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嘘のような話も、一週間と経たずに理解せざるを得なくなった。
あんな別れ方をした翌日、何事もないように振る舞う彼女。
なぜなら、彼女にとっては明日起きる出来事だから、という事である。
演技なのかと思った・・・いや、思いたかったのだ・・・
演技であってくれと願ったのだ。
しかし、話題の悉くが前後している様子に、それを自然に話している彼女に、
本当のことなのだと思い知った。
そして絶望する、老いてゆく自分、若返る彼女、
いつか訪れる見知らぬ他人になる瞬間に。
何も知らない彼女は、今日も屈託なく華の様に笑う。




