゃん達をせめるのは違うと思う」

「風月先生には申し訳ないっす、縁先生が故郷に来るって楽しみにしてたのに」

「一本槍君、どうして行く選択肢をしたんだ?」

「未来さんの警告からして、僕達では対処出来ない者が現れる、そして必ず先生方が来てくれる」


 一本槍は申し訳なさそうに話をしている。


「僕達3人、実戦経験にはもってこいかと思いました」

「怒ればいいのか褒めればいいのか、なんだかんだ言っても、実戦経験は役に立つ」

「今回はギリギリ過ぎだ、毎回こんな事されちゃ心臓に悪い」

「……連絡手段が必要だな」

「連絡手段?」

「ああ、一本槍君の兎術ではこの姿の俺じゃ感知出来ない、風月、ファリレントさんの音だと長距離は無理だろう?」

「音をトライアングルに封じ込めたのは見事、ただそれを運ぶ手段をまだ見に付けていない」

「よし、クラスの分これを用意しよう」


 縁は何時も使っている長方形の通信媒体を鞄から出した。


「縁が何時も使っている通信媒体じゃん」

「ああ、まあスマホみたいなもんだな」

「普通のスマホではないの? 名前は?」

「カミホン、神様仕様のスマホと思ってくれていい」

「名前が安直な、で、性能は?」

「おっと、ここは病室だから機能の説明は教室でだな」

「確かに、今日の反省会も今度授業でしようか」


 風月は溜息をした後に一本槍を見た。


「でもこれだけは今聞いておきたい、一本槍いい経験できたかね? 自分の未来の力はどうだった?」

「正直、もう使いたくないです」

「ありゃ、そうなん?」

「今の僕の力ではないですし、一瞬の為に今後を捨てられません」

「ちなみに縁、あれってどれ位の対価を求められるの?」

「対価は神によって色々だ、俺の基準で言うなら『20年はいい事が無い』かな」

「うわ、辛! てかそれを身体の負荷で許してくれたんのかん!?」

「言葉が変になってるぞ、だから今度お礼をしにいこうとな」

「なるほど、これは私も行かないとダメじゃん、わがまま聞いてもらったんだし」

「だな、しかし良かった、一本槍君が安易に力の虜にならなくて」

「いえ、正直言ってしまうと虜になりました、神の加護素晴らしいです」

「おいおい」


 縁は一本槍の答えに苦笑いをした。


「縁先生に聞きたいんですが、例えば『神の試練を合格して貰った力』とかは対価は無いんですか?」

「それもモノによるな」

「なるほど」

「そこらはさっきの話も含めて、今度授業で話そう」

「お願いいたします」

「んじゃ縁、私達はそろそろ行こうか」

「そうだな」

「私達は先に帰るね~」

「お疲れ様っす、先生方」

「お疲れ様です」

「お疲れ様でした」


 病室を出て、玄関前へとやって来た2人。


「はぁ……あたしは心臓が止まりそうだったよ、正直」

「今回は未来さんの占いの結果通りで良かったが」

「毎回こんな事されたらこっちが死ぬわ」

「そして毎回結果通りとはいかないだろうな」

「気が緩んでいた」

「それは俺もだ、副担任の自覚が無かった、すまない」

「今度の授業は大反省会になりそうだね~」

「ああ、ただ一本槍君達をあまりしからないでやってくれ、気持ちはわかる」

「そりゃ私だってわかるよ、自分が昔無茶してた時の保護者の心境が今わかった」

「だな」

「今日はここで解散にしようか」

「ああ、またな」

「ほいよ」


 2人はその場から消えた。

 そして、ロビーへと戻ってきた。


「あーびっくらしたよ、あたしゃ」

「ああ、裏で妹から『生徒瀕死ロールするけど参加出来る?』のメールはビビった」

「絆ちゃんも仕掛人だね~というか、色々と頑張ってるね~」

「ジャスティスジャッジメント関係、てか隷属の神関係は絆中心で動いているからな」

「おおう大変だ、特に手伝ってないけど」

「まあイベントもそろそろ終わるからな、手伝うにしても次からの方がいいだろう」

「だね~んじゃ、ログアウトしようか」

「ああ、ロビーでな」

「はい、お疲れ~」

「ああ」


 縁もとい長谷川はログアウトした。

 身支度を済ませて荒野原と合流する。 


「お疲れ様、長谷川君」

「お疲れ様、荒野原さん」

「今日は歩いて居酒屋に行きましょう」

「ああ、いいよ」

「で、同居の話はどうしましょうか」

「ふぁ!? あれはゲームの中の話では!?」

「そうだけど、互いの事を知るには一番いい方法」

「今すぐにって訳にはいかないぞ?」

「だから話し合うの、お酒を片手に」

「長くなりそうだ」

「嫌?」

「まさか、2人のより良い未来の時間の為に必要だろ?」

「へへへへへ」


 2人は手を繋いで何時もの居酒屋に向かうのだった。

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